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新章(アリスの結婚編)

お嫁さんにください

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キャッツアイは、仕事に邁進していた。

今、余計な事を考えたらまずい。


各地から情報収集していたら、処刑執行官吏から引き抜いたジョージから連絡があり、やはり、グロリア伯爵はクロだった。


どうやって捕えるか。

しっぽを切って逃げられるかもしれないし、決定打が欲しい。

元組織への命令だって、形には残していない筈だ。



そう思いあぐねていると、ジョージから組織の構成員のリストが送られてきた。

そのトップは彼の執事。


全ての必要な情報を叩き込み、カチカチ算段をたてる。




「ぶーたいちよ!」

大きな目をぱちぱちさせて、アヴニールが立っていた。


「ごはんにしましょ。休憩も大事です!」


「あ、ああ。」


「ぶたいちょ、変ですよ。」

ちゅうしたからです?


無邪気に聞いてくる。


「す、すまなかったな。一応、それっぽくみえるようにしてみたが、どうしても唇がふれた。」


「気にしてませんよ?」

家族のキスと変わらないし。

それに。


「俺、部隊長のこと大好きだから!」


「本当か?」


「はい?」





その日の仕事帰りに公爵家に寄った。

「アヴニールが18になるまでは、清い交際をすると約束します。
18になったら、俺の妻にください!」


「「は?」」


真面目なキャッツアイは、キスをしたからには誠意を見せるべきだと考えていた。

「ちょっと待て! アヴニールはまだ10歳なのだが。」
アイスがオロオロしている。

「せんぱい!俺、気にしてないですから!」

「いや、君も俺を好いてくれているというし、こうなったからにはケジメをつける必要が。」


「お前うちのかわいいアヴニールに何をした!!」

「アイス、魔王が出てる。魔王が。大体、アイスじゃあるまいし、キャッツアイのことだから、大したことじゃないんだって。出会ったその日に寝込みを襲うような変態に捕まる前に、まだキャッツアイなら安心かな、俺は。」

激怒なアイスになだめるクリス。
まだよく分かってないアヴニール。

幕間の騒動。
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