366 / 415
終章 魔王と勇者
あいつはアイツだ
しおりを挟む
クリスの後をつけて、怪しい奴らに連れて行かれるのを目撃し、カッとなって身を隠しながら追った。
そこで、同じように追う男と目があった。
アイツ、ローズ=フルールだ。
すぐに分かった。
背に腹は変えられない。クリスを助けるため、一時的に手を組んだ。
向こうも僕の正体に気付いたようだ。
クリスを助けると共に同時にプロポーズした。
栗栖は、戸惑い、返事を保留している。
それで、今に至る。
種田財閥の所有するホテルの最上階。
ラウンジを閉店後に借り受けて、アイツを呼び出した。
「未成年が飲酒していいんですか?」
「私は飲まない。」
カクテルを作るのは、実験と似ていて得意。
適当に出してやる。
自分はアルコールなし。
「公爵、お久しぶりですね。」
「ローズ王子。だな。」
「ええ、そうですよ。今回は負けません。」
まだあの子はあなたのものじゃない。
「今回も渡してやるつもりはない。」
「ハハッ。決めるのはあの子だ。俺は3年前からあの子のバイト先の優しい先輩で、家庭教師なんですよ。かなり、懐いてもらってますよ。」
あの子からしたら、出会ったばかりの貴方と、俺。どちらが信用できますかね?
大体、出会ってすぐにプロポーズなんて。
前の俺みたいで笑えます。
「あの子と二人っきりで、いる時間もたっぷりあります。俺に油断してるから、一人暮らしのあの子を襲うことも簡単。でも、紳士的に振る舞っていますよ。あの子を手に入れるためなら、あの子の理想を演じてみせますよ? 手に落ちるまではね?」
あなた、探すのが遅すぎましたね。
ローズは笑った。
「まだだ。負けない。」
あの子が転がり落ちてきたら、気が変わらないうちに、記憶が目覚める前に、家に閉じ込めて出られなくして、毎日たっぷり注ぎ込んで、たくさん子どもを孕ませるつもりです。
楽しみにしていて下さい。
「ああ、それから。前世がとか転生とか俺の悪口とか言いたければご自由に。頭がおかしいと思われるだけですから。」
それじゃ。カクテル美味しかったですよ。
そう言って、アイツは店を出た。
負けたくない。
栗栖、どうか僕を選んで。
もう一度、僕を。
そこで、同じように追う男と目があった。
アイツ、ローズ=フルールだ。
すぐに分かった。
背に腹は変えられない。クリスを助けるため、一時的に手を組んだ。
向こうも僕の正体に気付いたようだ。
クリスを助けると共に同時にプロポーズした。
栗栖は、戸惑い、返事を保留している。
それで、今に至る。
種田財閥の所有するホテルの最上階。
ラウンジを閉店後に借り受けて、アイツを呼び出した。
「未成年が飲酒していいんですか?」
「私は飲まない。」
カクテルを作るのは、実験と似ていて得意。
適当に出してやる。
自分はアルコールなし。
「公爵、お久しぶりですね。」
「ローズ王子。だな。」
「ええ、そうですよ。今回は負けません。」
まだあの子はあなたのものじゃない。
「今回も渡してやるつもりはない。」
「ハハッ。決めるのはあの子だ。俺は3年前からあの子のバイト先の優しい先輩で、家庭教師なんですよ。かなり、懐いてもらってますよ。」
あの子からしたら、出会ったばかりの貴方と、俺。どちらが信用できますかね?
大体、出会ってすぐにプロポーズなんて。
前の俺みたいで笑えます。
「あの子と二人っきりで、いる時間もたっぷりあります。俺に油断してるから、一人暮らしのあの子を襲うことも簡単。でも、紳士的に振る舞っていますよ。あの子を手に入れるためなら、あの子の理想を演じてみせますよ? 手に落ちるまではね?」
あなた、探すのが遅すぎましたね。
ローズは笑った。
「まだだ。負けない。」
あの子が転がり落ちてきたら、気が変わらないうちに、記憶が目覚める前に、家に閉じ込めて出られなくして、毎日たっぷり注ぎ込んで、たくさん子どもを孕ませるつもりです。
楽しみにしていて下さい。
「ああ、それから。前世がとか転生とか俺の悪口とか言いたければご自由に。頭がおかしいと思われるだけですから。」
それじゃ。カクテル美味しかったですよ。
そう言って、アイツは店を出た。
負けたくない。
栗栖、どうか僕を選んで。
もう一度、僕を。
0
お気に入りに追加
1,842
あなたにおすすめの小説
おっさん家政夫は自警団独身寮で溺愛される
月歌(ツキウタ)
BL
妻に浮気された上、離婚宣告されたおっさんの話。ショックか何かで、異世界に転移してた。異世界の自警団で、家政夫を始めたおっさんが、色々溺愛される話。
☆表紙絵
AIピカソとAIイラストメーカーで作成しました。
僕を拾ってくれたのはイケメン社長さんでした
なの
BL
社長になって1年、父の葬儀でその少年に出会った。
「あんたのせいよ。あんたさえいなかったら、あの人は死なずに済んだのに…」
高校にも通わせてもらえず、実母の恋人にいいように身体を弄ばれていたことを知った。
そんな理不尽なことがあっていいのか、人は誰でも幸せになる権利があるのに…
その少年は昔、誰よりも可愛がってた犬に似ていた。
ついその犬を思い出してしまい、その少年を幸せにしたいと思うようになった。
かわいそうな人生を送ってきた少年とイケメン社長が出会い、恋に落ちるまで…
ハッピーエンドです。
R18の場面には※をつけます。
エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!
たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった!
せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。
失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。
「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」
アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。
でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。
ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!?
完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ!
※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※
pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。
https://www.pixiv.net/artworks/105819552
【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】
紫紺(紗子)
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。
相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。
超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。
失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。
彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。
※番外編を公開しました(10/21)
生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。
※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。
※4月18日、完結しました。ありがとうございました。
光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。
少年売買契約
眠りん
BL
殺人現場を目撃した事により、誘拐されて闇市場で売られてしまった少年。
闇オークションで買われた先で「お前は道具だ」と言われてから自我をなくし、道具なのだと自分に言い聞かせた。
性の道具となり、人としての尊厳を奪われた少年に救いの手を差し伸べるのは──。
表紙:右京 梓様
※胸糞要素がありますがハッピーエンドです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる