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新章(アリスの結婚編)
最後の爆弾
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ちくしょう! ちくしょう!!
なんで、俺の爆弾の他の爆弾があるんだ!!
もう少しで爆発するのに…!
観客が全部中にいなければ、大ごとにならないじゃないか…!!
脅しにならないじゃないか…!!!!!
このままじゃ計画は破綻する。
男は決意した。
立ち止まり、今、ともにいる美しい女を見た。
物凄く若いわけではないが、若さだけの女では到底かなわない、妙齢の美しい女を。
そうだ、この女をーーーー…。
「パンス様、劇場内の爆弾は14個、処理完了です。今、最後の1つを公爵が解除しています。」
組織の者たちの動きを、ティンカーが報告する。
ピーターは頷いて、『団長、アリス、部隊長。今、15個目の爆弾解除中だ。もうないとみるか?』
クリス、アリス、キャッツアイと通信した。
『…もしかしたらまだあるかもしれないけれど。建物の構造と解除した爆弾の威力からすると、残りが爆発したとしても大事には至らないかもしれない。』
『一般人の避難は完了した。』
『じゃあそろそろ頃合いだな。』
「じゃあそろそろ頃合いだな。」小さな声で呟く。目の前の男は、顔色を変えた。
今日は完全オフで、映画館に長物は持ってこれなかったから、帯刀はしていない。
けれど。
自分は腕力は確かにないけれど、それはあくまでも騎士としての基準。
クリスを人質にしようと考えていた男は、狼狽えた。
「…こっ、この!」
襲ってくるのを、手でいなし、後ろ手に捻り上げる。
「ぎ……!!」
「チェックメイト。」
クリスが男を連れて、ロビーに来た。
ピーターと組織の者は、あとをキャッツアイに任せて撤収し、キャッツアイとアイスがロビーにはいた。
「団長、館には俺たちだけです。オーナー、従業員、客は外に出して、遠くに隔離。地域住人の隔離と警報の発令も済んでいます。」
「さすがキャッツアイ、抜かりないね。アヴニールは?」
「彼は、念のために逃げ遅れがいないか観客席を確認中です。」
「了解。爆弾は解除できたんだね。」
「ああ、15個解除したぞ。」
「ふ…ふははははは!」男が笑う。そして、力を入れて、クリスの拘束を振り切り、逆にクリスの首元をしめるように拘束した。
「爆弾はまだある!!!」
「!!!」
男が、ジャケットの前をあけると、爆弾が体についていた。
「近寄るな!この女ごと爆発してやる!・・・・・なっ!」
構わず、アイスは近づき、男の手足の骨を折った。
「あがあああああああああああ!!!」
「大丈夫か、クリス。」
「心配いらないって言ってるのに、もう。でも、頼りになる旦那様、ありがとう。」
「…ふ、………ふくくく。 あと、1分…。」
脂汗を垂らしながら、うずくまる男の口から、漏れる。
キャッツアイは、はっとなった。
調べられなかった場所が一つある。
劇場の、観客席の真上。
屋根の上。
「アヴニール!!!!」
なんで、俺の爆弾の他の爆弾があるんだ!!
もう少しで爆発するのに…!
観客が全部中にいなければ、大ごとにならないじゃないか…!!
脅しにならないじゃないか…!!!!!
このままじゃ計画は破綻する。
男は決意した。
立ち止まり、今、ともにいる美しい女を見た。
物凄く若いわけではないが、若さだけの女では到底かなわない、妙齢の美しい女を。
そうだ、この女をーーーー…。
「パンス様、劇場内の爆弾は14個、処理完了です。今、最後の1つを公爵が解除しています。」
組織の者たちの動きを、ティンカーが報告する。
ピーターは頷いて、『団長、アリス、部隊長。今、15個目の爆弾解除中だ。もうないとみるか?』
クリス、アリス、キャッツアイと通信した。
『…もしかしたらまだあるかもしれないけれど。建物の構造と解除した爆弾の威力からすると、残りが爆発したとしても大事には至らないかもしれない。』
『一般人の避難は完了した。』
『じゃあそろそろ頃合いだな。』
「じゃあそろそろ頃合いだな。」小さな声で呟く。目の前の男は、顔色を変えた。
今日は完全オフで、映画館に長物は持ってこれなかったから、帯刀はしていない。
けれど。
自分は腕力は確かにないけれど、それはあくまでも騎士としての基準。
クリスを人質にしようと考えていた男は、狼狽えた。
「…こっ、この!」
襲ってくるのを、手でいなし、後ろ手に捻り上げる。
「ぎ……!!」
「チェックメイト。」
クリスが男を連れて、ロビーに来た。
ピーターと組織の者は、あとをキャッツアイに任せて撤収し、キャッツアイとアイスがロビーにはいた。
「団長、館には俺たちだけです。オーナー、従業員、客は外に出して、遠くに隔離。地域住人の隔離と警報の発令も済んでいます。」
「さすがキャッツアイ、抜かりないね。アヴニールは?」
「彼は、念のために逃げ遅れがいないか観客席を確認中です。」
「了解。爆弾は解除できたんだね。」
「ああ、15個解除したぞ。」
「ふ…ふははははは!」男が笑う。そして、力を入れて、クリスの拘束を振り切り、逆にクリスの首元をしめるように拘束した。
「爆弾はまだある!!!」
「!!!」
男が、ジャケットの前をあけると、爆弾が体についていた。
「近寄るな!この女ごと爆発してやる!・・・・・なっ!」
構わず、アイスは近づき、男の手足の骨を折った。
「あがあああああああああああ!!!」
「大丈夫か、クリス。」
「心配いらないって言ってるのに、もう。でも、頼りになる旦那様、ありがとう。」
「…ふ、………ふくくく。 あと、1分…。」
脂汗を垂らしながら、うずくまる男の口から、漏れる。
キャッツアイは、はっとなった。
調べられなかった場所が一つある。
劇場の、観客席の真上。
屋根の上。
「アヴニール!!!!」
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