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本編
はじめまして赤ちゃん
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お母様のおなかはどんどん大きくなって。
その間、妊娠していることになっているクリスティーヌは社交をお休みしている。
俺は、騎士団のない日は、お母様と並んで子どものために縫い物をする。
「不思議ねえ、クリスと縫い物をするなんて。」
俺だって不思議だ。
アイスと結婚して一年半。
もうすぐ2回目のクリスマス。
まさか自分が嫁に行くとも思ってなかったし。
こんなに、馴染むなんて。
「おなかどう?」
「クリスの時を思い出すわ。少し下に引っ張られるけど、静かな子。」
お母様の経過は良好。
でも、妊娠中はお酒も魚も良くないんだって。
俺たちのために屋敷に閉じ込めてしまっているし、申し訳ないから、俺も一緒に我慢してる。
「公爵様と名前は決めたの?」
「男の子って分かっているけど…、顔を見て決めようって。」
「それもいいかもね。うちはだんな様がカリスだったから、キリス、クリスって決めちゃったし。」
適当だよなあ。
「………!」
「お母様!?」
お母様が突然苦しみだす。
どうしよう!
俺は叫んで、家令にマシューを呼ばせた。
ともに暮らして8ヶ月。
すっかり仲良くなったクリスの父と、私は狩りに出ていた。
お腹の子のためにも、クリスの母親には栄養を取って欲しいから。
まだ若いクリスの母が、代わりに産んでくれると言った時、彼には申し訳なく思っていたのだが、クリスが子どもの時、大怪我をしたことがあったらしく、その頃からずっと不能なのだと。
だから大丈夫だと言われた。
さすがクリスの父親なだけあって、狩りの腕はなかなかだ。
雉と鹿を狩ったところで、家令が慌ててこちらへ走ってくる。
クリスの母親が産気づいた!
私たちは慌てて家へ戻った。
お母様、大丈夫なの?
辛い思いをさせてごめんなさい。
俺は、苦しんでいるお母様に付き添い、手を握りしめている。
「お母様は…大丈夫。久しぶりだけど、3人生んでいるのですよ。」
額に汗をかき、元気のないお母様の指が、俺の頬を撫でる。
「クリスは本当にいい子すぎて…、ほったらかしちゃって。何もしてあげられなかったから、赤ちゃんを産んであげたいと思ったの。」
「お母様…。」
「この子は初孫よ。しかも私が産むのよ。なんて幸せなことかしら!」
さあ、もう1踏ん張りね。
最後の陣痛がきて。
「さあ、いきんで!」
マシューさんの合図と一緒に。
赤ちゃんが生まれて、産声が上がった。
俺とお母様で、優しく抱きしめる。
目の色は分からないけど、金髪でアイスに似ている気がする。
かわいい男の子。
はじめまして。
ありがとう。
生まれてきてくれて。
その間、妊娠していることになっているクリスティーヌは社交をお休みしている。
俺は、騎士団のない日は、お母様と並んで子どものために縫い物をする。
「不思議ねえ、クリスと縫い物をするなんて。」
俺だって不思議だ。
アイスと結婚して一年半。
もうすぐ2回目のクリスマス。
まさか自分が嫁に行くとも思ってなかったし。
こんなに、馴染むなんて。
「おなかどう?」
「クリスの時を思い出すわ。少し下に引っ張られるけど、静かな子。」
お母様の経過は良好。
でも、妊娠中はお酒も魚も良くないんだって。
俺たちのために屋敷に閉じ込めてしまっているし、申し訳ないから、俺も一緒に我慢してる。
「公爵様と名前は決めたの?」
「男の子って分かっているけど…、顔を見て決めようって。」
「それもいいかもね。うちはだんな様がカリスだったから、キリス、クリスって決めちゃったし。」
適当だよなあ。
「………!」
「お母様!?」
お母様が突然苦しみだす。
どうしよう!
俺は叫んで、家令にマシューを呼ばせた。
ともに暮らして8ヶ月。
すっかり仲良くなったクリスの父と、私は狩りに出ていた。
お腹の子のためにも、クリスの母親には栄養を取って欲しいから。
まだ若いクリスの母が、代わりに産んでくれると言った時、彼には申し訳なく思っていたのだが、クリスが子どもの時、大怪我をしたことがあったらしく、その頃からずっと不能なのだと。
だから大丈夫だと言われた。
さすがクリスの父親なだけあって、狩りの腕はなかなかだ。
雉と鹿を狩ったところで、家令が慌ててこちらへ走ってくる。
クリスの母親が産気づいた!
私たちは慌てて家へ戻った。
お母様、大丈夫なの?
辛い思いをさせてごめんなさい。
俺は、苦しんでいるお母様に付き添い、手を握りしめている。
「お母様は…大丈夫。久しぶりだけど、3人生んでいるのですよ。」
額に汗をかき、元気のないお母様の指が、俺の頬を撫でる。
「クリスは本当にいい子すぎて…、ほったらかしちゃって。何もしてあげられなかったから、赤ちゃんを産んであげたいと思ったの。」
「お母様…。」
「この子は初孫よ。しかも私が産むのよ。なんて幸せなことかしら!」
さあ、もう1踏ん張りね。
最後の陣痛がきて。
「さあ、いきんで!」
マシューさんの合図と一緒に。
赤ちゃんが生まれて、産声が上がった。
俺とお母様で、優しく抱きしめる。
目の色は分からないけど、金髪でアイスに似ている気がする。
かわいい男の子。
はじめまして。
ありがとう。
生まれてきてくれて。
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