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堕ちた騎士団長
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レイが一人になったところを見計らって、声をかける。
「レイ、レイ。」
「ベネディクトさま!」
レイは笑って近寄ってきた。
「大丈夫か、レイ。グリーンは?」
「グリーンは、嗅ぎ回っていたのがバレて、家族ともども幽閉されました。」
「なんだって!」
「俺が捕まっていた場所だろうか。魔法が使えなくなる牢屋があるんだ。」
レイが頷く。
「あと、決定的な証拠を見つけた。二手に別れよう。グレイスとブルーでグリーンを頼む。ベネは俺と。」
「分かった。」
「こっちだ。」
ブルーの誘導で影にのって、牢へ向う。
この牢屋には思ったより人がいるようだ。
あちこちで呻きが聞こえる。
俺たちはグリーンを探した。
突き当りにグリーン一家はいた。
「グリーン!」
「グレイス」
グリーンは目を見開き、俺たちを見る。
「助けに来「なんで来たんですか! 王子は!?」」
「王子はレイがついている。」
「バカッ!!」
その瞬間、背後から兵が囲む。
「バカッ!罠に決まっているじゃないですか! レイは!!」
グリーンの叫びが響き、俺たちは過ちを知った。
「これは俺の部屋? こんなところに?」
俺が王子時代籠もっていた部屋は、意外にも手つかずでそのままで。
悲しい思いもしたけど、それが家族の愛ゆえだったと知れば、懐かしく愛しい。
カチャ。
鍵がかけられる。
あのドア、外からだとなかなか開かないんだよな。
「………たっ!」
いきなり、手首を強く捕まえられる。
ベッドに押し倒され、レイを見た。
レイの瞳は澱んでいた。
「捕まえられたままでは、転移で逃げられないでしょう?」
「レイ!正気に戻って、レイ!!」
体重を載せて俺を拘束し、衣服をはぐ。
「気づいてましたよ?あなたは、俺にいつか抱かせるつもりはなかったですよね。」
「やっ……やだあ!」
身じろぐも、適うわけがない。
「俺はいいとこ親切で利用できるいい人で兄替わり。」
「ひっ…!」
首筋に冷たい。舌が這う。
「君は、他に好きな男がいる。でも、来ないよ。助けには誰も。」
レイの手が下にかかる。
いやだ。
いやだ。
はるとじゃなきゃ、いやだ。
「レイ、レイ。」
「ベネディクトさま!」
レイは笑って近寄ってきた。
「大丈夫か、レイ。グリーンは?」
「グリーンは、嗅ぎ回っていたのがバレて、家族ともども幽閉されました。」
「なんだって!」
「俺が捕まっていた場所だろうか。魔法が使えなくなる牢屋があるんだ。」
レイが頷く。
「あと、決定的な証拠を見つけた。二手に別れよう。グレイスとブルーでグリーンを頼む。ベネは俺と。」
「分かった。」
「こっちだ。」
ブルーの誘導で影にのって、牢へ向う。
この牢屋には思ったより人がいるようだ。
あちこちで呻きが聞こえる。
俺たちはグリーンを探した。
突き当りにグリーン一家はいた。
「グリーン!」
「グレイス」
グリーンは目を見開き、俺たちを見る。
「助けに来「なんで来たんですか! 王子は!?」」
「王子はレイがついている。」
「バカッ!!」
その瞬間、背後から兵が囲む。
「バカッ!罠に決まっているじゃないですか! レイは!!」
グリーンの叫びが響き、俺たちは過ちを知った。
「これは俺の部屋? こんなところに?」
俺が王子時代籠もっていた部屋は、意外にも手つかずでそのままで。
悲しい思いもしたけど、それが家族の愛ゆえだったと知れば、懐かしく愛しい。
カチャ。
鍵がかけられる。
あのドア、外からだとなかなか開かないんだよな。
「………たっ!」
いきなり、手首を強く捕まえられる。
ベッドに押し倒され、レイを見た。
レイの瞳は澱んでいた。
「捕まえられたままでは、転移で逃げられないでしょう?」
「レイ!正気に戻って、レイ!!」
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「やっ……やだあ!」
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「ひっ…!」
首筋に冷たい。舌が這う。
「君は、他に好きな男がいる。でも、来ないよ。助けには誰も。」
レイの手が下にかかる。
いやだ。
いやだ。
はるとじゃなきゃ、いやだ。
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