最強で美人なお飾り嫁（♂）は無自覚に無双する

つり針

「バード公爵家が爵位を返上！？ルイーダは国の研究所で勤務！？公爵夫妻は娘の嫁ぎ先で療養……！！？」

「ええ、そうなんですよ。ですからこの領地は王家の直轄地になるそうです。」


「国の研究所って……。」

「お城だそうですよ。いやあ、優秀すぎるのも困ったものです。爵位より人の役に立つことを選ばれた、素晴らしいことです。」



おかしいとは思っていた。
あいつが死んだにしては、ニュースになっていなければ、城も騒いでいない。
一晩経って、二晩が過ぎて、酒田君が現れないのも不思議だった。



グロス司教は爪を噛む。


きっと、酒田君は失敗したのだ。

あいつらに捕まったに違いない。



待ってて、酒田君。

私があなたを助けに行くからね。







「グロス司祭が動きました。」

「うん。見張っていて。きっと行き先は城だ。」

屋根の上にはカナリアとその部下がいる。


カナリアは部下に指示をして、城へ戻った。


あいつはなかなか尻尾を出さない。

だが、ルイーダが絡めばミスをしそうだ、と思った。





ルイーダ、君には悪いけど。釣り針になってもらうよ。