91 / 415
本編
閑話 魔性とか傾国とか知らないから!
しおりを挟む
俺は普段、学園の2年生である王太子の護衛兼世話係で学園に付き添っているので、ほとんど騎士団には行っていない。
調査をしたり、監視をしたりして、その情報はハデスがまとめてくれて、ミカエルが報告してくれる。
マシューさんから遠隔で通信できる装備をもらってからは、直接行かなくてもリアルタイムで報告をもらえて、指揮ができるから、とても便利だ。
これは、セレモニーなどの時の警備でも使えると思ったので、陛下に進言して、騎士団と近衛の通常装備にしてもらった。
遠隔で報告を受けつつ、書類作業は学園に持ってきて、王太子が授業を受けている間にちまちま片づけている。
ついでに、実は護衛とか世話係しながら、公爵家の主催するパーティやお茶会のことや、領地で今度何に取り掛かろうとか、いろいろ考えてたりする。
でもたまにはやっぱり、ミカエルたちに任せっぱなしもよくないので、定期的には顔出ししてるのだ。
「部隊長のこと、なんて呼んだらいいか悩むよなー。」
「公爵夫人だもんなぁ。」
「部隊長は部隊長なんだから、部隊長でいいんじゃないの?」
詰所に近づくと、そんな声が聞こえてきた。
「みんな、いつも遠隔ばかりで申し訳ない。よくやってくれてるようで助かるよ。これ、ケーキ焼いてきたから。みんなで食べよう。」
部下たちへのねぎらいに、ブドウのショートケーキを持ってきたんだ。
アイスとアリスと、3人で作ったんだぞ!
アリスが可愛いおててで、ブドウをちょんちょん飾ったんだ!
魔王が錬金術師だったからだろうか。
知識を受け継いだアイスは、やたらキッチリ計量したり混ぜたりするのが上手くなって、ケーキ作りが上手になった。
俺とアリスがよく食べるから、作ってくれる。
俺は、速度勝負でクリームを塗る担当かな!
「うわぁ、これ手作りですよね!すごいなぁ。」
みんながわいわい喜んでくれてる。よかったぁ。持ってくるの大変だったんだ。
「じゃあ、切り分けるね!」
「いや、そんな部隊長にさせるわけには。そこは私が。」
部下とどっちが切るかでもみあいになる。
「…あっ!」
ケーキに手が少しぶつかって、生クリームが手についてしまった。
「あぁもう…もったいないなぁ。」
手についたクリームをなめとっていると、なんかみんなの視線を感じる。
「ん? どうしたの?」
「い、いえ…。なんでもっ…。」
「急にトイレに行きたくなったのでっ、行ってきますっ!」
「俺も!」
「私も…!」
「なんだみんな、トイレ我慢してたのか。ケーキ切るの待つから、気にしないで行ってきてよかったのに。」
ぱかーん。
後ろから、入ってきたミカエルに軽く小突かれた。
「クリスがそんなエロいことするからでしょーが。無自覚なんだから、もう!」
ミカエルに怒られる。
そんなエロいことしたっけ?
「クリス、お前。こないだフルール王国の王子を美人局ではめただろ?ギルド界隈とか騎士団内で噂になってるぞ。」
は?
「お前、魔性の女とか傾国の美女って言われてるぞ。」
「ちょっとハデス、俺は女じゃないぞ?」
「魔性とか傾国ってのは受け入れるのね?」
「いや、それも違うつもりでいるけど…。魔性とか傾国とか知らないから!」
「まあ、私にとっては一番エロいのはハデスですけど? あんたも男の嫁になって長いんだから、そういう目で見られるってことを少しは意識しなさいよ?」
ーーーーーーーと、いうことがあったんだよ、アイス。
「ほう。今度から、ケーキを持っていくときはクリームなしのやつにしよう。」
「えー。それじゃあ俺の仕事がない!3人でキッチンに立つの、楽しいのに!」
そういうと、アイスは生クリームをキッチンから持ち出して。
自分のあれにつけて舐めさせた。
俺に。
そういうこと?
クリーム白いから、そういうことお!?
俺、白いの食べられなくなるじゃないか。
そう文句を言ったら。
太くて長い食べ物も食べるの禁止。 と言われた。
調査をしたり、監視をしたりして、その情報はハデスがまとめてくれて、ミカエルが報告してくれる。
マシューさんから遠隔で通信できる装備をもらってからは、直接行かなくてもリアルタイムで報告をもらえて、指揮ができるから、とても便利だ。
これは、セレモニーなどの時の警備でも使えると思ったので、陛下に進言して、騎士団と近衛の通常装備にしてもらった。
遠隔で報告を受けつつ、書類作業は学園に持ってきて、王太子が授業を受けている間にちまちま片づけている。
ついでに、実は護衛とか世話係しながら、公爵家の主催するパーティやお茶会のことや、領地で今度何に取り掛かろうとか、いろいろ考えてたりする。
でもたまにはやっぱり、ミカエルたちに任せっぱなしもよくないので、定期的には顔出ししてるのだ。
「部隊長のこと、なんて呼んだらいいか悩むよなー。」
「公爵夫人だもんなぁ。」
「部隊長は部隊長なんだから、部隊長でいいんじゃないの?」
詰所に近づくと、そんな声が聞こえてきた。
「みんな、いつも遠隔ばかりで申し訳ない。よくやってくれてるようで助かるよ。これ、ケーキ焼いてきたから。みんなで食べよう。」
部下たちへのねぎらいに、ブドウのショートケーキを持ってきたんだ。
アイスとアリスと、3人で作ったんだぞ!
アリスが可愛いおててで、ブドウをちょんちょん飾ったんだ!
魔王が錬金術師だったからだろうか。
知識を受け継いだアイスは、やたらキッチリ計量したり混ぜたりするのが上手くなって、ケーキ作りが上手になった。
俺とアリスがよく食べるから、作ってくれる。
俺は、速度勝負でクリームを塗る担当かな!
「うわぁ、これ手作りですよね!すごいなぁ。」
みんながわいわい喜んでくれてる。よかったぁ。持ってくるの大変だったんだ。
「じゃあ、切り分けるね!」
「いや、そんな部隊長にさせるわけには。そこは私が。」
部下とどっちが切るかでもみあいになる。
「…あっ!」
ケーキに手が少しぶつかって、生クリームが手についてしまった。
「あぁもう…もったいないなぁ。」
手についたクリームをなめとっていると、なんかみんなの視線を感じる。
「ん? どうしたの?」
「い、いえ…。なんでもっ…。」
「急にトイレに行きたくなったのでっ、行ってきますっ!」
「俺も!」
「私も…!」
「なんだみんな、トイレ我慢してたのか。ケーキ切るの待つから、気にしないで行ってきてよかったのに。」
ぱかーん。
後ろから、入ってきたミカエルに軽く小突かれた。
「クリスがそんなエロいことするからでしょーが。無自覚なんだから、もう!」
ミカエルに怒られる。
そんなエロいことしたっけ?
「クリス、お前。こないだフルール王国の王子を美人局ではめただろ?ギルド界隈とか騎士団内で噂になってるぞ。」
は?
「お前、魔性の女とか傾国の美女って言われてるぞ。」
「ちょっとハデス、俺は女じゃないぞ?」
「魔性とか傾国ってのは受け入れるのね?」
「いや、それも違うつもりでいるけど…。魔性とか傾国とか知らないから!」
「まあ、私にとっては一番エロいのはハデスですけど? あんたも男の嫁になって長いんだから、そういう目で見られるってことを少しは意識しなさいよ?」
ーーーーーーーと、いうことがあったんだよ、アイス。
「ほう。今度から、ケーキを持っていくときはクリームなしのやつにしよう。」
「えー。それじゃあ俺の仕事がない!3人でキッチンに立つの、楽しいのに!」
そういうと、アイスは生クリームをキッチンから持ち出して。
自分のあれにつけて舐めさせた。
俺に。
そういうこと?
クリーム白いから、そういうことお!?
俺、白いの食べられなくなるじゃないか。
そう文句を言ったら。
太くて長い食べ物も食べるの禁止。 と言われた。
0
お気に入りに追加
1,842
あなたにおすすめの小説
おっさん家政夫は自警団独身寮で溺愛される
月歌(ツキウタ)
BL
妻に浮気された上、離婚宣告されたおっさんの話。ショックか何かで、異世界に転移してた。異世界の自警団で、家政夫を始めたおっさんが、色々溺愛される話。
☆表紙絵
AIピカソとAIイラストメーカーで作成しました。
僕を拾ってくれたのはイケメン社長さんでした
なの
BL
社長になって1年、父の葬儀でその少年に出会った。
「あんたのせいよ。あんたさえいなかったら、あの人は死なずに済んだのに…」
高校にも通わせてもらえず、実母の恋人にいいように身体を弄ばれていたことを知った。
そんな理不尽なことがあっていいのか、人は誰でも幸せになる権利があるのに…
その少年は昔、誰よりも可愛がってた犬に似ていた。
ついその犬を思い出してしまい、その少年を幸せにしたいと思うようになった。
かわいそうな人生を送ってきた少年とイケメン社長が出会い、恋に落ちるまで…
ハッピーエンドです。
R18の場面には※をつけます。
エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!
たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった!
せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。
失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。
「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」
アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。
でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。
ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!?
完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ!
※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※
pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。
https://www.pixiv.net/artworks/105819552
【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】
紫紺(紗子)
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。
相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。
超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。
失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。
彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。
※番外編を公開しました(10/21)
生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。
※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。
※4月18日、完結しました。ありがとうございました。
少年売買契約
眠りん
BL
殺人現場を目撃した事により、誘拐されて闇市場で売られてしまった少年。
闇オークションで買われた先で「お前は道具だ」と言われてから自我をなくし、道具なのだと自分に言い聞かせた。
性の道具となり、人としての尊厳を奪われた少年に救いの手を差し伸べるのは──。
表紙:右京 梓様
※胸糞要素がありますがハッピーエンドです。
上司と雨宿りしたら、蕩けるほど溺愛されました
藍沢真啓/庚あき
BL
恋人から仕事の残業があるとドタキャンをされた槻宮柚希は、帰宅途中、残業中である筈の恋人が、自分とは違う男性と一緒にラブホテルに入っていくのを目撃してしまう。
愛ではなかったものの好意があった恋人からの裏切りに、強がって別れのメッセージを送ったら、なぜか現れたのは会社の上司でもある嵯峨零一。
すったもんだの末、降り出した雨が勢いを増し、雨宿りの為に入ったのは、恋人が他の男とくぐったラブホテル!?
上司はノンケの筈だし、大丈夫…だよね?
ヤンデレ執着心強い上司×失恋したばかりの部下
甘イチャラブコメです。
上司と雨宿りしたら恋人になりました、のBLバージョンとなりますが、キャラクターの名前、性格、展開等が違います。
そちらも楽しんでいただければ幸いでございます。
また、Fujossyさんのコンテストの参加作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる