【完結】元SS冒険者の部隊長は王族に陥落される

新章 溺愛編

怖いものはなに？

「なぁ、アリス。」


「なんですか、お父様。」


キャッキャとハロウィンパーティの準備をしているお母さまは放っておいて、お父様が僕に耳打ちしてきた。


こっそり、こっそり。

男同士の内緒話。（お母さまも男だけど）



「今年はパーティだけじゃなくて、なんかやりたくないか？」


「出し物なら、毎年、ひいおじい様が大道芸をやってくれるじゃないですか？…あれに勝てる気はしませんよ？」


「そうじゃなくって。ハロウィンっていうと…。」

ああ。

それはいいですね。


「「くっくっ、くっ…。」」








なんか背中がぞっとする。

風邪でも引いたかなぁ。


それはそうと、ジュリエッタはどんなお洋服にしようかなー。

天使系は散々アリスでやっちゃったからなー。


ジュリエッタは小悪魔系にしちゃおうかな。


そうしたら、俺は何にしよう。



最近、アイスにサービスしてないからなー。

恥ずかしいけど、アレにでもなってみるかなあ。




まずは試着してみるかなー。

確か結婚したばっかの頃に、遊びでアイスに着せられて…。

怒って片づけてそれっきりにしてたんだよなぁ。



ごそごそ。

あった。


うんしょ。うんしょ。


あっ、あれ？



うー…。




んん？



んんんんんんんんん！！！



ふー。ずっと着てなかったからチャック錆びちゃったのかなぁ。




鏡、鏡っと。








えっ。






うそっ。




イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア！！！！！！！！！！




ぱたっ。












「なんか、お母さまの叫び声が聞こえませんでした？」


「黒い虫でも出たのかな？　クリス、苦手だからな。　お父様が男らしくたまには頼りになるところを見せるか。

アリスは手出しするなよ！」


雑誌を丸めて、アリスと一緒にクリスの部屋をあける。





「ばぶー。あう、あい。」


姿見の前であおむけに倒れてるクリスの顔をぺちぺちと叩いているジュリエッタ。






「ああ、産後の体形の崩れに気づいて失神したんですね。」


そんな、バニーガールなんて、ぴっちりした服着るから。


体重が戻っても、ラインはなかなか元に戻るものではないのに。




「そんな、倒れるほど気にしなくても。あんまり変わらないと思うけどなぁ。」


「お母さまは太った自分が一番怖いんでしょうね…。」