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終章 魔王と勇者
あのエデンに還るまで
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数年が経ち、俺は種田財閥の製品開発部にいる。
素材の品種改良や、新種の開発などを行っているのだ。
父さんのリンゴの品種改良はうまくいって、色鮮やかで糖度が高く、瑞々しいおいしいリンゴができた。
リンゴ特有の渋みやえぐみが少ないのだ。
リンゴは、楽園と名付けられた。
楽園で、アダムとイブが食べた魔性の果実。
「僕がアダムで、君がイブかな。」
後ろから、アイスが抱きしめてくる。
「…ん、もう。仕事中だよ。研究室まで来てどうしたの?副社長さん。」
俺は個室の研究室を与えられているから、それをいいことにアイスは時々エッチなことをしに来る。
もう、どこのオフィスラブ系BLだよ!
「二人っきりの時は、あいす♡って甘く言ってほしいなぁ。」
「だーめ。勤務時間中です。」
「白い白衣姿、そそられるなあ。」
「へんたい。」
作業をとめて。ふりかえり。
「…んっ。はっ。」
伸びたその手を辿り。口づけに応え。口内で結ばれ、この運命を喜ぶ。
アイスシードとクレッシェンドは、幸せだ。
また、あの場所へ還るころには、たぶんもっと仲良しになっている。
生きていたころに結ばれなかった二人は、
自分の運命を自分で手放してしまったクレッシェンドは、
これからはもう離れることはない。
死が二人を分かっても。
魂でつながっている。
そして、帰結するところは、あの場所なのだ。
何度、繰り返したとしても。
「そろそろ、ジュリエッタが還ってくるかもね。」
「素敵な旦那様、頑張ってください。」
腰を抱かれて。
そっと、首に腕をまわした。
素材の品種改良や、新種の開発などを行っているのだ。
父さんのリンゴの品種改良はうまくいって、色鮮やかで糖度が高く、瑞々しいおいしいリンゴができた。
リンゴ特有の渋みやえぐみが少ないのだ。
リンゴは、楽園と名付けられた。
楽園で、アダムとイブが食べた魔性の果実。
「僕がアダムで、君がイブかな。」
後ろから、アイスが抱きしめてくる。
「…ん、もう。仕事中だよ。研究室まで来てどうしたの?副社長さん。」
俺は個室の研究室を与えられているから、それをいいことにアイスは時々エッチなことをしに来る。
もう、どこのオフィスラブ系BLだよ!
「二人っきりの時は、あいす♡って甘く言ってほしいなぁ。」
「だーめ。勤務時間中です。」
「白い白衣姿、そそられるなあ。」
「へんたい。」
作業をとめて。ふりかえり。
「…んっ。はっ。」
伸びたその手を辿り。口づけに応え。口内で結ばれ、この運命を喜ぶ。
アイスシードとクレッシェンドは、幸せだ。
また、あの場所へ還るころには、たぶんもっと仲良しになっている。
生きていたころに結ばれなかった二人は、
自分の運命を自分で手放してしまったクレッシェンドは、
これからはもう離れることはない。
死が二人を分かっても。
魂でつながっている。
そして、帰結するところは、あの場所なのだ。
何度、繰り返したとしても。
「そろそろ、ジュリエッタが還ってくるかもね。」
「素敵な旦那様、頑張ってください。」
腰を抱かれて。
そっと、首に腕をまわした。
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