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終章 魔王と勇者
種田氷祐 18歳
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種田財閥の御曹司である氷祐には、生まれたときから前世の記憶があった。
最初は、魔王として。愛する勇者に討たれた。
次は、どっか中世の西洋みたいな国の王族に生まれて、勇者の生まれ変わりと結ばれた。(強引に)
そして、生まれる前に。
きっと見つけると、約束したのだ。
だが、こんなことは誰にも言えない。
隙を見ては、街をうろつき、彼を探したが見つからなかった。
上流階級の交流でも彼はおらず、自分の通う学園にもいない。
わざと時期を同じくして生まれ変わったのだから、今回は同い年くらいのはずなのだ。
自分のテリトリーにいないということは、範囲を広げなくては。
そして、暴漢に絡まれはしたけれど。
そのおかげで、ようやく彼を見つけることができた。
自分も彼も、顔の雰囲気や容姿は殆ど前世から変わっていない。
違うのは、肌や髪、目の色くらいなものだ。
英雄高校の3年と言っていた。
本当に警戒心が薄いのは変わらないなあ。生まれ変わっても成長しないのか。
これは、早く手に入れて、守ってやらなくては。
クリスは、僕との子どもをまた産みたい、と願って転生した。
ならば、もしかしたら、彼は産めるのかもしれない。
今まで気づかなかったものが、僕との再会で目覚めることもある。
「さっきの彼にお礼が言いたいから、放課後は英雄高校に寄ってくれる?」
運転手に命じた。
………腹がいたい。
なんか、下腹がちくちくする。
「せんせい、体調悪いので保健室へ行きます。」
挙手をして、保健室へ行く。
保健室には、着任したばかりの新卒の女の先生がいた。
保健室のドアを開け、お辞儀をしてくるりと後ろを向き
「栗栖くん!あなた!!」と 呼び止められる。
ズボンに血がついている。
確かに、どっかが切れたような、なんか痛い。
怪我をしているなら、治療をしないと。
おそるおそるズボンと下着を脱ぐと、下着が血で染まっていた。
保健室の先生は、ベッドにバスタオルを敷くと、そこの上に仰向けになるように言った。
いわれるがまま足を開いて、先生に傷をみてもらう。
恥ずかしいけど仕方ない。治療だし。
むしろ、若い女の先生にこんなのみせて申し訳ない。
「…はあ。」
先生はため息をつくと、引き出しからこそこそとパンツと小さなおむつみたいなものを渡してきた。
「こんなこと、あるとは聞いてたけど、まさか目の当たりにするなんてびっくりだわ。」
先生は前置きして、「いい。落ち着いて聞いてね?」
あなた、両性だわ。生物学上は女の子に近いのかも。
初潮がきたのよ。
「えっ。」
俺、戸籍 男ですけど。 性別 M。
確かにひげ生えないなあ、体毛薄いなあ、あっちが小さい方だなあとは思っていましたけど!
「私だって混乱しているのよ!でも、現に生理なんだもの! はい、今日はこれあげるから、これを履いて!生理用品のこととか、洗濯のこととか教えてあげるから!!」
うへえ。 ええ、それって俺、赤ちゃんが産めちゃうってこと?
最初は、魔王として。愛する勇者に討たれた。
次は、どっか中世の西洋みたいな国の王族に生まれて、勇者の生まれ変わりと結ばれた。(強引に)
そして、生まれる前に。
きっと見つけると、約束したのだ。
だが、こんなことは誰にも言えない。
隙を見ては、街をうろつき、彼を探したが見つからなかった。
上流階級の交流でも彼はおらず、自分の通う学園にもいない。
わざと時期を同じくして生まれ変わったのだから、今回は同い年くらいのはずなのだ。
自分のテリトリーにいないということは、範囲を広げなくては。
そして、暴漢に絡まれはしたけれど。
そのおかげで、ようやく彼を見つけることができた。
自分も彼も、顔の雰囲気や容姿は殆ど前世から変わっていない。
違うのは、肌や髪、目の色くらいなものだ。
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本当に警戒心が薄いのは変わらないなあ。生まれ変わっても成長しないのか。
これは、早く手に入れて、守ってやらなくては。
クリスは、僕との子どもをまた産みたい、と願って転生した。
ならば、もしかしたら、彼は産めるのかもしれない。
今まで気づかなかったものが、僕との再会で目覚めることもある。
「さっきの彼にお礼が言いたいから、放課後は英雄高校に寄ってくれる?」
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………腹がいたい。
なんか、下腹がちくちくする。
「せんせい、体調悪いので保健室へ行きます。」
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保健室のドアを開け、お辞儀をしてくるりと後ろを向き
「栗栖くん!あなた!!」と 呼び止められる。
ズボンに血がついている。
確かに、どっかが切れたような、なんか痛い。
怪我をしているなら、治療をしないと。
おそるおそるズボンと下着を脱ぐと、下着が血で染まっていた。
保健室の先生は、ベッドにバスタオルを敷くと、そこの上に仰向けになるように言った。
いわれるがまま足を開いて、先生に傷をみてもらう。
恥ずかしいけど仕方ない。治療だし。
むしろ、若い女の先生にこんなのみせて申し訳ない。
「…はあ。」
先生はため息をつくと、引き出しからこそこそとパンツと小さなおむつみたいなものを渡してきた。
「こんなこと、あるとは聞いてたけど、まさか目の当たりにするなんてびっくりだわ。」
先生は前置きして、「いい。落ち着いて聞いてね?」
あなた、両性だわ。生物学上は女の子に近いのかも。
初潮がきたのよ。
「えっ。」
俺、戸籍 男ですけど。 性別 M。
確かにひげ生えないなあ、体毛薄いなあ、あっちが小さい方だなあとは思っていましたけど!
「私だって混乱しているのよ!でも、現に生理なんだもの! はい、今日はこれあげるから、これを履いて!生理用品のこととか、洗濯のこととか教えてあげるから!!」
うへえ。 ええ、それって俺、赤ちゃんが産めちゃうってこと?
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