わんこな庶務は魔王な生徒会長に憧れる

竜鳴躍

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かわいいわんこは魔王の口の中

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「ここが我がサンダルフォン公爵家だ。」

辺境伯家もそれなりに広いけど、公爵家はやっぱり優雅だなあ。

庭の薔薇がとても綺麗。


でも、ゼロ先輩のお家に暫く泊まれるなんて幸せ…。


私のせいで先輩の勉強時間がなくなっちゃったら申し訳ないって思ってたら、教科書は最後まで終わってるから問題ないって言われたし。

ゼロ先輩かっこいい~。


でも、オリエがめちゃくちゃ慌ててたけど、先輩がオリエは大丈夫だから、集中したいからって言って俺だけ先輩のお家にお泊りになっちゃって。

オリエもやっぱり泊まってみたかったのかなぁ。





「お坊ちゃまがご学友を連れてこられるなんて、珍しい。」

品のいい執事が礼をする。

「先に御者に一度帰らせたのだが、伝言は聞かなかったのか?」

「いえ、承っておりますよ。リッシュ様、客室へご案内しましょう。」

「今日から暫く、勉強に集中させたいから夕餉は簡単なものを部屋に運んでもらえると嬉しい。」

「かしこまりました。」



内装も素敵すぎて、キョロキョロしてたら、ゼロ先輩にまたほほ笑まれた。


「本当にお前はやることがいちいち可愛いな。お前のところも辺境伯家なのだから、似たようなものだろう。」

「やっぱり公爵家とは違いますよ。それにうちは質実剛健っていうか、あまり飾り気がないので。こういう華やかな感じ、いいなあと思います。」

「アンティークなんだ。落ち着くだろう。」


客室へ行くと、先輩のお部屋となんとお向かいさんだった!


「荷物を置いて、私の部屋に来るといい。夕餉もここに運んでもらうから、勉強しよう。」



……で、何が、どこから分からないのかな?


うう、優しいけど怖いよー。



「えっと…。暗記ものが苦手で…。あと、計算も…。掛け算の×ってどういう意味なんだろうとか、時計もどうして60分が1時間になるのかとかどうしても気になって、それで頭に全然入ってこなくて…。」

「ははあ。君は理屈が気になる方なんだな。じゃあ、私が一つ一つ教えてあげよう。解ける様になったら、ご褒美をあげてもいいよ。なにがいい?私で出来ることならなんでも。」

「…じゃあ!頑張ったね!って頭を撫でてくださいっ!!」



こくり。


こくり。





「ふ。まあ、今日は初日だし、仕方ないな。」

ゼロはいい子いい子、とシュヴァリエの頭を撫でて、よいしょと向かいの部屋のベッドまで運んだ。

ちょっと重かった。


……鍛えよう。


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