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アヴニール編【学園編】
結婚してください
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それでは、優勝者を発表します!
優勝は
サザエル=ホーリーランドさん!
おめでとうございます!
「うわあ、すごい!サザエル!!」
「よかったねえ、マナ。サザエル勝ったよ!」
喜ぶ公爵家の面々より、ステージの近くに陣取っていたホーリーランド家は、皆、感極まっていた。
引っ込み思案で心配だったあの子が!!
ステージ上では、マチルダが歯ぎしりをしている。
「なんで?なんでなのよお!」
「だって、会長があの子がいいと…。プレゼンター票は重いんですよ?それに、会場の空気だって…!無理ですよ!!」
「何のためにあんた達を買収してると思っているのよ!仕事しなさいよ!!」
私よりきれいな子や人気がある子が出ないように工作だってしたのに、意味がないじゃない!!
「あ、あの。マチルダ様…。」
はっと我にかえると、客席にいた者やグラス王太子までが自分を冷たい眼差しで見ていた。
項垂れた彼女を黒子が連れていく。
「ては、気を取り直して。おめでとう。」
会長が、サザエルの頭に王冠をのせた。
「ありがとうございます!」
「ああ!よくやったわ!さすが私の弟よ!!」
ヘラはたまらず、ステージに乗り上がって、弟を抱き締める。
「ねえさま!」
なんだか照れくさい。
「それから、あの、その。」その様子を、グラスは全く見ていなかった。
「ホーリーランドさん! 初めて見た時から気になっていました! あなたこそ運命! 私の妃になってくださいっ!!」
「…えっ。よ、よろこんで。」
顔を上げると、そこにはヘラが。
あっ、えっ、ちが
「あ、あなたが私のことそんなふうに思ってたなんて…」
恥ずかしそうに、もじもじ。
「結婚してあげても、いいんだからねっ」
今まで見てきたヘラとは違う顔。
あ、これはこれでいい。
ハートを撃ち抜かれたのをみて、すかさず副会長が拍手をする。
「おめでとうございます!おめでとうございます!!」
「あらいやだ、うちの娘片付いちゃったわ。」
呟くミカエルのそばで、ハデスは嬉し泣きしている。
帰ったらマナー仕込まなきゃ。
ステージにヘラたちを残して、サザエルが降りてくる。
まっすぐマナのところへきた。
クリスたちに会釈する。
「マナ君、王子様だよ。そしてこれをあげる。」
サザエルは王冠をマナに被せた。
「僕は王族じゃないから、本物のお姫様にはしてあげられないけど、君は僕のお姫様だよ。」
君にあげたくて、優勝したかったんだ。
マナは嬉しそうに笑った。
優勝は
サザエル=ホーリーランドさん!
おめでとうございます!
「うわあ、すごい!サザエル!!」
「よかったねえ、マナ。サザエル勝ったよ!」
喜ぶ公爵家の面々より、ステージの近くに陣取っていたホーリーランド家は、皆、感極まっていた。
引っ込み思案で心配だったあの子が!!
ステージ上では、マチルダが歯ぎしりをしている。
「なんで?なんでなのよお!」
「だって、会長があの子がいいと…。プレゼンター票は重いんですよ?それに、会場の空気だって…!無理ですよ!!」
「何のためにあんた達を買収してると思っているのよ!仕事しなさいよ!!」
私よりきれいな子や人気がある子が出ないように工作だってしたのに、意味がないじゃない!!
「あ、あの。マチルダ様…。」
はっと我にかえると、客席にいた者やグラス王太子までが自分を冷たい眼差しで見ていた。
項垂れた彼女を黒子が連れていく。
「ては、気を取り直して。おめでとう。」
会長が、サザエルの頭に王冠をのせた。
「ありがとうございます!」
「ああ!よくやったわ!さすが私の弟よ!!」
ヘラはたまらず、ステージに乗り上がって、弟を抱き締める。
「ねえさま!」
なんだか照れくさい。
「それから、あの、その。」その様子を、グラスは全く見ていなかった。
「ホーリーランドさん! 初めて見た時から気になっていました! あなたこそ運命! 私の妃になってくださいっ!!」
「…えっ。よ、よろこんで。」
顔を上げると、そこにはヘラが。
あっ、えっ、ちが
「あ、あなたが私のことそんなふうに思ってたなんて…」
恥ずかしそうに、もじもじ。
「結婚してあげても、いいんだからねっ」
今まで見てきたヘラとは違う顔。
あ、これはこれでいい。
ハートを撃ち抜かれたのをみて、すかさず副会長が拍手をする。
「おめでとうございます!おめでとうございます!!」
「あらいやだ、うちの娘片付いちゃったわ。」
呟くミカエルのそばで、ハデスは嬉し泣きしている。
帰ったらマナー仕込まなきゃ。
ステージにヘラたちを残して、サザエルが降りてくる。
まっすぐマナのところへきた。
クリスたちに会釈する。
「マナ君、王子様だよ。そしてこれをあげる。」
サザエルは王冠をマナに被せた。
「僕は王族じゃないから、本物のお姫様にはしてあげられないけど、君は僕のお姫様だよ。」
君にあげたくて、優勝したかったんだ。
マナは嬉しそうに笑った。
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