わんこな庶務は魔王な生徒会長に憧れる

閑話 私はレイナ＝クーリッシュ

私はレイナ＝クーリッシュ。

趣味は読書、特技は妄想。
見た目は金髪青眼のTHEお嬢様。

少々文才もございまして、文章をまとめたり書く速度には自信がありましたので、生徒会書記をやっております。

会長は、私の婚約者。


ゼロ＝サンダルフォン。

代々宰相を務める公爵家で、優秀な彼もきっとそうなるのでしょう。

眉目秀麗、文句の付け所もない素敵な婚約者ですわ。


デートのときも、誕生日の時も、夜会のエスコートも本当に完璧ですし。

でも、私たちは本当は、恋人若しくは伴侶というよりは、戦友のような関係なんですの。



高位貴族の令嬢として生まれたからには、家と家のための結婚をしなければならないのはよーくわかっておりましたわ。

でも、幼い頃から、私は…女性が好きだったのですっ。


可愛いものが好きッ！

はぁはぁ、ルナたん女神！

ああ、シュヴァリエたん、男なのがおしいわぁ。あのかわいい子ならルナたんとくっついても許せるわ。



ゼロ様も、よーく私の性嗜好をご存じで。

婚約を決めた８歳の頃に、こうおっしゃいました。


『わかった。君も僕もお互い愛情では結ばれないだろうけど、ともに貴族社会を乗り越えていこう。でも、どうしても君には僕の子どもを産んでもらわないといけない。でも、君はできればそういうことはしたくないだろう？だから、タイミングを選んで、回数は最小限にしよう。子どもを作るのは３回として…。』

『えっ、３回ですか？』

『女の子も欲しいし、男の子も１人だと心もとない。うちも僕一人だから、僕に何かあったら大変だってなってる。どんなに気をつけてたって、はやり病や事故にあったらどうするのか。』


８歳にしてやたら現実的な思考回路の人だな～というのが、第一印象。

だけれど、私にしてみれば、こんな感じで割り切ってて理解してくれる方が婚約者で助かったのです。


親の手前、デートも夜会も行きますけど、男同士みたいな感じで、べたべたおさわりもないですし、必要以上の触れ合いはしないでくれますし。



そんなゼロ様が、最近あのかわいいシュヴァリエたんにご執心。


シュヴァリエたんはルナたんとお似合いだと思っていたけれど、ゼロ様は狙っているのかしら？


私なら構わなくてよ！