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一ノ瀬和真
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ここで、俺の人生を思い出してみよう。
実家は裕福な方だったと思う。
進学校に通い、部活動は剣道をしていた。
インターハイも行ったし、腕は悪くなかった。
民俗学に関心があったけど、父親が裁判官だったから、なんとなく後を継ぐ空気になって、大学は一流大学の法学部に進み、司法試験を受けながら、在学中のバイトで、俺は赤城タクマという40代半ばになる政治家の秘書をしていた。
俺は、そこそこ清潔感のあるイケメンだったから、有権者の皆様のウケもよかったんだよね。
それが気に入らなかったのか、学生なのにこき使われて、法案作ったり、演説考えたり、殆ど仕事押しつけられて。
よく分からんまま、なんかの酒の席も同席させられて、気がつけば、不正な金のばら撒き、俺が勝手に忖度してやったことになってるし。
クビになるし。
親には叱られるし。
マスコミに追いかけられて。
過労の体で逃げて駅で足を踏み外して。
たぶん、あれで死んだと思う。
21歳。
若かったなあ。
彼女もいなかったんだけど。ちくしょう。
みんなのことを考えて作った法案。
せめて、いい感じに成立してたらいいなあ。
実家は裕福な方だったと思う。
進学校に通い、部活動は剣道をしていた。
インターハイも行ったし、腕は悪くなかった。
民俗学に関心があったけど、父親が裁判官だったから、なんとなく後を継ぐ空気になって、大学は一流大学の法学部に進み、司法試験を受けながら、在学中のバイトで、俺は赤城タクマという40代半ばになる政治家の秘書をしていた。
俺は、そこそこ清潔感のあるイケメンだったから、有権者の皆様のウケもよかったんだよね。
それが気に入らなかったのか、学生なのにこき使われて、法案作ったり、演説考えたり、殆ど仕事押しつけられて。
よく分からんまま、なんかの酒の席も同席させられて、気がつけば、不正な金のばら撒き、俺が勝手に忖度してやったことになってるし。
クビになるし。
親には叱られるし。
マスコミに追いかけられて。
過労の体で逃げて駅で足を踏み外して。
たぶん、あれで死んだと思う。
21歳。
若かったなあ。
彼女もいなかったんだけど。ちくしょう。
みんなのことを考えて作った法案。
せめて、いい感じに成立してたらいいなあ。
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