【完結】元SS冒険者の部隊長は王族に陥落される

竜鳴躍

文字の大きさ
上 下
261 / 415
新章(アリスの結婚編)

そのころのラメール王子

しおりを挟む
「ヘンゼルは、6歳も姉さん女房だなんて、お嫌なのだろうか?」


ラメール王子は、ヘンゼルの隣に腰掛けると、ヘンゼルの瞳を覗き込んだ。

顔を真っ赤にして、目をそらす。


「ヘンゼルは、兄上のこと好きじゃないのー?」


すかさずカメオ王子が挟み込んだ。




ああ。ずるいなぁ。遠巻きにアリスは笑う。

あれだと、本心しか言えない。

ラメール王子は、その人の本心を感じてしまう。
カメオ王子は、相手が本心しか言えない。


だからこそ、自身の伴侶には、見かけの美よりも、裏表のない、清い心で、本心から愛してくれる存在を求めているのだ。

彼らはきっと、この子たちしかいないと信じている。逃がすものか、という気迫を感じる。




「ラメール王子は、すらっとしててカッコいいし、ハンサムだし、僕にはもったいないと思うんです!」


「僕ではたたない?」

「えっ、いや、たぶん、そんなことは。」


目の前の人は、とても魅力的だ。

褐色の肌は、艶やかで色気がある。

サウス王国の国民は元々褐色の肌だけど、王家は他国から嫁を娶るし、祖先の神獣は白い個体だったから、必ずしもその色が出るわけではない。
アリスの妻のルージュもオレンジの髪で肌は白いし、兄のロメオ王子も、日に焼けた肌はしているが、褐色まではいかない。

だが、ラメールとカメオには、サウス王国民の色が強く出ていた。


レッドキングダムやほかの国では見られない色合いだ。


たれ目気味な切れ長の目も、スッと通った鼻筋も。絞まった肉体も。


きっと、女の子だったら、だれでもときめいちゃうだろう。



たたない?


たつ?


僕がこの人に 『入れる』 の?


この人僕に抱かれたいの?



「兄上のこと、抱けない?無理?」



「いっ、今は自信ありませんが、今後にご期待ください…!!!!」




せめて、もう少し鍛えて筋肉つくまで、まってえええ!
しおりを挟む
感想 106

あなたにおすすめの小説

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

美しき父親の誘惑に、今宵も息子は抗えない

すいかちゃん
BL
大学生の数馬には、人には言えない秘密があった。それは、実の父親から身体の関係を強いられている事だ。次第に心まで父親に取り込まれそうになった数馬は、彼女を作り父親との関係にピリオドを打とうとする。だが、父の誘惑は止まる事はなかった。 実の親子による禁断の関係です。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

仕事ができる子は騎乗位も上手い

冲令子
BL
うっかりマッチングしてしまった会社の先輩後輩が、付き合うまでの話です。 後輩×先輩。

将軍の宝玉

なか
BL
国内外に怖れられる将軍が、いよいよ結婚するらしい。 強面の不器用将軍と箱入り息子の結婚生活のはじまり。 一部修正再アップになります

嫌われ者の長男

りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

初心者オメガは執着アルファの腕のなか

深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。 オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。 オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。 穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。

処理中です...