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ラストの敵 ルシファー星雲連盟の帝王サタン

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長い長い…。
長く種として存在した者たちは、やがて病を克服し、若さを保ち、寿命の限界を突破して、永遠の命まではいかないまでも、それに近しい存在になる。

寿命が長くなれば長くなるほど、見た目は若いままの時間も長くなる。


だがしかし、生殖に関しては。


長寿命化と若さの維持と引き換えに、種族は性欲を失い、生殖機能も衰えた。

人工的な生殖を試みるものの、今度はデザインされた生ゆえの多様性の欠如。
強靭性のある生殖とは言い難く、彼らは『自分たちの種がかつて絶滅した生き物たちと同じように、緩やかに滅びに向かっている』としか言えない状態にある。

誰がどう見ても。



まだ多様性の溢れる星。

繁殖能力が高く、交配可能なほどの遺伝子の近さ。


そんなところから、その星は選ばれた。


支配して捕虜にしようと思い、ある程度の星の蹂躙に取り掛かる。

全員は要らない。

自分たちの手から生き残れただけの運と、強さのある優秀な遺伝子の持ち主だけでいいからだ。


先兵として彼らの育てた使役獣を放ったが、驚くことに、彼らは悉く返り討ちにしてくる。
それは、ある一つの点を中心にしていた。


ならば。



「ルシファー星雲連盟、帝王サタン閣下。目的の点を算出致しました。」

「ありがとう、ああ。あそこに私の花嫁がいるのだな…。わくわくするよ。」


「私の、じゃないですよ。俺たちの、じゃないですか。」


「うひひ、可愛い子だといいなー。」


「戦果を挙げた者から好きな個体を選んでいいぞ!我々の子を孕ませてやろう。」


宇宙船は廃惑星の後ろに潜む。



彼らは、勝利を確信している。




―――――――まさか、その惑星の勇者パーティーが揃いも揃って規格外などと。

その地点である『フェニックス王国』で準備万端待ち構えているなどと、誰も思わないから。
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