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終章 魔王と勇者
家庭教師の先生
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「栗栖、栗栖。花村だよ。今、誰もいないから開けてくれないか。」
土曜日の早朝、恐る恐るドアを開ける。
「花村さん…。」
「もうすぐ大学入試共通テストだろう。勉強、見てやるから。」
花村さんは、ジュースとお菓子、カップラーメンをたくさん差し入れてくれた。
「すみません、着替えまでしばらく待っててください…。まだ起きたばかりで。」
部屋に通して、グラスを置く。
着替えを持って、風呂場に行った。
服を脱ぎ、シャワーを浴びる。
男だとしか見えなかった自分の体。
親は気づいていたらしいが、生理も来なかったし俺を混乱させると思って言えなかったと、後で謝られた。
他の人の股の奥なんか見たことないし、自分のそこだっていちいち確認するものでもないから、まさか自分に女性器があるなんて、思ってもいなかった。
全く、相変わらず信用すると警戒しない。
あんなことがあったのに。
今の君は、神速のクリスではないんだよ。ちょっと合気道が使えるくらいの、非力な子。
気配を察知することもできないから、後をつけられても分からないし、合気道でどうにかできないような襲われ方をしたら、逃れることができない。
体が女性化した分、前より小柄で、細くて、簡単に男に組み敷かれる。
なのに、心がそのままで。危なっかしくて仕方がない。
俺を一人暮らしの家に招きこんで、シャワーを浴びに行くなんて、いいのかな?
俺は君が好きだって、プロポーズしたこと忘れてない?
それとも、それだけ俺のことを信頼しているのかな。
なんで君は分からないかなぁ、欲しくてたまらない人がそんな無防備で。我慢がいつまできくと思ってるのかな。
下半身がパンパンになる。
頭の中では、もう何回も犯している。
3年前から、ずっと、毎晩犯してきた。
かちゃ。
浴室のドアが開く音がした。
今、向こうでは一糸まとわぬ彼が、服を着替えているところだろう。
ピンポーン。
部屋のチャイムが鳴る。
「栗栖、種田だよ。今後のことで提案があるんだ。先生たちに話をして、自宅を教えてもらった。力になりたい。入れてくれないだろうか。」
チッ。邪魔な奴が来た。
土曜日の早朝、恐る恐るドアを開ける。
「花村さん…。」
「もうすぐ大学入試共通テストだろう。勉強、見てやるから。」
花村さんは、ジュースとお菓子、カップラーメンをたくさん差し入れてくれた。
「すみません、着替えまでしばらく待っててください…。まだ起きたばかりで。」
部屋に通して、グラスを置く。
着替えを持って、風呂場に行った。
服を脱ぎ、シャワーを浴びる。
男だとしか見えなかった自分の体。
親は気づいていたらしいが、生理も来なかったし俺を混乱させると思って言えなかったと、後で謝られた。
他の人の股の奥なんか見たことないし、自分のそこだっていちいち確認するものでもないから、まさか自分に女性器があるなんて、思ってもいなかった。
全く、相変わらず信用すると警戒しない。
あんなことがあったのに。
今の君は、神速のクリスではないんだよ。ちょっと合気道が使えるくらいの、非力な子。
気配を察知することもできないから、後をつけられても分からないし、合気道でどうにかできないような襲われ方をしたら、逃れることができない。
体が女性化した分、前より小柄で、細くて、簡単に男に組み敷かれる。
なのに、心がそのままで。危なっかしくて仕方がない。
俺を一人暮らしの家に招きこんで、シャワーを浴びに行くなんて、いいのかな?
俺は君が好きだって、プロポーズしたこと忘れてない?
それとも、それだけ俺のことを信頼しているのかな。
なんで君は分からないかなぁ、欲しくてたまらない人がそんな無防備で。我慢がいつまできくと思ってるのかな。
下半身がパンパンになる。
頭の中では、もう何回も犯している。
3年前から、ずっと、毎晩犯してきた。
かちゃ。
浴室のドアが開く音がした。
今、向こうでは一糸まとわぬ彼が、服を着替えているところだろう。
ピンポーン。
部屋のチャイムが鳴る。
「栗栖、種田だよ。今後のことで提案があるんだ。先生たちに話をして、自宅を教えてもらった。力になりたい。入れてくれないだろうか。」
チッ。邪魔な奴が来た。
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