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終章 魔王と勇者
君に記憶があったなら
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君に記憶があったなら、どれだけよかっただろう。
君が信頼するこの男がどんな男なのか、君に伝える術がない。
現時点で、僕よりこの男の方が君に信頼されているのだから、僕が何を言ったところで意味がない。
歯がゆい思いを感じながら、僕は絶対に退かない。
栗栖。
僕は、君に愛されたい。
純白のウェディングドレスを着た君は、とても綺麗だろう。
君はロマンチストだから、無垢な体のままヴァージンロードを歩きたいはずだ。
僕は君を拘束しない。
けれど、君を必ず守る。
昔、本当は後悔していたんだ。
一目ぼれしたまま、無理やり奪って、書類上の結婚をした。
体から始まった結婚。
君は愛してくれたけど。
家庭教師の邪魔だから、早く帰れとあいつが訴えたけど、誰が二人っきりにするもんか。
『お昼の用意をさせて。』と言って、そのまま居座った。
サンドイッチを作って、3時のおやつにケーキでも焼こう。
ふふふ、あいつが帰るまで居座ってやる。
トントントントン!!!!!!
「くーーーーーーーーりーーーーーーーーーすーーーーーーちゃああん。いるんでしょ?お外怖いもんねぇ。なあ、いい加減開けろよ?逃げられねえんだよ!俺たちと楽しもうぜえ。優しくしてやるからよぉ。」
「ヒッ!」
栗栖は短い悲鳴をあげて、クッションで耳をふさいだ。
かわいそうにガタガタ震えている。
毎日、こうなのか?
ローズは前世でも荒事は苦手だったはずだ。クリスの肩を抱いているのは許せないが、今は仕方ない。
ふつふつ、怒りがわいてきた。
包丁を握りしめ、チェーンをつけた状態のまま、カギを開ける。
「てめえら、俺の女にいつまでちょっかい出してるんだ、あぁん? 生きたまま、サメの餌になりたいか。それとも脳みそいじくられて廃人になりたいか。丁度、検体をさがしてるんだ、妖しい薬の実験体にでもなってもらおうか?」
「ひぇっ!!!?」
魔王モードですごんだら、すたこらさっさと逃げて行った。ざまあみろ。
あの手の三下はこれで大丈夫だろうが、問題はあのヤクザ風の男だな。
とりあえずスマホで僕のボディーガードに連絡を取り、なるべく強面のメンツを外に張らせるよう手配した。
こんなことが起きてるんだったら、まっさきに手配しとくんだった。
「たねだ…。かっこいい。」
「さすがにヤクザとかの集団相手は無理だけど、こう見えても護身術は僕も使えるから。僕が絶対守るからね。」
僕が栗栖を守る日がくるとは。
前世の記憶様様だ。
あの世界では、貴族の男は必ず剣を習うから。クリスほどじゃなくても、引退後に一緒に冒険者活動できたくらいには、僕も強かったんだからね。
絡まれた時だって、人目があるからどうしようかと思ってただけで、自分でなんとかできたんだから。(栗栖が気にすると思って言わなかっただけで)
もっと見て!キラキラした目で!!
そう!!栗栖が好きだと思って、この日のために体だって鍛えたの!
ほら!むきむき!好きでしょ!むきむき!!
さぁ、調理に戻るね~。といいながら、わざとシャツを腕まくりする。
鍛え上げた腕の筋肉をみせつけてやる。
着やせするんです!
ふっふっふ。ローズ君は知らなかっただろう!
君が信頼するこの男がどんな男なのか、君に伝える術がない。
現時点で、僕よりこの男の方が君に信頼されているのだから、僕が何を言ったところで意味がない。
歯がゆい思いを感じながら、僕は絶対に退かない。
栗栖。
僕は、君に愛されたい。
純白のウェディングドレスを着た君は、とても綺麗だろう。
君はロマンチストだから、無垢な体のままヴァージンロードを歩きたいはずだ。
僕は君を拘束しない。
けれど、君を必ず守る。
昔、本当は後悔していたんだ。
一目ぼれしたまま、無理やり奪って、書類上の結婚をした。
体から始まった結婚。
君は愛してくれたけど。
家庭教師の邪魔だから、早く帰れとあいつが訴えたけど、誰が二人っきりにするもんか。
『お昼の用意をさせて。』と言って、そのまま居座った。
サンドイッチを作って、3時のおやつにケーキでも焼こう。
ふふふ、あいつが帰るまで居座ってやる。
トントントントン!!!!!!
「くーーーーーーーーりーーーーーーーーーすーーーーーーちゃああん。いるんでしょ?お外怖いもんねぇ。なあ、いい加減開けろよ?逃げられねえんだよ!俺たちと楽しもうぜえ。優しくしてやるからよぉ。」
「ヒッ!」
栗栖は短い悲鳴をあげて、クッションで耳をふさいだ。
かわいそうにガタガタ震えている。
毎日、こうなのか?
ローズは前世でも荒事は苦手だったはずだ。クリスの肩を抱いているのは許せないが、今は仕方ない。
ふつふつ、怒りがわいてきた。
包丁を握りしめ、チェーンをつけた状態のまま、カギを開ける。
「てめえら、俺の女にいつまでちょっかい出してるんだ、あぁん? 生きたまま、サメの餌になりたいか。それとも脳みそいじくられて廃人になりたいか。丁度、検体をさがしてるんだ、妖しい薬の実験体にでもなってもらおうか?」
「ひぇっ!!!?」
魔王モードですごんだら、すたこらさっさと逃げて行った。ざまあみろ。
あの手の三下はこれで大丈夫だろうが、問題はあのヤクザ風の男だな。
とりあえずスマホで僕のボディーガードに連絡を取り、なるべく強面のメンツを外に張らせるよう手配した。
こんなことが起きてるんだったら、まっさきに手配しとくんだった。
「たねだ…。かっこいい。」
「さすがにヤクザとかの集団相手は無理だけど、こう見えても護身術は僕も使えるから。僕が絶対守るからね。」
僕が栗栖を守る日がくるとは。
前世の記憶様様だ。
あの世界では、貴族の男は必ず剣を習うから。クリスほどじゃなくても、引退後に一緒に冒険者活動できたくらいには、僕も強かったんだからね。
絡まれた時だって、人目があるからどうしようかと思ってただけで、自分でなんとかできたんだから。(栗栖が気にすると思って言わなかっただけで)
もっと見て!キラキラした目で!!
そう!!栗栖が好きだと思って、この日のために体だって鍛えたの!
ほら!むきむき!好きでしょ!むきむき!!
さぁ、調理に戻るね~。といいながら、わざとシャツを腕まくりする。
鍛え上げた腕の筋肉をみせつけてやる。
着やせするんです!
ふっふっふ。ローズ君は知らなかっただろう!
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