異世界転生したら王子なのに身売りさせられるところでしたが聖女でした。魔王を倒したのでいちゃいちゃしたいです。

竜鳴躍

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帳簿

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「愛しのベネ!! 今日も俺は頑張ったぞ!褒めてくれ!」
 
「私も頑張りましたよ!」


今夜もレイとグリーンが部屋に駆け込む。

兄上は、隣の部屋で剣を素振りしていたが、グリーンの気配を察して俺の部屋に来ている。

瞳が恋する乙女というか、これじゃどっちがオメガか分からないっていう。



「今日はどんなことがありましたか?」

兄上一筋のグリーンは心配ないとして、今日も絶対にレイとはヤらないぞ!




「王が懇意にしている人間を突き止めたぞ! あいつ、意外と信心深いらしい。司祭の息子と会ってたぞ!あと、先日の後始末をした。無事、グレイス王子は死んだことになったぞ!ていうか、俺がそうした!!ほめてっ!」


「すごい!さすがレイ。騎士団長の職権濫用ですね!頼りになるっ!好き好きポイントが1上がりましたよ!」


「本当か?」


俺の作った100ページくらいある分厚いポイントカードを差し出してくるレイ。

グリーンは、何か含みのある顔をしている。


印鑑やスタンプ代わりにポイントカードにちゅっとキスマークをつけたところで、グリーンに声をかける。


「グリーンはどうでした?うまく土地は浄化できましたか?民は元気になりました?」


「…王子の読み通りでした。あなたのアイディアということは伏せて、魔法職を派遣しました。もう少し時間はかかるでしょうが、土地の汚染も止まりましたし、そのうち生産性も回復するでしょう。」



「よかった。俺も、みんなに例のことでいうことがーーーーーー



「その前に。そこにいる黒髪の子はどなたですか?」



「ああ。ブルー=マリーナ元子爵令息で、源氏名はハルトです。腕の立つ諜報員ですよ。あいつに逆らって、囚人としてここの娼妓にさせられていたので、俺が身請けしました。」


仲良くしてくださいねっ。


そういうと、グリーンは、はぁああああっ、と頭を抱えてため息をついた。



「あなたって人は!レイが貢いでいるとはいえ、そんなんじゃあ年季は明けませんよ!」



「別にここから出たいわけじゃないのだし、いいんですよ。それにお金は稼げるので。まあ、そんなことより本題に入ります。」



大翔も聞いてね。


「じゃん!」


俺は、懐から、あいつの帳簿を出した。





「あっ!それは…!」


物取り目当てに見せるために、余計な調度品と一緒に奪おうとして、失敗したはずなのに。なぜ、ここに?



「実は、あのとき、魔法でコピーしました。兄が優先だったので、説明する時期を逸しましたが、あいつに取り返されたのは、コピーの方。こっちが原本です。」




「はははっ、貴方という方は。これだから面白い。」




「大翔と俺で、この帳簿を隅々まで調べます。おかしいところ、改ざんの後、どこか綻びがあるはず。そうじゃなかったら、あいつがあのとき、あそこまで慌てるわけがない。」


それで、証拠のヒントが見つかったら…。


次の一手。



「ねぇ、レイ?」



「ん?どうした、ベネ。すっごく頼りになる男にお願いか?」


「ちょっとあいつと戦うのに軍資金が必要だから、いろんなところから炭くずを集めててくれないかな?」


「炭?」



「そうそう、暖を取った後とか、料理の後とか、火を使うところにいっぱいあるでしょ?ここに来るときに毎日持ってきてほしい。」


「よくわからないが、ベネが言うなら持ってこよう。」


「炭なんかどうするんだい?」
兄が首を傾げる。ああ、もう本当に可愛い兄上。俺の兄上が可愛すぎるんだがどうしよう。
ラノベのタイトルみたいになった。



「あっ。もしかして。」

さすが転生者。大翔は気づいたようだ。




「そう。人工的にダイヤモンドを作っちゃいます!」

俺に不可能はない!




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