最強で美人なお飾り嫁(♂)は無自覚に無双する

竜鳴躍

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結婚式が三か月後ってことは準備が大変だ。

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▷ オワゾー=アシェル=フェニックス フェニックス王国陛下の名において、勇者ミリオンにミリオン=デーアの名と公爵位を与える!

▷ 第三王子 カナリア=アシェル=フェニックスとミリオン=デーアは婚約!

▷ 結婚式は三か月後!


陛下が3日でもろもろやってくれました。


すっご~い…。



「ミリオン様!式まで時間がありません!」

「磨きますよ!整えますよ!」

「婚礼衣装はどうしましょう!」



あわわわ…。

離宮に侍女と商人が押し寄せる。


エステは気持ちいいけど、僕なんか磨いたって大して変わらないと思うんだけどなー。

討伐に邪魔だから爪も伸ばしたくないし、マニキュアでデコるとかももっての外だし。
(どうせ剝がれるし。)



それに僕は他にやりたいことがあるからぁ!

「みんな落ち着け!ただでさえ美しいミリオンが磨かれたら目がつぶれるぞ!ミリオンは自分を飾ることがめんどくさいんだから衣装は全部私が決める!サイズも完璧に私の頭に入っている!」


カナリアが入ってきて一喝した。


助かるけどその発言もどうなの。

いやね、僕だって前世ではオシャレしてましたよ?
営業は第一印象が大事だしね。
でもねぇ、自分にセンスがあったかって言われたら微妙。
ファッション誌を参考にしてただけだもんな。

カナリアは王子だけあってセンスがいいだろうから任せよう。


商人は僕のサイズと殿下のサイズと殿下からデザインの希望を聞いて、去っていった。

ヨシ!




「やっと二人っきりになった。」

「もー。」

カナリアは僕をバックハグする。

身長差…。解せぬ。

オメガで小柄な僕は、アルファで立派な細マッチョのカナリアの腕の中にすっぽりサイズ。


「それで、今日は何をするの?色々やりたいことがあるって言ってたよね。美味しいパティストリーのプロデュース、道の整備に下水道整備、灌漑排水、ビニールハウス、プラント工場、ゴムやプラスチックの開発、だっけ。」


「やることがありすぎる~!」


「順々にやればいいよ。それに城で人を雇うから人を使うといい。道路の舗装や下水道、灌漑排水なんかは陛下も興味津々だったじゃない?きっと国の事業としてやってくれるよ。」

「助かるなー。下水道はほんとお願いしたい。(水洗トイレ的に)」


「まあ、まずはやらないといけないのは、来週の婚約発表とあわせてのパーティーの準備だと思う。」

「うぐ。衣装はカナリアに任せるよ。ちょっと僕、結婚するならやりたいことある。」


「やりたいこと?」



「僕が獲って来た素材で結婚指輪を作って欲しいから…。ちょっとドラゴンの巣にでも行こうと思って。」

ぴらっと冒険者ギルドからの討伐依頼を見せる。



アンシェントドラゴン。


その爪は黒曜石よりも黒く、上品に光り輝く。



黒って、あんまりきれいな色の宝石は出回っていない。

カナリアに自分の瞳の色をつけてほしいじゃない。




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