109 / 415
本編
最終話:元SS冒険者の部隊長は王族に陥落される
しおりを挟む
春が来て。
王太子が学園を卒業し、護衛兼世話係をする必要のなくなった俺は、王太子の側近で公爵夫人という扱いながら、騎士団へ出勤する頻度が上がっていた。
側近っていっても、ずっと傍にいないといけないわけじゃないし。
ハデスのお姉さんが子どもを十分産んだので、ミカエルとハデスの子を代わりに産んでくれることになり、二人がその準備で休みがちになっているのだ。
今まで俺の代わりに現場で頑張ってくれたので、今度は俺が頑張らないとな。
それから、お兄様がおじいさまの伯爵位と領地をもらったので、俺が辺境伯の爵位をもらうことになった。
お兄様は、実家の領地と、おじいさまの領地の経営があってたいへんだけど、キャサリンが支えてくれるから大丈夫だと思う。
だってキャサリン様、学生時代、俺たちの代では一番頭がよかったんだから。
俺やおじいさまや、お父様など、称号持ちが多くいることや、モンスターや聖獣に精通し、薬学にも長けたアイス。
そして、全面的に傘下に入っている先端技術の国・スノーフォレスト。
これらの抑止力によって、今やこの国やこの国の王族をどうこうしようという勢力はない。
騎士団は組織を改編し、斥候部隊は解散、斥候部隊の他に3つあった部隊も含めて、1つにまとめられた。
有事の際は小隊だったり、役割ごとに分かれることもあるが、それまでは、情報収集・分析や整備・訓練が重要だ。
俺は、副団長に出世した!
別に、公爵夫人だからじゃないぞ!
「ただいま~!」
「お母さま、おかえりなさい!……わっ!!」
帰ると、アリスがニコニコ出迎えてくれる。
アイスに似た金髪と顔立ちに、俺の目の色。
俺は、アリスを抱き上げて、抱きしめる。
「もうっ、お母さまったら。僕はもう赤ちゃんじゃありませんよ。」
「だって、いつまでも可愛いんだもん。」
アリスは俺たちの宝物。
もうすぐ4歳だもんね。早いなぁ。
自分ちが疎かったからよくわからないけど、高位貴族だともうそろそろ婚約者ができるものなのかな?
子どもを集めてパーティとかあるみたいだけど。
アイスはお父様があんなんだったから、お母さまがわざと婚約者を作らなかったって言ってたなぁ。
俺もアイスも婚約者がいなくてよかった。
いたら、結婚してなかったかもしれないし。
きっと、アリスは頭が良くて強くてかっこよくて優しいから、すぐに婚約者候補がいっぱい現れるんだろうなぁ。
最近は、俺たちが同性婚で子どもも出来たから、性別にこだわらないって、
女同士でも男同士でも婚約する家も増えてきたって。
時代も変わったよなぁ。
「クリス、おかえり。」
「…ただいま。」
キッチンからエプロンをつけたまま、アイスが現れて、後ろから俺を抱く。
後ろに顔を向けてキスをして。
アリスを抱きしめながら、幸せだなぁと思う。
「今日は何を作ってたの?」
「クリスの大好きなショートケーキだよ。」
生クリームで夜にいたずらしてもいいかな?
と、こっそり耳打ちされ。
「ばかっ!」と赤くなる。
俺は、この王族にすっかり陥落された。
プロポーズの言葉通り。
きっと、この幸せはずっとずっと続く。
アイスは俺を守ってくれるだろうし
俺も、俺の大切なものに手を出すものは、許さない。
「…ぼく、勉強してこようっと。」
気を利かせたアリスが、自分の部屋へ消える。
ベッドになだれ込むまで、あと何分?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本編終了しましたが、キャサリンたちやアリスの話や
日常ラブラブコメディ版でしばらく続きます。
溺愛ラブラブの予定です。(ざまあはあるかもしれませんが、悲しい話はありません)
そのうち、表紙や挿絵も挿入する予定です!
ご拝読ありがとうございました!
王太子が学園を卒業し、護衛兼世話係をする必要のなくなった俺は、王太子の側近で公爵夫人という扱いながら、騎士団へ出勤する頻度が上がっていた。
側近っていっても、ずっと傍にいないといけないわけじゃないし。
ハデスのお姉さんが子どもを十分産んだので、ミカエルとハデスの子を代わりに産んでくれることになり、二人がその準備で休みがちになっているのだ。
今まで俺の代わりに現場で頑張ってくれたので、今度は俺が頑張らないとな。
それから、お兄様がおじいさまの伯爵位と領地をもらったので、俺が辺境伯の爵位をもらうことになった。
お兄様は、実家の領地と、おじいさまの領地の経営があってたいへんだけど、キャサリンが支えてくれるから大丈夫だと思う。
だってキャサリン様、学生時代、俺たちの代では一番頭がよかったんだから。
俺やおじいさまや、お父様など、称号持ちが多くいることや、モンスターや聖獣に精通し、薬学にも長けたアイス。
そして、全面的に傘下に入っている先端技術の国・スノーフォレスト。
これらの抑止力によって、今やこの国やこの国の王族をどうこうしようという勢力はない。
騎士団は組織を改編し、斥候部隊は解散、斥候部隊の他に3つあった部隊も含めて、1つにまとめられた。
有事の際は小隊だったり、役割ごとに分かれることもあるが、それまでは、情報収集・分析や整備・訓練が重要だ。
俺は、副団長に出世した!
別に、公爵夫人だからじゃないぞ!
「ただいま~!」
「お母さま、おかえりなさい!……わっ!!」
帰ると、アリスがニコニコ出迎えてくれる。
アイスに似た金髪と顔立ちに、俺の目の色。
俺は、アリスを抱き上げて、抱きしめる。
「もうっ、お母さまったら。僕はもう赤ちゃんじゃありませんよ。」
「だって、いつまでも可愛いんだもん。」
アリスは俺たちの宝物。
もうすぐ4歳だもんね。早いなぁ。
自分ちが疎かったからよくわからないけど、高位貴族だともうそろそろ婚約者ができるものなのかな?
子どもを集めてパーティとかあるみたいだけど。
アイスはお父様があんなんだったから、お母さまがわざと婚約者を作らなかったって言ってたなぁ。
俺もアイスも婚約者がいなくてよかった。
いたら、結婚してなかったかもしれないし。
きっと、アリスは頭が良くて強くてかっこよくて優しいから、すぐに婚約者候補がいっぱい現れるんだろうなぁ。
最近は、俺たちが同性婚で子どもも出来たから、性別にこだわらないって、
女同士でも男同士でも婚約する家も増えてきたって。
時代も変わったよなぁ。
「クリス、おかえり。」
「…ただいま。」
キッチンからエプロンをつけたまま、アイスが現れて、後ろから俺を抱く。
後ろに顔を向けてキスをして。
アリスを抱きしめながら、幸せだなぁと思う。
「今日は何を作ってたの?」
「クリスの大好きなショートケーキだよ。」
生クリームで夜にいたずらしてもいいかな?
と、こっそり耳打ちされ。
「ばかっ!」と赤くなる。
俺は、この王族にすっかり陥落された。
プロポーズの言葉通り。
きっと、この幸せはずっとずっと続く。
アイスは俺を守ってくれるだろうし
俺も、俺の大切なものに手を出すものは、許さない。
「…ぼく、勉強してこようっと。」
気を利かせたアリスが、自分の部屋へ消える。
ベッドになだれ込むまで、あと何分?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本編終了しましたが、キャサリンたちやアリスの話や
日常ラブラブコメディ版でしばらく続きます。
溺愛ラブラブの予定です。(ざまあはあるかもしれませんが、悲しい話はありません)
そのうち、表紙や挿絵も挿入する予定です!
ご拝読ありがとうございました!
0
お気に入りに追加
1,843
あなたにおすすめの小説

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
【完結】悪役令息の従者に転職しました
*
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく、舞踏会編、はじめましたー!
他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
目立たないでと言われても
みつば
BL
「お願いだから、目立たないで。」
******
山奥にある私立琴森学園。この学園に季節外れの転入生がやってきた。担任に頼まれて転入生の世話をすることになってしまった俺、藤崎湊人。引き受けたはいいけど、この転入生はこの学園の人気者に気に入られてしまって……
25話で本編完結+番外編4話
日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが
五右衛門
BL
月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。
しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる