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レイとグリーン

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「では、俺は一度国へ戻る。ブルーはまだここへいるのか?」


「はい、俺はベネディクト様のものですから。」

「婚約者はお前でもいいんだぞ? こちらは王子をってだけで、誰とか決まっていたわけじゃない。」

グレイは眉を寄せる。

大翔はハッと顔をあげ、俺を見て。そして笑った。

「俺にはその資格はありませんよ。」


それは、自分が娼妓として経験済だからか、それとも俺を追い詰めて死なせてしまったことか。


「仕事だったんだから、気にしなくていいと思うけどな。」

どっちだとしても、回答はこれでいい。
だが、たぶん、ブルーは俺のこと、何とも思ってないだろう。



「分かった。でも、会ってみて分かったが、俺は彼の番じゃないと思うぞ。もっと自分の感覚や気持ちに素直になるといい。二人ともな?」

何を言ってるんだかよく分からない。

そういうとグレイは、おかみさんの左手をとってキスをした。


「また来ます。あなたに会いに。」


「えっ。えっ?」



その時、一迅の風が吹いた。



「きゃあ!」


パタリと紙飛行機が落ちる。


開いてみると、それは、騎士団の在庫記録と両親の診察や世話に関わった医者や侍女のリスト。

西、戦争。

と走り書きがある。



「これは………!」

「二人に何かあったんだ!」

兄上が心痛な面持ちをする。


「そして、ダークに戦争を仕掛けるということですよね。」
大翔は、グレイを見た。


「急いで戻るよ。君たちもご武運を。そうだ。よければ、ベネディクト。君の血がほしい。」

「いいけど、何に使う?」


「君たちにとっても追い風になることだよ。」


「ベネディクト、正念場だ。私も戦う。」

「兄上、ありがとう。兄上は証人の保護をお願い。」



どこかで赤城が手を引いているような気持ち悪さ。

強かに、尻尾がみえない。

少しずつ、何かがおかしい。


「ベネディクト様。俺は最後まで守りますからね。」


ありがとう、大翔。
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