その玉座、返してもらいます！虐げられた末王子は嫁の愛で下剋上する～婿入り先の辺境の蛮族は真の王家でした～

準備してきた（ミハイル）

この日のために準備してきた。

正統な評価を他国に求め、身を立てさせた。

評価されたレジデューは、水を得た魚のように伸びていった。

長い冬で押さえつけられていた若葉が、春になって一斉に芽吹くように。



あの国の騎士団と魔法師団の副団長は、いいやつだった。
あの場でレジデューのために、陛下の救出を依頼した。

―――――彼らは、陛下だけでなく、レジデューの偽物の身も保護してくれた。


俺も思うところはあるけれど、二人が押し入った時、彼は媚薬を使われ、涙と体液でぐちゃぐちゃになりながら、体は縛られ、乳首はリングで絞めつけられ、局部も縛られ………、尿道にはブジ―が、尻の穴には梁型が入れられた状態で放置されていたという。

不用品になった彼を性奴隷として遠くの国に売り飛ばすつもりだったようで、かなり調教が進んでいる状態だったらしい。

幸いにも誰もいなかったため、その隙に彼をマイアが抱え、二人をエンジェリンに運んだ。




２人を迎えたレジデューはどんな気持ちだっただろう。

陛下が生きていて、間に合ってよかった。
でも互いにまだぎくしゃくして、これからなのかもしれない。



「我が甥よ！やっと自慢できる！はは、見ろこの国の貴族を！特に奴らの仲間の表情よ！貴族の仮面も忘れてるわ！」

どことなくレジデューに似た顔立ちの、金髪碧眼のアカデミック王国の王様は、レジデューの母の弟にあたるらしい。

マジョリカの女王も、サラマンダー王国の王様も、有力貴族や王族は軒並み向こうをほったらかしで、レジデューの周りに集まってる。



ふふ。嬉しいな。ざまあみろ。

さてと、ダンスの前にドレスに着替えようかな。
空から降りてくることになったから、最初はスーツにしたんだよね。
パンツが見えたら恥ずかしいし。

レジデューはどっちでも素敵って言ってくれたけど、やっぱりドレスも着たい。

というか、周りのレジデューを見る目！

今まで酷い扱いをしていたくせにさ！


…………そりゃあ、本当の彼を知れば、誰だって好きになるだろうけれど。

彼の立場が正当なものになれば、彼はどうするのかな。
王位を継ぐ？

俺と結婚しなくても、いい？


ダメダメ、そんなこと考えちゃダメ。


だから、俺は他の女どもに見せつけてやらなければならないのだ！




そう思っていると、おやおや。

グレイシャスが母親の顔面を殴ったようだ。

勝手に自滅してくなぁ。