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「やったぁあああああああああああああ!!!!」
なんて空は明るいんでしょう。
僕の前途を祝福しているかのようだ。
小鳥のさえずり。
世界は僕を中心に回っているんじゃないかって思うくらいに輝いて見える。
「ついにこの日が来たよ、アリカ!」
「やりましたね!」
「ミリオン様、この屋敷のすべての従業員に紹介状を用意していただき、ありがとうございます。」
「うん。セバスチャンさんも達者でね。一刻も早く泥船から降りて!」
そう。今日の朝7時30分を持って、めでたく白い結婚3年目に突入したんです。
僕たちは式を挙げずに書類だけ教会経由で城に提出して夫婦になったので、ジャストの時間も分かりやすくって。
「僕の個人資産は全部銀行と冒険者ギルドに預けてあるし~。この屋敷に大して荷物はないし。身の回りのものも全部自分で買ったものだし。うん、すぐ教会行っちゃおう。」
本邸ではろくでなしの夫がまだ眠ってるはず。
夜遅くまでお盛んだったようだから、起きれないよね。
ほんっと馬鹿。
「ミリオン様、使用人たちは新しい邸に既に移っています。すぐ暮らせるように支度させていますよ。」
「ありがとう、アリカ。さすが仕事が早いね。」
馬車で教会に行き、その場で『白い結婚』が認められ、婚姻が無効になった。
近いうちにマチルダを嫁がせるため、離縁させられるはずだったから、その前に無効にできてよかった。
「セバスチャンさん、今までありがとうございました。これ、結婚指輪。お返ししますね。あの家のものでもらったものはこれだけなので。あと、婚姻無効の証明書の写しを渡してください。」
「承知いたしました。」
新しい家は、冒険者ギルドにもほど近い、王家の私有地の一角だった。
「えっ。これって…いいのかな?」
「いいの。いいの。陛下がお世話になってるからどうぞって言ってましたよ。」
公爵家より立派じゃない?
というかこれってもはや離宮じゃない?
―――――――――ま、いっか。
僕は勇者だから囲い込みたいのかもしれないな。
ふふっ。どこにも逃げないのに。
(カナリアさまっ!いつ、明かすんですかっ)
(えっ、ちょ、ちょっと待って。なかなか切り出すタイミングがっ)
(このヘタレ王子!)
(だってかれこれ14年も偽っていたわけだから……。下手を打って嫌われたくないし…!)
ん?アリカったら使用人たちと何を話してるんだろう。
仲良しだなぁ。
やっぱり職場はみんな仲良しがいいよね。
なんて空は明るいんでしょう。
僕の前途を祝福しているかのようだ。
小鳥のさえずり。
世界は僕を中心に回っているんじゃないかって思うくらいに輝いて見える。
「ついにこの日が来たよ、アリカ!」
「やりましたね!」
「ミリオン様、この屋敷のすべての従業員に紹介状を用意していただき、ありがとうございます。」
「うん。セバスチャンさんも達者でね。一刻も早く泥船から降りて!」
そう。今日の朝7時30分を持って、めでたく白い結婚3年目に突入したんです。
僕たちは式を挙げずに書類だけ教会経由で城に提出して夫婦になったので、ジャストの時間も分かりやすくって。
「僕の個人資産は全部銀行と冒険者ギルドに預けてあるし~。この屋敷に大して荷物はないし。身の回りのものも全部自分で買ったものだし。うん、すぐ教会行っちゃおう。」
本邸ではろくでなしの夫がまだ眠ってるはず。
夜遅くまでお盛んだったようだから、起きれないよね。
ほんっと馬鹿。
「ミリオン様、使用人たちは新しい邸に既に移っています。すぐ暮らせるように支度させていますよ。」
「ありがとう、アリカ。さすが仕事が早いね。」
馬車で教会に行き、その場で『白い結婚』が認められ、婚姻が無効になった。
近いうちにマチルダを嫁がせるため、離縁させられるはずだったから、その前に無効にできてよかった。
「セバスチャンさん、今までありがとうございました。これ、結婚指輪。お返ししますね。あの家のものでもらったものはこれだけなので。あと、婚姻無効の証明書の写しを渡してください。」
「承知いたしました。」
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「えっ。これって…いいのかな?」
「いいの。いいの。陛下がお世話になってるからどうぞって言ってましたよ。」
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ん?アリカったら使用人たちと何を話してるんだろう。
仲良しだなぁ。
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