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終章 魔王と勇者
戸惑い
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「種田くんか。悪いが…。」
中から聞こえてきた声に固まった。
ローズ。
「あぁ! 待って!! 今開けるから!」
栗栖の声。
クリスだったときより、考えたら少しだけ高い。
戸をあけられて硬直した。
風呂上がりの濡れた髪。タオルを首にかけ、髪の毛を拭きながらカギを開ける。
それ自体も不用心だが、なぜ後ろにあの男が…。
これは、もしかしてやっちゃったのか…。
あいつを選んだのか?
「入って。」
「お邪魔します。」
本当に邪魔だったりして。
なんか、頭がぐるぐるする。
「…えっと。栗栖は花村さんを選んだのか?」
「えっ。」
きょとんとしている。
そしてかあっと赤くなって、勢いよく首を横に振った。
よかった。
いや、よくない。またいつもの不用心か!
いい加減分かれ!
いつまでも自分が男のつもりでいるんじゃない!
「それで?君の用件は何なんだい?俺は、彼に家庭教師をしに来たんだけど?」
受験勉強の邪魔なんですけど!という建前を主張してくる。
「僕は彼に引っ越し先と新しいバイト先の紹介をしにきたんだ。」
「ひっこしさき…。」
「栗栖は、僕や彼に衣食住の世話になるのはイヤだろうと思って…。まだ、気持ちの整理もつかないだろうし。僕の家の会社で事務のバイトをしないか?そこなら寮もあるし、社食もあるし。寮だってオートロックで監視カメラもついているから、防犯対策もされているんだ。」
家具も備え付きだから、必要なものだけ持って、すぐ引っ越せる。
引っ越しで足がつくこともないだろう。
「…そんなにしてもらって、悪い。ありがとう。」
たぶん、俺のために方々に調整してくれたんでしょう?
「気にしないで。ただの斡旋にしかすぎないから。ちゃんと稼いで、自分で生活するんだから。」
「…俺、二人にもらいすぎてる。何も返事を返してないのに。」
「大丈夫だよ、栗栖。まだ考えられないよね。」
「…あの。俺、よくわからないんだ。二人のこと、好きだと思う。だけど、どっちとそういう意味で付き合いたいと思ってるのか、よくわからないんだ。ごめんなさい…。」
「「じゃあ試しに両方と付き合ってみる??」」
種田と花村の発言は同時だった。
負けないからな!と見えない火柱がバチバチしている。
「そんな、狡いこと…。」
「「僕(俺)たちがいいって言ってるんだからいいの!」」
「それじゃあ…。よろしくお願いします。」
こうしてなぜか、二人と同時に付き合うことになってしまった。
2人の男を手玉に取る悪女みたいだなあ。悪いなあって思うんだけど。
2人はそれでいいらしい。
毎週週末、交互にデートをすることになった。
1週目は花村さん、2週目は種田、みたいな。
ちゃんと、結論は出さなくちゃ。
お正月までには、返事をすることになった。
中から聞こえてきた声に固まった。
ローズ。
「あぁ! 待って!! 今開けるから!」
栗栖の声。
クリスだったときより、考えたら少しだけ高い。
戸をあけられて硬直した。
風呂上がりの濡れた髪。タオルを首にかけ、髪の毛を拭きながらカギを開ける。
それ自体も不用心だが、なぜ後ろにあの男が…。
これは、もしかしてやっちゃったのか…。
あいつを選んだのか?
「入って。」
「お邪魔します。」
本当に邪魔だったりして。
なんか、頭がぐるぐるする。
「…えっと。栗栖は花村さんを選んだのか?」
「えっ。」
きょとんとしている。
そしてかあっと赤くなって、勢いよく首を横に振った。
よかった。
いや、よくない。またいつもの不用心か!
いい加減分かれ!
いつまでも自分が男のつもりでいるんじゃない!
「それで?君の用件は何なんだい?俺は、彼に家庭教師をしに来たんだけど?」
受験勉強の邪魔なんですけど!という建前を主張してくる。
「僕は彼に引っ越し先と新しいバイト先の紹介をしにきたんだ。」
「ひっこしさき…。」
「栗栖は、僕や彼に衣食住の世話になるのはイヤだろうと思って…。まだ、気持ちの整理もつかないだろうし。僕の家の会社で事務のバイトをしないか?そこなら寮もあるし、社食もあるし。寮だってオートロックで監視カメラもついているから、防犯対策もされているんだ。」
家具も備え付きだから、必要なものだけ持って、すぐ引っ越せる。
引っ越しで足がつくこともないだろう。
「…そんなにしてもらって、悪い。ありがとう。」
たぶん、俺のために方々に調整してくれたんでしょう?
「気にしないで。ただの斡旋にしかすぎないから。ちゃんと稼いで、自分で生活するんだから。」
「…俺、二人にもらいすぎてる。何も返事を返してないのに。」
「大丈夫だよ、栗栖。まだ考えられないよね。」
「…あの。俺、よくわからないんだ。二人のこと、好きだと思う。だけど、どっちとそういう意味で付き合いたいと思ってるのか、よくわからないんだ。ごめんなさい…。」
「「じゃあ試しに両方と付き合ってみる??」」
種田と花村の発言は同時だった。
負けないからな!と見えない火柱がバチバチしている。
「そんな、狡いこと…。」
「「僕(俺)たちがいいって言ってるんだからいいの!」」
「それじゃあ…。よろしくお願いします。」
こうしてなぜか、二人と同時に付き合うことになってしまった。
2人の男を手玉に取る悪女みたいだなあ。悪いなあって思うんだけど。
2人はそれでいいらしい。
毎週週末、交互にデートをすることになった。
1週目は花村さん、2週目は種田、みたいな。
ちゃんと、結論は出さなくちゃ。
お正月までには、返事をすることになった。
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