【完結】元SS冒険者の部隊長は王族に陥落される

竜鳴躍

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本編

最終話:元SS冒険者の部隊長は王族に陥落される

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春が来て。



王太子が学園を卒業し、護衛兼世話係をする必要のなくなった俺は、王太子の側近で公爵夫人という扱いながら、騎士団へ出勤する頻度が上がっていた。
側近っていっても、ずっと傍にいないといけないわけじゃないし。


ハデスのお姉さんが子どもを十分産んだので、ミカエルとハデスの子を代わりに産んでくれることになり、二人がその準備で休みがちになっているのだ。


今まで俺の代わりに現場で頑張ってくれたので、今度は俺が頑張らないとな。



それから、お兄様がおじいさまの伯爵位と領地をもらったので、俺が辺境伯の爵位をもらうことになった。
お兄様は、実家の領地と、おじいさまの領地の経営があってたいへんだけど、キャサリンが支えてくれるから大丈夫だと思う。

だってキャサリン様、学生時代、俺たちの代では一番頭がよかったんだから。



俺やおじいさまや、お父様など、称号持ちが多くいることや、モンスターや聖獣に精通し、薬学にも長けたアイス。
そして、全面的に傘下に入っている先端技術の国・スノーフォレスト。
これらの抑止力によって、今やこの国やこの国の王族をどうこうしようという勢力はない。

騎士団は組織を改編し、斥候部隊は解散、斥候部隊の他に3つあった部隊も含めて、1つにまとめられた。

有事の際は小隊だったり、役割ごとに分かれることもあるが、それまでは、情報収集・分析や整備・訓練が重要だ。



俺は、副団長に出世した!


別に、公爵夫人だからじゃないぞ!






「ただいま~!」


「お母さま、おかえりなさい!……わっ!!」


帰ると、アリスがニコニコ出迎えてくれる。

アイスに似た金髪と顔立ちに、俺の目の色。

俺は、アリスを抱き上げて、抱きしめる。


「もうっ、お母さまったら。僕はもう赤ちゃんじゃありませんよ。」


「だって、いつまでも可愛いんだもん。」

アリスは俺たちの宝物。
もうすぐ4歳だもんね。早いなぁ。

自分ちが疎かったからよくわからないけど、高位貴族だともうそろそろ婚約者ができるものなのかな?

子どもを集めてパーティとかあるみたいだけど。

アイスはお父様があんなんだったから、お母さまがわざと婚約者を作らなかったって言ってたなぁ。

俺もアイスも婚約者がいなくてよかった。
いたら、結婚してなかったかもしれないし。


きっと、アリスは頭が良くて強くてかっこよくて優しいから、すぐに婚約者候補がいっぱい現れるんだろうなぁ。

最近は、俺たちが同性婚で子どもも出来たから、性別にこだわらないって、
女同士でも男同士でも婚約する家も増えてきたって。


時代も変わったよなぁ。





「クリス、おかえり。」

「…ただいま。」


キッチンからエプロンをつけたまま、アイスが現れて、後ろから俺を抱く。

後ろに顔を向けてキスをして。

アリスを抱きしめながら、幸せだなぁと思う。


「今日は何を作ってたの?」


「クリスの大好きなショートケーキだよ。」


生クリームで夜にいたずらしてもいいかな?

と、こっそり耳打ちされ。




「ばかっ!」と赤くなる。


俺は、この王族にすっかり陥落された。



プロポーズの言葉通り。






きっと、この幸せはずっとずっと続く。



アイスは俺を守ってくれるだろうし

俺も、俺の大切なものに手を出すものは、許さない。







「…ぼく、勉強してこようっと。」

気を利かせたアリスが、自分の部屋へ消える。







ベッドになだれ込むまで、あと何分?






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本編終了しましたが、キャサリンたちやアリスの話や
日常ラブラブコメディ版でしばらく続きます。
溺愛ラブラブの予定です。(ざまあはあるかもしれませんが、悲しい話はありません)

そのうち、表紙や挿絵も挿入する予定です!

ご拝読ありがとうございました!

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