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番外編

カイザー家編① 新婚夫婦のすれ違い (R18)

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「ハロルド、今日は天気がいいからお出かけをしないか。」


優しい優しい旦那様。


結婚して1週間。

初夜以来、クリスは僕を抱いてくれない。

優しいけど。




僕、あんまりよくなかったのかな。

体も小さいし、年齢より子どもっぽく見えるし。
魅力がたりないのかも。

旦那様を悦ばせることも出来ないなんて、なんて不出来な嫁だろう。


「はい。」



クリスにエスコートされて、馬車で向かう。

僕らは市井によく降りる。



手をつないで領地を回り、クリスは店で焼き串や甘味を買ってくる。

演劇をみたり、買い物を楽しんで帰るのだ。

きっと領地の視察を兼ねているんだろう。

旦那様がいない時は、しっかり僕が守らなきゃ。

「ハロルド、ちょっと待ってて。」




「はい。」


クリスは宝飾店に入り、僕は彼の後ろで外の景色を眺める。

路地に綺麗でセクシーなお兄さんが立っている。


何だろう。

「あれは春を売っているんだ。」


クリス。買い物終わったの。


「春?」


「お金でセックスしているんだよ。自分の意思で選んだ職ならまだ良いんだ。環境も悪くなければ。だけど、貧しさで売られたり、事情があってそういうことをしなければならない人もいる。」

「元からここにいた人なのかな………。」

「そうではないと思う。陛下たちがここを整備してくださった時、きめ細やかにひとりひとりの仕事の支援をしている。性産業は栄えている町へ流れ着くものだ。」

色々まちづくりを考えなきゃなあ、と声が聞こえる。


僕は、綺麗なお兄さんをじっと見つめていた。

お金がもらえるくらい、エッチが上手なんでしょう?
クリスを悦ばせられるテクニックを習えないかしら。


そう思っていたら、僕の髪に金細工の髪飾り。


「ハロルド、帰ろう。」

僕は、彼の手に手を乗せた。







俺の嫁が可愛いたまらん。

ハロルドは素直で純粋で、可愛すぎる!

初夜の日。

ベッドの上にちょこんと座るハロルドに心臓が止まるかと思った。
オイルを纏った指で優しく後孔をほぐして、やっと中に入った時の気持ちよかったこと!
小さい孔が健気に俺を受け入れて、一つになれた喜びに俺はつい夢中になってしまった。

中へ引きずり込むような、心地よい締め付け。

何度果てても、すぐ復活する。


名器だ。たぶん。




気がつけば、初めてのハロルドを前からも後ろからも、時には膝に乗せて堪能し、腹がふくれる程散々中に注ぎ込み、時間は翌日の昼近くになっていた。

かわいそうに小さな孔は真っ赤に腫れ、閉じられずに白濁を零し、気を失う小さな体には無数のうっ血痕。

乳首も俺が弄ってしゃぶったから、唾液で濡れ、少し腫れている。



大事な妻にこんな無体なことをするなんて、俺はだめな男だ!

暫くはデートをしよう。

夢だったんだ!

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