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The Season of Fresh Green ー第5話ー
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カクテルバーでマスターと話をした水曜日から、数日後の夜。
仕事を終え、部屋に着いた岡崎のスマホの着信音が鳴った。
相手を確認し——
岡崎は一瞬緊張した目をしてから、通話ボタンを押す。
「——吉野?」
『岡崎。久しぶり』
「……ああ」
『……最近、仕事はどうだ? 少し忙しさも収まったか』
「……だいぶ落ち着いた」
『————
この前の電話は……ごめん。
なんだか感情的になって——ほんと酷いこと言った』
「……
それはお互いさまだ」
『——あのさ。
お前の都合がつけばだけど……
今度、花見しないか?
俺の部屋の近くに、小さい桜並木があるんだ』
吉野の言葉に、岡崎は微妙に首をかしげる。
「桜?……だって、もう時期じゃないだろ」
『花は過ぎたけどさ。気持ちいいんだ、葉桜が。
風が吹くと、葉がサラサラ音を立てて。疲れやらいろいろが、洗い流される気がする。
静かなベンチで酒盛りもできるぞ』
そんな誘いに、岡崎の気持ちもふっと和らいだ。
「…………いいな。
気持ち良さそうだ」
『じゃ決まり。今度の金曜、大丈夫か?』
「……ああ。わかった」
吉野との短い通話を終え、机にスマホを置くと、岡崎は窓を開けた。
住宅街の屋根の向こうに、街の夜景が小さくきらめく。
「——葉桜か」
小さく呟くと、気持ちを改めるように、ひんやりと心地よい空気を大きくひとつ吸い込んだ。
✳︎
4月最後の、金曜の夜。
二人は近くの駅で待ち合わせ、のんびりとした足取りで並木道へ向かった。
通りがかりのコンビニでビールと軽いつまみなどを適当に仕入れる。
「なんか、こういう適当なのも楽しいな」
「だろ?」
どこか浮き立つような岡崎の横顔を見て、吉野も嬉しそうに微笑む。
よかった。
——デートなんて言っちゃ、こいつがまたがっちり強張るからな。
さりげないようでいながら実は悩みに悩んだ、吉野なりの全力の計画である。
小さな遊歩道の頭上をアーチのように桜の枝が囲む、静かな並木道。
そこに据えられたベンチに、足を投げ出すように並んで座った。
頭上の街灯に照らされて穏やかにさざめく桜の若葉を見上げる。
その伸びやかな空気をそれぞれに味わい、適当にビールを開けた。
「あー、気持ちいいな」
「普段の肩こりが癒されるだろ」
「はは、ほんとだ」
岡崎は、ベンチの背に身体を預け、両腕をぐっと後ろへ伸ばして深く息を吸い込む。
「……葉桜も、こんなに綺麗なんだな……初めて気づいた」
「普段こうして木の葉を見上げたり全然してないんだよなー、俺たちって」
「それに外で飲むビールって、やっぱ美味い」
「じゃ、今日連れてきてよかった。
もっとぐったりしてるかと思ったけど……そうでもなくて安心した」
「そうか? 結構ぐったりしてるぞ」
そんな冗談めいたことを言いながら、軽く笑い合う。
爽やかな風が通り抜ける。
二人で缶ビールを呷り、少し会話に間が空いた。
……あまり酔わないうちに、話をしよう。
吉野は、今日岡崎に伝えるべき本題を切り出そうと、息を大きく吸い込んだ。
「————」
「……吉野」
岡崎に呼びかけようとした、その瞬間——
岡崎が、僅かに早く口を開いた。
「…………え?」
タイミングを奪われ、吉野は思わず岡崎を見る。
「————悪かった」
岡崎は、ぐっと思いつめたような表情になり、静かに呟く。
「…………悪かった、って——何が」
「……俺……
あの夜、お前が俺にした告白——
本当は、ちゃんと覚えてた」
「————」
「でも——
あの時は、気持ちがぐちゃぐちゃに混乱して……どうしたらいいのか、わからなかった。
——覚えてる、とお前に答えるのが……怖くて仕方なかった」
その言葉に、吉野はじっと岡崎を見据える。
勇気を奮い起こし、これまで押し込めていた思いを吐き出すように、岡崎は言葉を続けた。
「けど——
あの朝……あんまりお前があっさりあの告白を取り消そうとするから……
俺は、お前の気持ちがさっぱりわからなくなった。
お前の心を、疑った。
悪いのは、ちゃんと答えられなかった俺なのにな。
だから——
もう一度、確認したいんだ。
あの夜、お前が俺に言った言葉は——あの時一瞬だけの気持ちだったのか」
「……んなわけねーだろ。
俺もさ……
今日、お前にそれを言うつもりだった。
あの時は、お前が戻ってきてくれたのが嬉しくて——うっかりとんでもない告白になったことに、自分でも動揺して……急いで取り下げなくちゃと、そればかり思った。
でも——
お前に伝えたかったことをちゃんと伝えないまま……まあいいか、で済ませちゃ、やっぱりだめだったんだ。
どんなにドン引きな告白だとしても——
あの時の気持ちが一切なかったことになるなんて……俺は、やっぱり嫌だ」
迷いのない口調でそう言うと、吉野は改めて岡崎を真っ直ぐに見つめた。
「だから。
もう一度——お前にちゃんと、伝える。
俺は——
お前を、もう離したくない。
俺は。
たとえどこへ行っても、お前のいる場所へ帰って来たい。
お前のそばで、目覚めたい。
どんな繋がりよりも固く、お前と結ばれていたい。
——たとえ、何が起ころうとも。
これは、正真正銘の俺の本心だ。
——二度と、疑ったりしないでくれ」
その言葉と、吉野の真摯な眼差しに——岡崎はやっと解き放たれたような微笑みを見せた。
「……嬉しいよ。
今の言葉は、俺にとって、どんなものよりも大切なものだ。
一言だって、忘れない。絶対に。
だからお前も——俺にくれたその言葉を、間違っても勝手に取り消したりしないでくれ。
俺の答えは、決まってる。
……あんまり幸せな気がして、お前に頷くのが怖いくらいだ」
そう言うと、岡崎は穏やかな目で吉野を見つめた。
「……だけど。
そこに行き着くまで……もう少しゆっくり、進んでいかないか。
二人で。
俺たち……多分、大事なことはまだよく知らない。
少しずつ、もっとよく知って——
これまで触れられずにいた、お互いのことも。
お前の言葉に頷くのは、そうやって、ちゃんと恋人同士になってからにしたい。
——急ぎ過ぎた、なんて台詞、お互い絶対言いたくないだろ?」
思いが途切れないよう、はっきりとそう言い終えると——岡崎は、そこで初めて込み上げる照れをぐっと押し込めた複雑な顔をした。
「…………つまり、そういうことだ。
俺の言いたいことは、以上だ」
正に全力を振り絞ったようなその告白に、吉野はそれこそ度肝を抜かれたような顔でじっと岡崎を見つめる。
そして、困惑と喜びのごちゃ混ぜになったような、複雑な笑顔になった。
「……お前から、そういう言葉を聞けるって……
……まじか?
ほんと、夢じゃないだろうな」
「おい。夢とか大袈裟だろ」
岡崎は赤くなってぶっきらぼうに返す。
「大袈裟じゃない。全然。
——すごく嬉しいよ。
それに……俺も、慌てる気はないんだ。
勢いで、つい半端じゃなくフライングしたけどな」
そう言うと、吉野はあの時のお互いの狼狽ぶりを思い出したように、クスッと微笑む。
そして、岡崎をまっすぐ見つめ返した。
「いつか、俺の言葉が叶うなら——今は、そんな風に思ってる」
岡崎は、安心したようにふっと緊張を解き、小さく微笑んだ。
——そして、付け足すようにぼそりと続ける。
「ああ——それから」
「ん?」
「…………『晶』って、呼ばないのか」
「…………!!?」
「この前、そう呼んだろ」
「えっっ……
あっあれは、なんというかその勢いでつい……」
「お前が呼びたいなら、そう呼んだらどうだ」
何かつまらない話でもするように、岡崎はなんとなく横を向いて素っ気なく言い捨てる。
「…………
じゃ、お前も俺のこと名前で呼ぶか?
お前がそうするなら、俺も変える」
吉野は、湧き上がる気恥ずかしさをぐっと堪えつつ、じろっと横目で岡崎を睨んだ。
「……いいだろう」
岡崎は、改めて赤面しつつ俯き、ぼそりと呟いた。
「ところで。
ビール、相当ぬるくなってきたぞ」
「そうだな。焼き鳥も冷める」
そうして——
二人はようやくいつものように顔を見合わせ、小さく笑い合った。
仕事を終え、部屋に着いた岡崎のスマホの着信音が鳴った。
相手を確認し——
岡崎は一瞬緊張した目をしてから、通話ボタンを押す。
「——吉野?」
『岡崎。久しぶり』
「……ああ」
『……最近、仕事はどうだ? 少し忙しさも収まったか』
「……だいぶ落ち着いた」
『————
この前の電話は……ごめん。
なんだか感情的になって——ほんと酷いこと言った』
「……
それはお互いさまだ」
『——あのさ。
お前の都合がつけばだけど……
今度、花見しないか?
俺の部屋の近くに、小さい桜並木があるんだ』
吉野の言葉に、岡崎は微妙に首をかしげる。
「桜?……だって、もう時期じゃないだろ」
『花は過ぎたけどさ。気持ちいいんだ、葉桜が。
風が吹くと、葉がサラサラ音を立てて。疲れやらいろいろが、洗い流される気がする。
静かなベンチで酒盛りもできるぞ』
そんな誘いに、岡崎の気持ちもふっと和らいだ。
「…………いいな。
気持ち良さそうだ」
『じゃ決まり。今度の金曜、大丈夫か?』
「……ああ。わかった」
吉野との短い通話を終え、机にスマホを置くと、岡崎は窓を開けた。
住宅街の屋根の向こうに、街の夜景が小さくきらめく。
「——葉桜か」
小さく呟くと、気持ちを改めるように、ひんやりと心地よい空気を大きくひとつ吸い込んだ。
✳︎
4月最後の、金曜の夜。
二人は近くの駅で待ち合わせ、のんびりとした足取りで並木道へ向かった。
通りがかりのコンビニでビールと軽いつまみなどを適当に仕入れる。
「なんか、こういう適当なのも楽しいな」
「だろ?」
どこか浮き立つような岡崎の横顔を見て、吉野も嬉しそうに微笑む。
よかった。
——デートなんて言っちゃ、こいつがまたがっちり強張るからな。
さりげないようでいながら実は悩みに悩んだ、吉野なりの全力の計画である。
小さな遊歩道の頭上をアーチのように桜の枝が囲む、静かな並木道。
そこに据えられたベンチに、足を投げ出すように並んで座った。
頭上の街灯に照らされて穏やかにさざめく桜の若葉を見上げる。
その伸びやかな空気をそれぞれに味わい、適当にビールを開けた。
「あー、気持ちいいな」
「普段の肩こりが癒されるだろ」
「はは、ほんとだ」
岡崎は、ベンチの背に身体を預け、両腕をぐっと後ろへ伸ばして深く息を吸い込む。
「……葉桜も、こんなに綺麗なんだな……初めて気づいた」
「普段こうして木の葉を見上げたり全然してないんだよなー、俺たちって」
「それに外で飲むビールって、やっぱ美味い」
「じゃ、今日連れてきてよかった。
もっとぐったりしてるかと思ったけど……そうでもなくて安心した」
「そうか? 結構ぐったりしてるぞ」
そんな冗談めいたことを言いながら、軽く笑い合う。
爽やかな風が通り抜ける。
二人で缶ビールを呷り、少し会話に間が空いた。
……あまり酔わないうちに、話をしよう。
吉野は、今日岡崎に伝えるべき本題を切り出そうと、息を大きく吸い込んだ。
「————」
「……吉野」
岡崎に呼びかけようとした、その瞬間——
岡崎が、僅かに早く口を開いた。
「…………え?」
タイミングを奪われ、吉野は思わず岡崎を見る。
「————悪かった」
岡崎は、ぐっと思いつめたような表情になり、静かに呟く。
「…………悪かった、って——何が」
「……俺……
あの夜、お前が俺にした告白——
本当は、ちゃんと覚えてた」
「————」
「でも——
あの時は、気持ちがぐちゃぐちゃに混乱して……どうしたらいいのか、わからなかった。
——覚えてる、とお前に答えるのが……怖くて仕方なかった」
その言葉に、吉野はじっと岡崎を見据える。
勇気を奮い起こし、これまで押し込めていた思いを吐き出すように、岡崎は言葉を続けた。
「けど——
あの朝……あんまりお前があっさりあの告白を取り消そうとするから……
俺は、お前の気持ちがさっぱりわからなくなった。
お前の心を、疑った。
悪いのは、ちゃんと答えられなかった俺なのにな。
だから——
もう一度、確認したいんだ。
あの夜、お前が俺に言った言葉は——あの時一瞬だけの気持ちだったのか」
「……んなわけねーだろ。
俺もさ……
今日、お前にそれを言うつもりだった。
あの時は、お前が戻ってきてくれたのが嬉しくて——うっかりとんでもない告白になったことに、自分でも動揺して……急いで取り下げなくちゃと、そればかり思った。
でも——
お前に伝えたかったことをちゃんと伝えないまま……まあいいか、で済ませちゃ、やっぱりだめだったんだ。
どんなにドン引きな告白だとしても——
あの時の気持ちが一切なかったことになるなんて……俺は、やっぱり嫌だ」
迷いのない口調でそう言うと、吉野は改めて岡崎を真っ直ぐに見つめた。
「だから。
もう一度——お前にちゃんと、伝える。
俺は——
お前を、もう離したくない。
俺は。
たとえどこへ行っても、お前のいる場所へ帰って来たい。
お前のそばで、目覚めたい。
どんな繋がりよりも固く、お前と結ばれていたい。
——たとえ、何が起ころうとも。
これは、正真正銘の俺の本心だ。
——二度と、疑ったりしないでくれ」
その言葉と、吉野の真摯な眼差しに——岡崎はやっと解き放たれたような微笑みを見せた。
「……嬉しいよ。
今の言葉は、俺にとって、どんなものよりも大切なものだ。
一言だって、忘れない。絶対に。
だからお前も——俺にくれたその言葉を、間違っても勝手に取り消したりしないでくれ。
俺の答えは、決まってる。
……あんまり幸せな気がして、お前に頷くのが怖いくらいだ」
そう言うと、岡崎は穏やかな目で吉野を見つめた。
「……だけど。
そこに行き着くまで……もう少しゆっくり、進んでいかないか。
二人で。
俺たち……多分、大事なことはまだよく知らない。
少しずつ、もっとよく知って——
これまで触れられずにいた、お互いのことも。
お前の言葉に頷くのは、そうやって、ちゃんと恋人同士になってからにしたい。
——急ぎ過ぎた、なんて台詞、お互い絶対言いたくないだろ?」
思いが途切れないよう、はっきりとそう言い終えると——岡崎は、そこで初めて込み上げる照れをぐっと押し込めた複雑な顔をした。
「…………つまり、そういうことだ。
俺の言いたいことは、以上だ」
正に全力を振り絞ったようなその告白に、吉野はそれこそ度肝を抜かれたような顔でじっと岡崎を見つめる。
そして、困惑と喜びのごちゃ混ぜになったような、複雑な笑顔になった。
「……お前から、そういう言葉を聞けるって……
……まじか?
ほんと、夢じゃないだろうな」
「おい。夢とか大袈裟だろ」
岡崎は赤くなってぶっきらぼうに返す。
「大袈裟じゃない。全然。
——すごく嬉しいよ。
それに……俺も、慌てる気はないんだ。
勢いで、つい半端じゃなくフライングしたけどな」
そう言うと、吉野はあの時のお互いの狼狽ぶりを思い出したように、クスッと微笑む。
そして、岡崎をまっすぐ見つめ返した。
「いつか、俺の言葉が叶うなら——今は、そんな風に思ってる」
岡崎は、安心したようにふっと緊張を解き、小さく微笑んだ。
——そして、付け足すようにぼそりと続ける。
「ああ——それから」
「ん?」
「…………『晶』って、呼ばないのか」
「…………!!?」
「この前、そう呼んだろ」
「えっっ……
あっあれは、なんというかその勢いでつい……」
「お前が呼びたいなら、そう呼んだらどうだ」
何かつまらない話でもするように、岡崎はなんとなく横を向いて素っ気なく言い捨てる。
「…………
じゃ、お前も俺のこと名前で呼ぶか?
お前がそうするなら、俺も変える」
吉野は、湧き上がる気恥ずかしさをぐっと堪えつつ、じろっと横目で岡崎を睨んだ。
「……いいだろう」
岡崎は、改めて赤面しつつ俯き、ぼそりと呟いた。
「ところで。
ビール、相当ぬるくなってきたぞ」
「そうだな。焼き鳥も冷める」
そうして——
二人はようやくいつものように顔を見合わせ、小さく笑い合った。
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