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ローズガーデン帝国の無能どもにザマァ

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ツカツカツカ、と靴音が響く。


国中の貴族を魔法で中継させて、陛下の謁見の間で、リリーナはバッと腕を広げた。


「私は、リリーナ=タイガー!王位継承権を持つタイガー公爵家の令嬢であり、『剣聖』の称号を持つ、この世界で最強の『剣士』!そして、彼はケイト=マックス!同じく王位継承権を持つマックス公爵家の長男であり、この世界で最強の『大魔法使い』!」



私たちはオーラを全開にしている。

LV99になった剣聖と大魔法使いのオーラだぞオラ。
映像越しでもびりびりするだろ?
格の違いが猿でも分かるだろう!?


「この度、私は勇者様よりパーティ申請を受けました!私とケイト、オオワシ王国の王太子妃でもある聖女・オリーブ様、フェニックス王国のカナリア王子が賢者、そして勇者ミリオンで、女神の神託により世界の危機に立ち向かいます!」

――――――が、その前に皆様にお知らせが。



リリーナの吊り目は悪役令嬢のようにキツく、冷ややかになる。



「あなた方は、散々、ケイトのことを馬鹿にして、踏みつけましたね。マックス公爵家ではだと食事も満足にもらえていなかったとか。魔法の勉強がしたいといってもさせてもらえず、適性とは真逆の鍛錬を強制され……、全く愚の骨頂です。し・か・も!そのいじめは当主が率先してたとか!」


「ひっ!」


騎士団長がおしっこをちびる。

私はマックス公爵を腕っぷしでボコボコにして、足で踏みつけてあげてるわ。

だって、私の大事なケイトに同じことをず―――――――――っとなさってたでしょう。
思い知るといい。


「だ、団長……。」


あらあら団員が困っていてよ。もう敬愛できないわねぇ。いいのよ、初めから尊敬できない大人なのだから。


「そこの弟たちもだっ!自分たちは関係ないというような顔をするな!」


「ひゃ、はぃいい!!」



「いいか、この私が本気を出したら、お前らなんて簡単にへし折ることができるんだからな…。黙って断罪されてろ!」




「言っておくが、LV99になった我々に暗殺など自分の首を絞める行いだからな。」



「……はい。」




「それから、私はマイプリティエンジェル=スーパーハンサム=ローズウッド王子の浮気癖による有責で婚約破棄を致しました。この『剣聖』で?馬鹿の代わりに公務を一手に引き受けてきたこの私を捨てて、バタール侯爵令息とエッチなことがしたいんですって!そろそろ泣きついてくるころじゃないかしら。」


ガタっと、謁見の間が開かれる。



「もう嫌ですぅ!僕には無理ですぅ!!!!!」


「何を言っているの、ライモンド=バタール。貴方がマイプリティエンジェル=スーパーハンサム=ローズウッド王子の妃になりたいって私を悪役令嬢呼ばわりして婚約破棄に仕向けたのではないの?私は婚約がなくなったらとても幸せだから平和的に婚約を結び直したはずですわよね!」

ライモンド=バタールは全貴族にみられているなんて思っていない。


気付いていないところが愚かだわぁ。

あそこであなたのお父様が青い顔で死にそうなのに。


「でもぉ、本当に全く公務ができないなんて…!」


「ライモンドっ!お前とはもう婚約破棄だっ!全く仕事ができないし、最近では見栄えも悪いじゃないか。リリーナは最近美人だし、もう一回婚約しよっか!リリーナは仕事ができるもんな!」

ほほほ。今度は陛下が頭を抱えていらっしゃる。



「馬鹿も休み休み言いなさい。私は、もうケイト=マックスの妻ですの。速攻で縁を結びましたの。貴方なんて死んでもごめんですわ。………と、いうことで。貴族院の皆様、ご判断を!」



へ?とマイプリティエンジェル=スーパーハンサムなんちゃらが間抜けな顔になった。



結果、満場一致でローズウッドの王統は終わり!私の即位が決まりましたわ!



「えええ、マイプリティエンジェル=スーパーハンサム=ローズウッド殿下はマイプリティエンジェル=ローズウッド様になるんですかぁ!!」

ライモンドは泣きそうな声を上げた。


「そうよ。もう王子じゃないのよ。だから貴方は公務をしなくていい。嬉しいでしょう?」

「嬉しいですけど…、そうじゃないっていうか。僕はあの人と別れたいですぅ!」


「王命ヨ、末永くお幸せにね。」にっこり。



「嫌ですぅ!!王子じゃないあの人なんて、タダのカン違い男じゃないですか!『王子』ってことだけが魅力の9割だったのにぃ!」


「えええ!!みんな私のことをそんなふうに思ってたのかぁ!!!!がーん!」



ローズウッドは元々併合した国の王族だけど、代々甘やかした結果、ろくでもないのしか残ってない。
爵位的には公爵だけど、こんな感じでいつまで『公爵』でいられるかしらね。


呆れながら、国政をまずは正常に機能させる。
ケイトと手分けすればすぐにできるだろう。


そして、少し城を開けても問題ないように体制を整えて。



来るべき日に、約束の場所へ向かわなければ。
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