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心配性な幼馴染は胃痛が絶えない

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「おはようございます!」

公爵家の馬車で送ってもらって教室へ入ったら、オリエにものすごく早いスピードで詰め寄られた。


「シュヴァリエ!お前無事か?あの魔王さまにとって喰われなかったか?」


「オリエは大げさだなぁ。ゼロ先輩は人間だよ?すっごく優しかったんだから…。」

先輩のパジャマ姿や一緒にお風呂に入っちゃったことを思い出して照れていると、オリエの顔が真っ青になっている。

何やら教室のみんなも聞き耳を立てている気がする。




「……何考えているか知らないけど、そんなに変なことかな?先輩は数学とか優しく教えてくれたよ?このまま赤点回避出来たらいいなぁって思ってるんだけど…。」

「……あっ、そ、そっちね。」


「どっちだと思ったっていうの?」

首を傾げると、オリエは目をそらすし、気が付くと教室の中で男子生徒がいなくなってた。


「そういえば、今日の1時限の運動の時間は水泳だけど、水着は忘れなかったよな?」


「もちろん。先輩の家に行くときにちゃんと全部持っていったし。運動全般は得意だし、あったかくなってきたから楽しみだなあ。」

「辺境伯家では水泳も教えるんだっけか。」


「そりゃあそうだよ。戦う場所は陸地だけじゃないんだよ。水場に落とされて泳げなかったら戦いどころじゃないでしょう。だから、水泳って言ってもウチのは着衣の水泳だけど。武器防具持ったまま泳ぐわけじゃないから楽勝だよ。水泳ははしたないって女生徒はやらないみたいだけど、女の子もいつ何時巻き込まれるか分からないんだから、習って損はないと思うんだけどなあ。」


「みんながみんなお前みたいに争いごと基準じゃないからな。ああ、そういえばお前が来る前に剣術の教師がお前に用があるって言ってたよ。」

「分かった。じゃあ休み時間に職員室に行ってみようかな。」


「そうするといいんじゃないか?」






無防備なシュヴァリエのあほを連れて、プールの更衣室に行く。

こいつ、絶対に既に狙われてるんだよなあ…。

呑気に着替えをしていると、クラスメイトの一人がシュヴァリエの裸を見てちょっかいを出してきた。


「辺境伯領って実戦が多いって聞いているけど、シュヴァリエは体に傷がないんだね。真っ白で張りがあって綺麗。」


「あんまり強いのにあたったことがなくって。ちょっとしたドラゴンくらいだったらすぐ倒せちゃうし。相手から攻撃受けたことはあんまりないかなぁ。怪我しても残るくらいの傷まではいかないからかな。」


「………へ、へぇ~~~。そうなんだ。す、すごいね。」


よしっ、一人消えた。


また一人近寄って来た。

「シュヴァリエの胸、変わってるね。」

「あっ、これ?ちょっとコンプレックスなんだよね。へこんでるの。普通オリエみたいにちょん、って出てるもんでしょ?でもね、ちょっとこするとちゃんと出てくるんだよ!すごいでしょ!」

「……う、うんっ、きれいな…っ、ピンク色だねっ…。」


おい、悪い虫を悪化させるんじゃない!

シャワールームが水泳前に満杯になり、冷水をザーザー被る音がこだまする。


もう、なんでこいつこうなの?

わざとなの?むしろ分かっててやってるの?小悪魔なの!?



リッシュ辺境伯のおじさま。

もう俺、無理です。

3年間こいつの貞操を守れる自信がありません。

胃、胃が痛い…。


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