17 / 96
婚約者を眺める幸せ
しおりを挟む
今朝もフォートにおはよう、を言う。
恥ずかしそうにはにかむ笑顔が可愛いなぁ。
「向かいの部屋も、執務室みたいに変えちゃうからね。できればこっちで寝てくれると嬉しいな。向かいに君がいると思うだけで幸せな気持ちになれるんだ。」
「嬉しいです、ありがとうございます。」
僕が用意していた夕べのピンクのシャツも似合ってた。
騎士団の制服のパリッとした感じも素敵だけど、やわらかい印象の服も似合うよね。
今日は大忙しだ。
フォートのための部屋を作って、可愛いお洋服もいっぱいプレゼントしよう。
友人という肩書と、婚約者という肩書では、なんか気持ちが違うな。
やりすぎはフォートに拒絶されると思ってセーブしてたけど、婚約者だから!
婚約者ならたくさんプレゼントしても許されるはずだ!
引きこもりだったから、僕のための予算はめちゃくちゃ溜まっているのだ。
だって使う場所なかったからね!
7年分溜まっていった王子の小遣い(仕事はしてるから給料?)を舐めるなよ!
「あらすごいわ!やっぱり好きな人と縁ができると違うわね。魅了の力が抑えられているわよ!これなら外にも出られそうだわ!本当にジニアルには申し訳ないことをしたわ。生活に支障が出るくらい強い魅了の力なんて見たことも聞いたこともなかったから。これなら幼い頃に婚約者を考えておくんだったわ…。」
朝餉の席で、現れた僕たちを見て、母がしょぼんとしている。
「幼い頃だとフォートは婚約者に選べなかったでしょう?僕の運命の人はフォートなんだから、これでよかったんですよ。僕は幸せです。」
ね、と隣の彼に微笑むと、恥ずかしいのか目線を外された。
うーん。なんか昨日から、妙に視線が合わないような。
僕は可愛いフォートを見ていたいんだけどな。
「魅了が抑えられているとなれば、安心して皆を集めてのお披露目会が出来そうだ。ジニアルも7年ぶりの公式の場だし、二人で張り切って衣装を誂えるといい。」
「ありがとうございます。」
「ジニアル。久しぶりの夜会は緊張するだろう。貴族同士のことは疎いだろうから、教えてあげるよ。」
「ありがとう、オーレムお兄様。」
「フォート様。女性としての立ち位置やふるまいについては、私にご質問ください。」
お兄様の隣のフローラ様も親切だ。
この人は帝国と同等の力を持つノースキャロット皇国の皇女様だった。
ストロベリーブロンドのふんわりとした長い髪と青い眼が可愛らしい、愛されゆるふわ系の美少女。
控えめでいて品があり、お兄様とは仲良し。
「はい。女性の立ち位置は分からないので、頼りにしています。」
「フォートちゃん。フォートちゃんの仕事ぶりや学業での成績からすると、既に語学も堪能のようだし、フォートちゃんにはそれほど王子妃教育は要らないと思っているわ。王太子妃や王妃程、必要とされる内容もないですからね。騎士団長の職務もあるし、少しずつでいいからお願いね。」
「はい。」
会話をしながらも、丁寧に食事をとる。
確かに、フォートはマナーも完璧だし、今から習うことも少なくて済むのかもしれない。
それでも、そうか。
王子妃教育は受けなければならないんだ。
仕事も忙しいのに、申し訳ないなぁ…。
恥ずかしそうにはにかむ笑顔が可愛いなぁ。
「向かいの部屋も、執務室みたいに変えちゃうからね。できればこっちで寝てくれると嬉しいな。向かいに君がいると思うだけで幸せな気持ちになれるんだ。」
「嬉しいです、ありがとうございます。」
僕が用意していた夕べのピンクのシャツも似合ってた。
騎士団の制服のパリッとした感じも素敵だけど、やわらかい印象の服も似合うよね。
今日は大忙しだ。
フォートのための部屋を作って、可愛いお洋服もいっぱいプレゼントしよう。
友人という肩書と、婚約者という肩書では、なんか気持ちが違うな。
やりすぎはフォートに拒絶されると思ってセーブしてたけど、婚約者だから!
婚約者ならたくさんプレゼントしても許されるはずだ!
引きこもりだったから、僕のための予算はめちゃくちゃ溜まっているのだ。
だって使う場所なかったからね!
7年分溜まっていった王子の小遣い(仕事はしてるから給料?)を舐めるなよ!
「あらすごいわ!やっぱり好きな人と縁ができると違うわね。魅了の力が抑えられているわよ!これなら外にも出られそうだわ!本当にジニアルには申し訳ないことをしたわ。生活に支障が出るくらい強い魅了の力なんて見たことも聞いたこともなかったから。これなら幼い頃に婚約者を考えておくんだったわ…。」
朝餉の席で、現れた僕たちを見て、母がしょぼんとしている。
「幼い頃だとフォートは婚約者に選べなかったでしょう?僕の運命の人はフォートなんだから、これでよかったんですよ。僕は幸せです。」
ね、と隣の彼に微笑むと、恥ずかしいのか目線を外された。
うーん。なんか昨日から、妙に視線が合わないような。
僕は可愛いフォートを見ていたいんだけどな。
「魅了が抑えられているとなれば、安心して皆を集めてのお披露目会が出来そうだ。ジニアルも7年ぶりの公式の場だし、二人で張り切って衣装を誂えるといい。」
「ありがとうございます。」
「ジニアル。久しぶりの夜会は緊張するだろう。貴族同士のことは疎いだろうから、教えてあげるよ。」
「ありがとう、オーレムお兄様。」
「フォート様。女性としての立ち位置やふるまいについては、私にご質問ください。」
お兄様の隣のフローラ様も親切だ。
この人は帝国と同等の力を持つノースキャロット皇国の皇女様だった。
ストロベリーブロンドのふんわりとした長い髪と青い眼が可愛らしい、愛されゆるふわ系の美少女。
控えめでいて品があり、お兄様とは仲良し。
「はい。女性の立ち位置は分からないので、頼りにしています。」
「フォートちゃん。フォートちゃんの仕事ぶりや学業での成績からすると、既に語学も堪能のようだし、フォートちゃんにはそれほど王子妃教育は要らないと思っているわ。王太子妃や王妃程、必要とされる内容もないですからね。騎士団長の職務もあるし、少しずつでいいからお願いね。」
「はい。」
会話をしながらも、丁寧に食事をとる。
確かに、フォートはマナーも完璧だし、今から習うことも少なくて済むのかもしれない。
それでも、そうか。
王子妃教育は受けなければならないんだ。
仕事も忙しいのに、申し訳ないなぁ…。
12
お気に入りに追加
715
あなたにおすすめの小説

【完結】相談する相手を、間違えました
ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。
自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・
***
執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。
ただ、それだけです。
***
他サイトにも、掲載しています。
てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。
***
エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。
ありがとうございました。
***
閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。
ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*)
***
2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
【完結】悪役令息の従者に転職しました
*
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく、舞踏会編、はじめましたー!
他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。


【完結】元ヤクザの俺が推しの家政夫になってしまった件
深淵歩く猫
BL
元ヤクザの黛 慎矢(まゆずみ しんや)はハウスキーパーとして働く36歳。
ある日黛が務める家政婦事務所に、とある芸能事務所から依頼が来たのだが――
その内容がとても信じられないもので…
bloveさんにも投稿しております。
完結しました。
婚約破棄された婚活オメガの憂鬱な日々
月歌(ツキウタ)
BL
運命の番と巡り合う確率はとても低い。なのに、俺の婚約者のアルファが運命の番と巡り合ってしまった。運命の番が出逢った場合、二人が結ばれる措置として婚約破棄や離婚することが認められている。これは国の法律で、婚約破棄または離婚された人物には一生一人で生きていけるだけの年金が支給される。ただし、運命の番となった二人に関わることは一生禁じられ、破れば投獄されることも。
俺は年金をもらい実家暮らししている。だが、一人で暮らすのは辛いので婚活を始めることにした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる