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終章 魔王と勇者

初めてのデート

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相変わらず俺は引きこもりだけど、寮から会社まではボディーガードの人がついていてくれて、なんとかこなしてる。

俺の資料、見やすいって褒められちゃった。
嬉しいなあ。


「つるぎちゃん。」

「専務。」


真梨恵専務は、種田のお母さん。

改名して、戸籍が変わった俺は、女の子の制服でお仕事をしている。
初めはスカートに抵抗があったけど、すぐに慣れた。

専務は女性だけど、めちゃくちゃ仕事が出来てカッコいい。


「つるぎちゃん、受験勉強は大丈夫そう?」


「はい、模試もA判定でした。」

「そうなの、よかった。気を抜かず、頑張りましょうね。」


「はい。」


女の子として扱われるのも慣れてきて、最近は男の人からラブレターをよく貰う。


でも、今付き合っている人がいるからって断っているんだ。


今日は初めてのデート。

相手は花村さん。


女の子の格好がいいのかな?

女の子ってどんな格好でデートするんだろう。 



綺麗めで来てと言われたので、水色のワンピースに白いボレロを羽織る。

少しお化粧もした。


俺じゃないみたいで、少し安心する。

アイツらに見られても、気付かれないかも。


「すみません、待ちましたか。」

美術館前で待ち合わせ。

花村さんは王子様みたい。


腕を組んでエスコートされて、有名な絵を観たら、お洒落なイタリアンレストランへ。



「大人になったらワインを飲もう。」

乾杯して、オトナの時間。


すごく、オトナのデートでよかったけど。

あんまり俺はときめかなかった。



「つまらなかったかな?」

たぶん、内容が問題ではない。


「今日はありがとうございました。」


「ちょっと待って。」


最後に一箇所。見せたいところがあるんだ。






栗栖を少し離れた場所にあるマンションに連れて行く。

栗栖は緊張しているが、ついてくる。

馬鹿な子。


俺のこと、紳士で優しい年上のお兄さんと思って疑わない。


「花村さん、ここは?」


大きなベッドと寝具以外は何もない、新築のマンション。

防音性も高いんだよ。


「君が僕のお嫁さんになったら、一緒に暮らすお家だよ。」



「まだ、決めていません。」


帰ります!

バン!



いつも優しかった顔が怖い。



あの男たちと同じ。



栗栖、ココ、分かる?


俺の手を取って、自分のそこを服の上から触らせる。


堅く太く、大きく膨らんだ。


「いや…。」


「3年、ずっと我慢してきた。今更、アイツに渡したくない!」



君は今度は俺のお嫁さんになるんだ!




「いやあああっ!」はなして、かえして!と叫ぶけど、軽い体は捕らえられて、ベッドに落とされた。


花村がシャツを脱ぎ、上半身裸になる。


その、シミやアザ1つない体を見て、思い出した。


違う。


この人じゃない。


俺にはアイスだけ。
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