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新章 溺愛編

最終話 これからもずっと溺愛は続く

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長男も学園に入る年になり、デビュタントも終わった。


婚約者候補がそのまま、婚約者となり、最初から3人も妻を迎えるつもりでいることは、かなり驚かれたけど、跡継ぎ問題で揺れることの多い王族なので、反対意見は出なかった。


まあ、反対されようが、関係ないんだけど。


俺は淡泊で奥手な方だから、我が長男ながら、どうして俺からこんなモテモテのイケメンが生まれたんだろうかと思うけど、ロメオ王子から、アリスは俺とアイスのいいとこどりをしてるって言われたから、なんとなく納得した。




長女のジュリエッタは9歳になった。

俺に似てるから、ケイトの小さいころに似ている気もするけど、ケイトより綺麗だ。

おじいさまが生きていたころは、コルネット(俺のお母さま)の子どもの頃にそっくりだって喜ばれたっけ。

ジュリエッタは、お菓子作りが趣味みたいで、よくアイスとケーキを焼いている。


ロメオ王子にケーキで使う南国フルーツを送ってほしいと、よく電話しているけど、もしかしたら声が聞きたいのかな?


二人は本当に、結婚するのかもしれない。




次男のアヴニールは7歳だ。


金髪で青い目版の俺って感じ。

放っておくと、剣もってどっかにいっちゃうから、いつも俺は追いかけている。

落ち着かせるために、一度、騎士団の現場を見せたら、早く入団したくなったみたいで、今は見習いで精進中だ。









そして。


ーーーーーーーーーーーーそして。








「アイス。」




「クリス?どうしたの?」







「でき、ちゃった。」





「えっ」





「よん、ばんめ?」





「うれしい!」



クリスが毒殺される未来では、絶対に生まれてこなかった命。

来ることのなかった未来。



「もう、高齢出産だから大変だけど…。がんばる。」


「大丈夫だよ、コルネットお母さまがアリスを産んでくれたのも、同じくらいじゃないか。」



「そういえば、そうか。 うん、 がんばるよ。」










始まり方は最悪で、アイスは俺に「おとしてみせる。」と言った。


俺は、アイスのことが本当に好きになった。


そして、「幸せにしてくれる」って約束してくれた。


本当に幸せにしてくれた。


「アイス、だいすき。」


「私もクリスのことが大好きだよ。」





ずっとずっと、きっと俺はアイスに溺愛される。
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