1 / 2
一話
しおりを挟む
「あ、いたいた!こう!」
「おう!お疲れ様。はるか!」
駅の改札近くのオブジェの前でスマホをいじりながら改札をまっすぐ見つめる男性に明るく女性が話しかける。年は同年代ほどで、仲睦まじそうに見えた。この会話だけをみてしまえば、ただのカップルの駅の待ち合わせだと思うだろう。
"会話だけ"なら。
その女性は、ホームから50mもない、階段から上がってすぐの改札を出て来たはずだ。にも関わらず、200mでも走ってきたかのように息が上がっている。
男性は白い杖を持って立っていた。
「お前、走ったろーそれー。」
「走ってないもん!早歩きだよ早歩き!」
「えー?早歩きもダメですー」
「なんでよ~早く会いたかったの!」
「お前の身体の方が大事だろ?」
と白い杖を持った"こう"と呼ばれた男性は、"はるか"と呼ばれた女性に言う。
「んじゃ、行こっか!」
とはるかが、こうの手の甲を触ると、こうは、はるかの二の腕に捕まって、歩き出した。
周りの人を気にせずゆったりと。
なぜかこうは、左足を引きずっている。
が、少しはるかをこっちだと促すような速さだった。
対してはるかは、バタバタと走っていくスーツ姿のサラリーマンをよそにゆったりと歩く。
パッと見の印象では、どちらかというと活発そうな子なのだが…
そんな、二人の物語である。
「おう!お疲れ様。はるか!」
駅の改札近くのオブジェの前でスマホをいじりながら改札をまっすぐ見つめる男性に明るく女性が話しかける。年は同年代ほどで、仲睦まじそうに見えた。この会話だけをみてしまえば、ただのカップルの駅の待ち合わせだと思うだろう。
"会話だけ"なら。
その女性は、ホームから50mもない、階段から上がってすぐの改札を出て来たはずだ。にも関わらず、200mでも走ってきたかのように息が上がっている。
男性は白い杖を持って立っていた。
「お前、走ったろーそれー。」
「走ってないもん!早歩きだよ早歩き!」
「えー?早歩きもダメですー」
「なんでよ~早く会いたかったの!」
「お前の身体の方が大事だろ?」
と白い杖を持った"こう"と呼ばれた男性は、"はるか"と呼ばれた女性に言う。
「んじゃ、行こっか!」
とはるかが、こうの手の甲を触ると、こうは、はるかの二の腕に捕まって、歩き出した。
周りの人を気にせずゆったりと。
なぜかこうは、左足を引きずっている。
が、少しはるかをこっちだと促すような速さだった。
対してはるかは、バタバタと走っていくスーツ姿のサラリーマンをよそにゆったりと歩く。
パッと見の印象では、どちらかというと活発そうな子なのだが…
そんな、二人の物語である。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
創作の役に立つかも知れないし役に立たないかも知れないメモ的なようなものかも知れない物
神光寺かをり
エッセイ・ノンフィクション
何かの役に立つかも知れないし、役立たずかも知れないテキストデータです。
この記事は過去にTwitterアカウント(@syufutosousaku)のツイートや、個人ブログの記事を再編集したものです。
※随時更新するかも知れません。
※当方の間違い、スペルミス、取り違えなど御座いましたら、こっそりご指摘ください。
※この作品は、ノベルアップ+にも掲載しています。
【あの有名作品に隠されたBL要素】についての考察
蓬屋 月餅
エッセイ・ノンフィクション
BL…つまり『ボーイズラブ』。近年そうしたジャンルの小説や漫画などが世界的に多く生み出されているが、果たしてそれは現代に限ったものなのだろうか…?
過去の様々な作家が生み出してきた作品の中には実は人知れず男同士の恋愛模様について書かれているものがある、それは誰もが知る【名作】においても同じだ。
そこで『見目麗しい男に恋をする男』という描写は何も現代の作品に限ったものなどではないのだということをお伝えするべく、蓬屋は【あの名作】の作中にて描写されているBL要素についての考察を書き連ねることにした。
この考察を最後まで読んだなら…きっとその【名作】に対するあなたの見方は大きく変わるに違いない。
※こちらは奇数日に公開していく予定となっていますが、変更となる場合もございますので予めご了承ください。
【ショートショート】おやすみ
樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
◆こちらは声劇用台本になりますが普通に読んで頂いても癒される作品になっています。
声劇用だと1分半ほど、黙読だと1分ほどで読みきれる作品です。
⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠
・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します)
・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。
その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。
小説執筆におけるパンドラの箱
星馴染
エッセイ・ノンフィクション
小説執筆を趣味にしている私が、改めて小説とは何かについてまとめた文章。偉そうな事を言っても、できてなくても気にしない。
小説は自由な物だと思う。
チラシの裏でやってろ?
便所の壁でやってろ?
うん、この小説はチラシの裏。
表には特売セールで玉子が100円。
うん、ここは便所の壁。
誰かの悪口や卑猥な絵や文字が書いてある。
便所の卑猥な落書きはベンハラだと思うの。私はペンハラだがな!!!
そんな素敵なサムシング。
小説書きたいけど書き方がわからない!
何をしていいかわからない!
そんな人達へ三流素人なんちゃってウェブ作家の提供でお送りいたします。
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる