25 / 67
貴方の前でだけ本当の自分でいられる
しおりを挟む二人にイかせてやるなんて言ったのは良いものを、正直自信が無かった。だって二人相手だぜ!?どうやりゃいいんだよ!
伊織がぐいっと近付いて来て俺にキスをした。相変わらず良い体してんなー。
「貴哉、どっちを先にイかせてくれるんだ?」
「うっそれは……」
「桐原さんなんてイかせなくていいからな?」
「あ、お前らのケツいじってやるよ♪アレ気持ち良いからな~♪すぐイっちゃうぜ?」
俺はローションを手に取り、良い事を思い付いたと機嫌良く準備してると、伊織は笑ってた。空は真剣に俺の腕を掴んで止めていた。
「た、貴哉!それはやめよう!?」
「なんでだよ?俺だって出来るぜ?」
「貴哉おもしれーな♪それよりもさ、貴哉のここでイかせてくれよ♡」
「っ!」
伊織にケツをツンとされて体がビクッとなる。そしてローションを自分のに塗って挿れる準備をし出した。
「それはダメです!」
「早川は貴哉の口♪彼氏様の特権なんだろー?」
すぐに空が抗議したけど、伊織は動じる事なく俺をクルッと空に向けさせて、俺の腰を引いた。俺は四つん這いの格好になって、伊織はデカくなったやつを押し当てて来た。ヤバい。伊織が入ってくる!
「貴哉逃げろ!絶対ヤらせちゃダメだ!」
「んな事言ってもっ……ぐっ」
とうとう伊織のが入って来て俺は抵抗出来なくなった。さっき空に中をいじられた余韻が残ってて体はすぐにビクビクし始めた。
あ、すげぇ、伊織のデカい……
「貴哉……力抜いて?じゃないと俺も苦しいから……」
「む、りっだ!アアンッはぁ……すげぇ……」
「貴哉ぁ!」
空に呼ばれて見上げると、泣きそうな顔の空がいた。あ、ヤバい。俺また空を傷付けちゃう……
でも悔しいけど、やめられないんだ。
気持ち良さもあるけど、伊織だから。俺は伊織の事も好きだから嫌じゃねぇんだ。
「貴哉、ほら彼氏の咥えてやれよ」
「ふ……ンンッ」
伊織に言われて俺はガクガク震えながら空のモノに手を伸ばしてカプッと咥えていつもするみてぇに舐めた。
なんかいつもと違って興奮する……3Pってこんな感じなんだ……
「あっ貴哉……」
「そらぁ、きもちい?」
舐めながら空を見て言うと、涙目になりながらコクンコクンと頷いてた。良かった。空も気持ち良いなら。
「そんじゃ動くぞ♡」
「ひぁっいおりぃっ」
「久しぶりだな貴哉……こんなにエロい体になりやがって」
「はぁはぁ……数では俺の方が上ですからね」
「初めては俺だけどな♡」
「ンンッアンッ♡」
「っ!ヤバい……貴哉ぁ♡いつもより激しくてすげぇ気持ちい」
伊織が動く度に俺の体がビクンとなり、俺の口に入ってる空のも同時にビクッとする。
さっきイッたばかりなのに俺は既にイきそうで、もう夢中で空のを舐め続けていた。
「あっ、貴哉ぁ俺、イクッ」
「ンンンッ!」
「はぁ、んじゃみんなで一緒にイこうぜ♡」
空のが口の中いっぱいに入って来て、更に伊織のも俺の中にいっぱい入って来た。俺はどうする事も出来ずベッドの上に出した。
終わった後、空は慌ててティッシュを渡してくれた。はぁ、やべー気持ち良過ぎてこのまま寝ちゃいたいわ。
空の精子をティッシュに出してベッドにゴロンと横になってると、伊織が後ろからギュッてしてくれて更に眠くなった。
「貴哉好きー♡」
「あー!何抱き付いてるんですか!てかアンタゴムしなかったな!?」
「あ、そうなの?だからあんなに気持ち良かったのか」
「だって俺ここんちのゴムある場所知らねーもん」
「なぁ、貴哉?全身傷出来てね?いじめってまさか……」
ここで俺の体中に出来た傷に気付いた空は真っ青になって聞いて来た。
なんて言ったらいいかなー?もう眠くて何も考えられねーや。
……あ!そうだ!俺空に言う事あったんだ!
「空!俺水泳大会で一位獲ったんだ!」
「は?え、何?水泳大会ぃ?」
「演劇部恒例の一年生だけの水泳大会。貴哉凄かったぞ。早川にも見せてやりたかったな」
「へへー♪演劇部の顧問に賞金一万円貰ったんだぁ♡」
「え?えー!すげぇじゃん!」
「だろー?これ貯金しよーぜ♪同棲貯金♡」
「た、貴哉ぁ♡」
「お前ら同棲すんの?俺も混ぜろよ」
「絶対嫌です!」
「この傷もさ、そん時出来たやつなんだ。岩ばっかだし、水は冷てーし、深かいしで最悪だったぜ」
「そっか。頑張ったんだな♡てか貴哉泳げたんだ?」
「泳げるわ!」
「お前ら仲いいなー。さて俺はそろそろ帰るかな」
「ちょっと待って下さい!貴哉、どっちが気持ち良かった?結果を聞いてから帰って下さい」
「あ、忘れてた。勝負してたんだっけお前ら」
「聞くまでもねーよなぁ?貴哉ビクビクしてたし♡俺だろ」
「その前に俺の指でビクビクしてイッたんですよ。絶対俺です」
睨み合う二人。そんなの決められねーよ。
だってどっちも好きだし、どっちも気持ち良かったもん。
それに、空を選んだら伊織とは友達じゃなくなっちゃうんだろ?かと言って空を選ばなかったら機嫌悪くなるだろうし……
「貴哉!」
「あのさ、この勝負引き分けってのどう?」
「ほー、そう来たか」
「っ納得できねー!ここは嘘でも俺だろ!」
「まぁまぁ、空とはいつでも出来るしさ♡だから引き分けにしよ♡」
拗ねる空に抱き付いてキスしてやる。まだムスッとしてるけど、本気で怒ってねぇみてぇだな。
俺と空がイチャイチャしてると、いつの間に服を着たのか伊織は立ち上がり部屋から出て行こうとしていた。
「伊織、気を付けて帰れよー。後もうこういうのはしねぇからな~」
「はいはい。二人もいつまでも裸で風邪引くなよー」
伊織は振り返る事なくそのまま出て行った。
なんか最後あっさり出てったな。まぁその方が空の機嫌も早く直るだろ。
そして残された俺達はそのままベッドに寝転がっていた。
「なぁ貴哉、桐原さんとしたかったのか?」
「はい!?」
「嫌がらなかったじゃん。すげぇエロかったし」
「あれは無理矢理やられたから……」
「今回は目を瞑るよ。勝負に乗っかった俺も悪かったしな。でも教えて?貴哉は桐原さんの事、まだ好きなのか?」
「……空」
「別に怒ったりしねぇよ。本当の事言って」
「……好きだ」
「そっか。じゃなかったらキスとかセックスとか出来ねぇもんな」
「ごめん……」
「…………」
「そ、空?」
「え?あ、ごめん、何?」
空はボーッとどこかを見ていて名前を呼ぶとハッとして俺を見て来た。
やっぱり気にしてるよな。また空を傷付けちまった。
その後空はまたボーッとし始めた。
俺はいつもと違うそんな空に何も言えずただギュッと抱き締めているだけだった。
32
お気に入りに追加
616
あなたにおすすめの小説
【短編】乙女ゲームの攻略対象者に転生した俺の、意外な結末。
桜月夜
BL
前世で妹がハマってた乙女ゲームに転生したイリウスは、自分が前世の記憶を思い出したことを幼馴染みで専属騎士のディールに打ち明けた。そこから、なぜか婚約者に対する恋愛感情の有無を聞かれ……。
思い付いた話を一気に書いたので、不自然な箇所があるかもしれませんが、広い心でお読みください。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

初心者オメガは執着アルファの腕のなか
深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。
オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。
オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。
穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。
虐げられている魔術師少年、悪魔召喚に成功したところ国家転覆にも成功する
あかのゆりこ
BL
主人公のグレン・クランストンは天才魔術師だ。ある日、失われた魔術の復活に成功し、悪魔を召喚する。その悪魔は愛と性の悪魔「ドーヴィ」と名乗り、グレンに契約の代償としてまさかの「口づけ」を提示してきた。
領民を守るため、王家に囚われた姉を救うため、グレンは致し方なく自分の唇(もちろん未使用)を差し出すことになる。
***
王家に虐げられて不遇な立場のトラウマ持ち不幸属性主人公がスパダリ系悪魔に溺愛されて幸せになるコメディの皮を被ったそこそこシリアスなお話です。
・ハピエン
・CP左右固定(リバありません)
・三角関係及び当て馬キャラなし(相手違いありません)
です。
べろちゅーすらないキスだけの健全ピュアピュアなお付き合いをお楽しみください。
***
2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。
【完結】相談する相手を、間違えました
ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。
自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・
***
執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。
ただ、それだけです。
***
他サイトにも、掲載しています。
てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。
***
エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。
ありがとうございました。
***
閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。
ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*)
***
2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。

完結·助けた犬は騎士団長でした
禅
BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。
ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。
しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。
強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ……
※完結まで毎日投稿します
【完結】冷血孤高と噂に聞く竜人は、俺の前じゃどうも言動が伴わない様子。
N2O
BL
愛想皆無の竜人 × 竜の言葉がわかる人間
ファンタジーしてます。
攻めが出てくるのは中盤から。
結局執着を抑えられなくなっちゃう竜人の話です。
表紙絵
⇨ろくずやこ 様 X(@Us4kBPHU0m63101)
挿絵『0 琥』
⇨からさね 様 X (@karasane03)
挿絵『34 森』
⇨くすなし 様 X(@cuth_masi)
◎独自設定、ご都合主義、素人作品です。

【完結】乙女ゲーの悪役モブに転生しました〜処刑は嫌なので真面目に生きてたら何故か公爵令息様に溺愛されてます〜
百日紅
BL
目が覚めたら、そこは乙女ゲームの世界でしたーー。
最後は処刑される運命の悪役モブ“サミール”に転生した主人公。
死亡ルートを回避するため学園の隅で日陰者ライフを送っていたのに、何故か攻略キャラの一人“ギルバート”に好意を寄せられる。
※毎日18:30投稿予定
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる