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アヴニール編【学園編】

キリア

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キリアの両親は冒険者だ。


クリス=アッシュフォードの伝説を聞いて育った。



憧れの人。


彼みたいになりたいと思った。


平民だけど、狭き門を勝ち抜いて奨学金を得て、貴族しか通わない学園に特待生として入った。



そして出会った彼の息子。

彼と色違いの容姿をして、性格も彼に似ていると評判の息子は、会ってみると、彼とは育った環境が違う分、彼より純粋に見えたけど、戦わせてみると面白いくらい彼の伝説のとおりで。

だんだん、憧れの人の息子という好意から恋心に変わっていった。



婚約なんて、結婚じゃない。まだ、婚約者の手から奪い取れる。そう思ったけど、婚約者の溺愛は相当で、彼の母の事件があったからか、過保護なくらい彼に近づく男を追い払っている。

そんな状況をおかしいと思うこともなく、刷り込みでもされているかのように婚約者を愛しているアヴニールを見て、このまま友達でいようと。


彼を困らせたくない。





友達でいようって、我慢してるんだけど。









「お前さ、ほかのやつは警戒してるけど、先生たちとか俺とか…。内にいれたやつには警戒しないよな。」


自分の部屋に入り込んで、同じベッドにもぐりこんで、寝転んで。


俺たちはまだ成人してないけど、15歳を過ぎてるんだよ。

そんな男女で雑魚寝ができるような、幼い年でもない。




「えっ……。キ、リア…?」



戸惑う彼をあおむけに転がして、覆いかぶさるように瞳を見つめると。



その瞳は揺れている。


「俺だって、こういうこと、できるんだよ。」


どうするの?俺の腕力、知ってるよね?






「えっ、や…




その赤い唇にキスをしたいと思ったけど、恋人ではないから我慢した。


さまよった唇は、首筋におとしていく。




「痕はつけないから。」


婚約者にバレたら困るもんな。


ぷつ、ぷつ。片手で腕を縫い留めて、片手で夜着のボタンを外していく。



「好きだ、俺だって。お前のこと、好きなんだよ、アヴ。」
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