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番外編 おまけ

赤ちゃんがほしい

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「ベネディクト。ブルー。お願いがあるのだけど。」

急に電話で呼び出されて。

ブレッシング王国に来てみたら、こんな夜更けにお願いなんて、何だろう。

兄上はもじもじ。上目遣い。顔真っ赤。

隣のグリーンのズボンの膝のところをちょいちょい摘んでる。

仕事してる時と剣持っている時は、キリッとかっこいいのに、オメガの俺より乙女だと思う。

元々そういう素質があったのかもしれないけど、兄上が乙女化したのは、叔父のせいかもしれない。

叔父に捕まって陵辱されて。

でも、それがあったから、学生時代の友達だったグリーンの想いを受け入れた。

本当なら、妃を得て子も成していたはずの兄は、王になったけど子は成せない。

だけど、みんな後継者問題について、何も言えないとは聞いていた。


雌にされてしまった兄上には、最早、子をもうけることはできないのだ。



「あの………。次の子を作って、私達に養子にくれないだろうか。」


やっぱり。

予感はしてたんだ。


「兄上。次の子を作る予定はあるけど、かわいい我が子をすぐに手放せる気はしないし、産まれる前から養子に出されることが決まってるなんて可哀想だよ。」


「その子が大人になって、よかったらでいいし、断られたら、ブレッシング王国はダーク王国と統合するから!」

兄上は切なそうにしている。


「………赤ちゃんをこの手に抱きたくなったんだ。お前たちを見て。なんでアルファなんだろう、オメガに産まれたかったって何度思ったか。」

グリーンとの子が産めたらよかった。
きっと、可愛くて賢い子だっただろう。

でも、オメガじゃなかったから、私はあの男との望まぬ子を孕まずにすんだ。

ないものねだり。

「可能性としてでいいから、お願いだ。たまに、一緒に育てさせてほしい……。」


「兄上………。」

俺は、隣のブルーを見上げる。
ブルーは俺の手を握り、頷いてくれた。

「わかりました。いいですよ。」


「ありがとう!」
「ありがとうございます!」

グリーンが俺の手を握る。

「では、わたしたちと一緒に子作りしてくれませんか?」


エッ。

今、なんて。





「ああっ、あぁっ。」
「ああん……。」


ふわふわの大きな寝台に、兄上と並んでる。

ふたりとも、大好きな旦那さまをみっちり銜え込んで。

ずちゅ、ずちゅっ。

エッチな音も2倍。

兄上と手を繋いで。


「ああ――――――!!!」



おなか、いっぱいになるまで愛されて。

ソコは熱を持つ。


「赤ちゃん………ッ!」





上気した肌を汗ばませて。

気を失う美しい兄弟は手を繋いだまま、仰向けに横たわる。

足の間には、ともにそれぞれの伴侶の愛を溢れさせて、扇情的で背徳的だ。


「……もうしないですからね。」

ブルーは恥ずかしかった。


「いいよ。たぶん、できたと思うから。」


グリーンの予想どおり、ベネディクトは孕んだ。
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