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新章(アリスの結婚編)
閑話 今のうちに餌付けしておこう
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「すまん、キャッツアイ。」
この世で一番きれいで強い人。
俺の母の友人。母と同じ年とは思えない程若々しい、敬愛するその人に任されたのは、彼の3番目の子で、アリスの弟のアヴニールだった。
幼馴染だから知ってはいたけど、さほど仲がいいわけじゃない。
「アヴニールです。お久しぶりです!キャッツアイせんぱい、宜しくお願いします!」
母親に紹介されて、その後ろからひょこっと現れた子ども。
エヘ、と笑うその笑顔に一発で胸がギュッとなった。
違う!俺はペドじゃない!!
そうだ、これは小さい子を愛しく思うあれだ、父性に違いない!
しかし、その晩夢を見てしまった…。
「せんぱい…。俺、18になりました。ずっと前から先輩のこと…。」
夢の中のアヴニールは、ますます団長に似て、美しく成長して、艶かしく俺を誘う。
「先輩は、俺のこと、嫌いですか…?」
「よかった、うれしい!」
「もう子どもじゃありません…!」
だから…。
「あっ、あぁっ、あんっ、ああぁ! せんぱいっ!!! なに、これなに!? なんかぞわぞわするぅ。おなかがきゅんきゅんする!」
「いっぱい、いっぱいください…。あかちゃん、できちゃうかも。」
「うあああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
はぁ、はぁ、と息を切らして目覚めると。
下半身が濡れていて…。
夢精、してしまった。
ああ、そうとも!認めるとも! 俺はアヴニールが好きだ! 恋愛対象としてな!!!!
だが、絶対に絶対にあの子が18歳になるまでは手を出さないぞ!
愛があればなんていって、大人になる前に婚前交渉してるやつらもいることはいるが、俺はそんなことはしないッ!
騎士として法と秩序を預かる立場の俺が、そんな不埒なことできるか!
「おはようございまーす!先輩っ。」
「…おはよう。先輩じゃない、部隊長と呼べ、部隊長と。大体まだお前は学園に入学してないだろうが。俺はアリスの先輩だがお前の先輩じゃないぞ。」
「おはようございます、部隊長!…あっ。」
挨拶を言い直して、アヴニールは俺の弁当箱を見る。
「お弁当だ!彼女さんですか?」
「…いや、料理が趣味だから、自分で作ってる。」
「すごーい!」
「お昼に少しわけてやろうか?口に合うならお前の分も作ってきてやるぞ。 …ついでだからな!」
「わーい!やったあ!」
母親に似て細身だが、父親に似て身長が伸びるのだろう。
少しずつしか食べられないが、しょっちゅうお腹がすくらしい。
うーん、見れば見るほど顔の造形は団長にそっくりだ。
性格も素直で。
副団長が言ってらっしゃったな。学園時代は近寄る男から団長を守るのが大変だったと。
きっと、学園に入るころには、今よりもっときれいになって、9歳も年上の俺なんか相手にされないんだろう。
その前に、餌付けしとくか。
学園に入学するときには、魔除けと称してエンゲージリングをプレゼントしよう。
そして、学園を卒業したら。
卒業式の日には、真っ赤なバラの花束を抱えて迎えに行こう。
それまで、鋼の精神で、いい上司と部下であろうじゃないか。
この世で一番きれいで強い人。
俺の母の友人。母と同じ年とは思えない程若々しい、敬愛するその人に任されたのは、彼の3番目の子で、アリスの弟のアヴニールだった。
幼馴染だから知ってはいたけど、さほど仲がいいわけじゃない。
「アヴニールです。お久しぶりです!キャッツアイせんぱい、宜しくお願いします!」
母親に紹介されて、その後ろからひょこっと現れた子ども。
エヘ、と笑うその笑顔に一発で胸がギュッとなった。
違う!俺はペドじゃない!!
そうだ、これは小さい子を愛しく思うあれだ、父性に違いない!
しかし、その晩夢を見てしまった…。
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夢の中のアヴニールは、ますます団長に似て、美しく成長して、艶かしく俺を誘う。
「先輩は、俺のこと、嫌いですか…?」
「よかった、うれしい!」
「もう子どもじゃありません…!」
だから…。
「あっ、あぁっ、あんっ、ああぁ! せんぱいっ!!! なに、これなに!? なんかぞわぞわするぅ。おなかがきゅんきゅんする!」
「いっぱい、いっぱいください…。あかちゃん、できちゃうかも。」
「うあああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
はぁ、はぁ、と息を切らして目覚めると。
下半身が濡れていて…。
夢精、してしまった。
ああ、そうとも!認めるとも! 俺はアヴニールが好きだ! 恋愛対象としてな!!!!
だが、絶対に絶対にあの子が18歳になるまでは手を出さないぞ!
愛があればなんていって、大人になる前に婚前交渉してるやつらもいることはいるが、俺はそんなことはしないッ!
騎士として法と秩序を預かる立場の俺が、そんな不埒なことできるか!
「おはようございまーす!先輩っ。」
「…おはよう。先輩じゃない、部隊長と呼べ、部隊長と。大体まだお前は学園に入学してないだろうが。俺はアリスの先輩だがお前の先輩じゃないぞ。」
「おはようございます、部隊長!…あっ。」
挨拶を言い直して、アヴニールは俺の弁当箱を見る。
「お弁当だ!彼女さんですか?」
「…いや、料理が趣味だから、自分で作ってる。」
「すごーい!」
「お昼に少しわけてやろうか?口に合うならお前の分も作ってきてやるぞ。 …ついでだからな!」
「わーい!やったあ!」
母親に似て細身だが、父親に似て身長が伸びるのだろう。
少しずつしか食べられないが、しょっちゅうお腹がすくらしい。
うーん、見れば見るほど顔の造形は団長にそっくりだ。
性格も素直で。
副団長が言ってらっしゃったな。学園時代は近寄る男から団長を守るのが大変だったと。
きっと、学園に入るころには、今よりもっときれいになって、9歳も年上の俺なんか相手にされないんだろう。
その前に、餌付けしとくか。
学園に入学するときには、魔除けと称してエンゲージリングをプレゼントしよう。
そして、学園を卒業したら。
卒業式の日には、真っ赤なバラの花束を抱えて迎えに行こう。
それまで、鋼の精神で、いい上司と部下であろうじゃないか。
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