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やり直し初夜 2
しおりを挟む「そうか……」
「な、何がそうか、なの!?」
混乱して、胸元を押さえるしか出来ないティアーナをそっと抱き上げたライハルト。
そのまま、薔薇がちりばめられたベッドに、少々乱暴に下ろされる。
覆い被さるように、見下ろしてくるアイスブルーの瞳をティアーナは、もう知っている。
「ライハルト様……。私」
「――――ずっと、この腕の中に閉じ込めたいと思っていた。……これ以上、待てない」
未来視で与えられた快感。
現実と未来視がこんなにも混ざる瞬間をティアーナは、未だかつて知らない。
「ひゃ!」
「……その声、わけがわからなくなりそうなほど、可愛いな」
その指先が滑り降りて、到達する場所をティアーナは、知っている。
まるで、それを阻むように、待つようにすり寄せた太ももは、優しい力で広げられる。
いくらでも抵抗できそうで、ティアーナが逃げられるように、あえてそうしてくれているのだと分かるのに抵抗なんて出来ない。
「や…………。んぅっ」
ビクビクと揺れてしまって心許ない、その反応を楽しむように腰をさすっていた指先が、待ち望んでしまっていた部分へと下りていく。
クチュリと、未来視で聞いた少し粘ついた水音がした。
「俺はずっと君を……。――ティア」
「ライハルト様」
その名を呼ばずにはいられない。
求めるようにティアーナは、両腕を差し出す。
「ティア、君のことを誰よりも……」
その言葉の続きは、自分で告げたいとティアーナは、思った。
「私、ライハルト様が欲しい」
「逃がしてあげられない」
「……欲しいの、ライハルト様の全部」
抱きしめられた体から、心許ない布地がはぎ取られる。思いのほか乱暴で、それでいて触れる指先は怯えているように、すでに濡れたその部分を撫でる。
「ライハルト、さまぁ……」
「ティア……」
羞恥心に抗いながら、薄く目を開けたティアーナは、ライハルトのいつも冷静なはずのアイスブルーの瞳が、ゆらゆらと熱を込めて見下ろしているのを見た。
首筋に吸い付いた唇は、徐々に下に降りて、二つの頂きにそっと口づけを落とす。
その反応を見るように、探りながら触れる指先に、すでにティアーナは息も絶え絶えだった。
「もっ、やだぁ……」
「誘っておいて、今さらだろう?」
「ひっ、んんっ! そこ、だめぇ!!」
すでに、以前媚薬を飲まされたときに、知られてしまった弱い場所を責め立てられて、ティアーナはただか細い声を上げ、すぐに高みに登ってしまう。
「あっ、やっ、今……ひゃあんっ!」
「上手に達せたな」
「やっ、も、いった、からぁ!」
その指先は、やはりこわれ物を扱うようだ。
けれど、いつまでも降りてこられないように、ただ先ほどの場所をそっと刺激する。
グチュグチュと卑猥な音を聞きながら、何度達しても、その指は許してはくれなくて、ティアーナはただ翻弄されるしかない。
いつしか、秘所をかき混ぜる指は、三本に増えていた。
ようやくその指が抜かれ、ティアーナはぼんやりと、それでいてどこかもの欲しそうにライハルトを見つめる。
「その顔、誰にも見せてない?」
「何言って……」
「未来視でも?」
「んっ!」
こんなにも、嫉妬深い人間だったのかと戸惑いながら、ライハルトはティアーナに口づけ、同時に蜜口にそっと自身を押し当てる。
「ティア……」
二人の唇を繋ぐような銀の糸。
まるで、もう一度出会えたか細い奇跡のようだと、ライハルトは思う。
「ライハルト、様」
「今は、様なんて必要ない」
「……ライハルト」
「ティアの中に、入れて。もう離れたくない」
ティアーナが頷くのを待ちわびていたように、優しく絡められる二人の指先と、訪れる刹那の引き裂かれるような痛み。
こぼれた涙をそっとなめとって、ライハルトが笑う。
「もう、離さない。覚悟したほうがいい」
「嬉しい、ライハルト……」
長い時を経て、二人は一つになった。
しかし、これは夜の始まりだ。
そのことを、ティアーナは、まだ知らないのだった。
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ももんが38さん、感想ありがとうございます。
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