耳が聞こえない公爵令息と子爵令息の幸せな結婚

閑話 マナの閨教育

マナちゃんへ


もうすぐ、マナちゃんもお嫁さんに行きます。
マナちゃんは旦那様によく似たかわいい赤ちゃんを産みたいんだよね？

結婚式のその晩に、初めて、赤ちゃんを授かるためのことをサザエルとすることになると思うので、

びっくりしないように絵本にしました。

これを読んで勉強してね。


　お母さまより。


追伸　

　アヴニールお兄様だよ。

　大丈夫！びっくりすることもあるかもしれないけど、一番大事なのは、旦那様のことが大好き！って気持ちだから。旦那様を信じて任せていれば、何も怖いことはないからね！お母さまも俺も大丈夫なんだから、きっとマナも大丈夫だよ。お勉強がんばってね！



ある日、お部屋に戻ると、お手紙と一緒に絵本が置かれていて。

なんだろう、と思って絵本を手に取ってみると、そのタイトルは。


　　　　赤ちゃんができるまで。



そのまんまのタイトルだけど…。どういう本なんだろう。

捲ってみると…―――――




ある王国に、幸せな王子様とお姫様がいました。

幸せな結婚式をあげて、最初の晩。


そう、結婚した夫婦にとって、大事な大事な『初夜』がやってくるのです。


どきどき。


お姫様は、恥ずかしいのと、期待と、不安で胸がいっぱい。


でも、今からすることは、とっても大事な、愛を深める行為だし。

この行為を重ねて、いつか赤ちゃんが産まれるのですから、恥ずかしいと言っていられません。


大好きな大好きな王子様の赤ちゃん。

お姫様だって、赤ちゃんが欲しいのです。


それに、王子様に今よりもっと愛してもらいたい。



お姫様の侍女たちは、お姫様をお風呂で今までより一番きれいに整えてくれました。

そして、お姫様がどきどきしながら王子様を待っていると、

薄い夜着をつけた王子様が現れました。





（どきどき！どうなっちゃうんだろう！！）




「世界で一番きれいだよ、お姫様を誰より愛しています。大切にします。一生、お守りします。」


結婚式の時も誓ってくれたけれど。

そういって、緊張しているお姫様に、王子様は優しいキスをくれました。

王子様はお姫様をベッドに寝かせると、お姫様のお洋服や下着を脱がせました。


そして、王子様も裸になりました。



（えええーーなんで！恥ずかしいよお！でも、お互い裸でやることなんだ、どうしよう。僕もサザエルに裸を見せなきゃいけないんだ。ダイエット…！ダイエットしなきゃ…！！）



王子様がお姫様の体に優しくキスを落とすと、王子様の体に異変が起きました。

そうです！

赤ちゃんをつくるためには、お姫様の卵と王子様の赤ちゃんの素が合体しなければなりません。

お姫様の卵は体の中の奥深くにあり、王子様の赤ちゃんの素は二つの玉の中にあって、おちんちんを通して発射されるので、お姫様の体の中に入れられるように、王子様のおちんちんは、硬く、大きくなったのです。


（ひゃ！なんで、おちんちんの絵だけリアルなの…！！？）



お姫様は少し痛かったけど、王子様を受け入れて、無事、初夜を過ごすことができました。

仲良しの王子様とお姫様は、これからも、この愛の行為を繰り返して、いつか、赤ちゃんが産まれるでしょう。


王子様もお姫様も、体が結ばれて、今までよりもっと心も結ばれたようで、幸せな気持ちで一緒に眠りました。



おしまい。







きゃああーーーーーーーーーー！
きゃああーーーーーーーーーー！きゃあ！！！！！！！！！！！


真っ赤になって、コロコロ転がる。

自分でも興奮したのがよくわかる。

お姫様を自分、王子様をサザエルで置き換えて、妄想してしまった。


下半身に違和感を感じる。


（………あっ。）


おそるおそるズボンをめくってみて、硬くなったおちんちんってこうなるんだ、って確認した。



えっちな本や話題を知らなかったマナは、これをどうしたらいいのだろうと思ったけれど、なんだかそのままでは苦しくて、とりあえずお風呂へ駆けこむと、初めて一人でイケてしまったのだった。