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目が覚めた愚か者
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「ねえ、君たち。君たちには、今日のことを覚えててもらう。だけど、『時が来るまで』今日のことは内緒だよ?レジデューは、王妃たちにわざと陛下に会わせてもらえず、虚偽で塗り固められて、ついには追放されたんだ。ちゃんと準備してからじゃなきゃ、彼の名誉は挽回されない。」
「心得ております。」
「どうせ今までも功績だけは自分のものにしてたんでしょ?彼ら。だから今回も黙ってればいい。でもこの2体は討伐依頼が出てたんだ。遺体はこっちで持ち帰ってギルドに報告するけどね。あの二人には、倒したけど遺体はないといえば、勝手に解釈してくれるでしょ。」
背後ではレジデューが魔物の状態を確認している。
その間にこのマイアさんとマジーさんとやらにはきっちり伝えて、仲間になってもらおう。
既に騎士団と魔法師団の団員たちは、レジデューのファンになったみたい。
きっと彼らから彼らの親や親戚、真実は伝わっていくだろう。
だが、来るべき時まで口は噤んでいてもらおう。
ぶっ倒れてる出来損ないの王子二人には、魔法師団が催眠魔法をかけ続けている。
「俺たちは建国祭の夜会に出る。そこがその日だ。君たちには頼みたいことがある。これは、俺の国の諜報員からの情報だが………。」
「ミハイル、準備が出来たよ。確かにあの二体は事切れている。それでは、副団長さんたちもお元気で…。失礼いたします。」
別人のように明るくなったレジデューが俺の肩を抱く。
こういうスキンシップはするようになったけど、まだキッスもしてないんだよな~。
奥手なんだよな………。
俺からやってもいいんだけど、もしかしてご存じない可能性も…。
俺たちはマジックバックに獲物を入れて、宙に浮いた。
「で、どうするの?旦那様。」
「うん、今回も周辺の土地を買い取っちゃう。開拓された土地の土砂を戻して、緑を生やして。海を浄化しよう。」
ふふふ。パラダイス王国の王太子は気づいていない。
やらかすたびに、俺たちが土地を少しずつ買い取っていることに。
領主たちは、重い税金に耐え兼ね、魔物が出て荒らされた土地を手放していく。
中には、勇者レジデューの正体に気付き、自ら提供する者だっている。
そうして、少しずつ、土地が欠けていることに気付くのはいつだろう。
他国との境界線、交易路などの要所が抑えられて、いつしか国を囲むようにレジデューの『国』が産まれていることに気付くのはいつだろうね。
「…………んん。」
うっすらと目をあけ、ゆっくりと起き上がる。
あたりは焼け焦げ、魔物はもういない。
「騎士団長、魔法師団長、危機は去りました。魔物は倒されました。」
「あのデカい2体もか。遺体を拝んでやろう。どこだ?」
「それが、遺体はなくて…。」
「私のスーパーアルティメットな魔法が消し炭にしてしまったか!私の才能が怖い…。」
「さすがエク兄!」
(本当だ…。勝手に解釈した。)
マイアとマジーは目をあわせた。
「心得ております。」
「どうせ今までも功績だけは自分のものにしてたんでしょ?彼ら。だから今回も黙ってればいい。でもこの2体は討伐依頼が出てたんだ。遺体はこっちで持ち帰ってギルドに報告するけどね。あの二人には、倒したけど遺体はないといえば、勝手に解釈してくれるでしょ。」
背後ではレジデューが魔物の状態を確認している。
その間にこのマイアさんとマジーさんとやらにはきっちり伝えて、仲間になってもらおう。
既に騎士団と魔法師団の団員たちは、レジデューのファンになったみたい。
きっと彼らから彼らの親や親戚、真実は伝わっていくだろう。
だが、来るべき時まで口は噤んでいてもらおう。
ぶっ倒れてる出来損ないの王子二人には、魔法師団が催眠魔法をかけ続けている。
「俺たちは建国祭の夜会に出る。そこがその日だ。君たちには頼みたいことがある。これは、俺の国の諜報員からの情報だが………。」
「ミハイル、準備が出来たよ。確かにあの二体は事切れている。それでは、副団長さんたちもお元気で…。失礼いたします。」
別人のように明るくなったレジデューが俺の肩を抱く。
こういうスキンシップはするようになったけど、まだキッスもしてないんだよな~。
奥手なんだよな………。
俺からやってもいいんだけど、もしかしてご存じない可能性も…。
俺たちはマジックバックに獲物を入れて、宙に浮いた。
「で、どうするの?旦那様。」
「うん、今回も周辺の土地を買い取っちゃう。開拓された土地の土砂を戻して、緑を生やして。海を浄化しよう。」
ふふふ。パラダイス王国の王太子は気づいていない。
やらかすたびに、俺たちが土地を少しずつ買い取っていることに。
領主たちは、重い税金に耐え兼ね、魔物が出て荒らされた土地を手放していく。
中には、勇者レジデューの正体に気付き、自ら提供する者だっている。
そうして、少しずつ、土地が欠けていることに気付くのはいつだろう。
他国との境界線、交易路などの要所が抑えられて、いつしか国を囲むようにレジデューの『国』が産まれていることに気付くのはいつだろうね。
「…………んん。」
うっすらと目をあけ、ゆっくりと起き上がる。
あたりは焼け焦げ、魔物はもういない。
「騎士団長、魔法師団長、危機は去りました。魔物は倒されました。」
「あのデカい2体もか。遺体を拝んでやろう。どこだ?」
「それが、遺体はなくて…。」
「私のスーパーアルティメットな魔法が消し炭にしてしまったか!私の才能が怖い…。」
「さすがエク兄!」
(本当だ…。勝手に解釈した。)
マイアとマジーは目をあわせた。
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