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家族とお友達
⑤
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白くて真っ白な空間に、血を流しすぎたミハルを泣きながら抱きしめている男がいる。
「ごめん、ごめんね。
僕が、僕達が人間の鉄に触らないせいで。」
自分の親友の地の眷属のユニラビットが罠に挟まって助けようとして人間に助けを求めるためにウサギの姿になって、出会えたのが女の子しかいなくて。
でもこの子供ならば魔物と不名誉な呼ばれている地の眷属を助けてくれそうな子供に見えたから。
助けてはくれた。その代わりにこの子どもが!
「モリア!まだこの嬢ちゃん死んでねえぞ!!
つうか上級精霊の名にかけて死なせるかよ!」
「カツチ・・助け・・たいよ!死なせたくないよ!!」
ミハルを抱きしめているモリアと呼ばれた儚げな青年とは違い、カツチと呼ばれた青年は肌の色が褐色で燃えるような赤毛を逆立たせている美丈夫。
「この嬢ちゃんの命の火は消えてねえ。
傷はもうお前が治した。
後は俺が嬢ちゃんの魂の火に俺の火を分け与えてやればいい。」
「うんカツチ、そっとね?優しくね?」
「分かってる!!・・いくぞ。」
普段のカツチは少し乱暴なところがあり、モリアはそこを心配したが、カツチの手つきは普段の姿からは想像出来ないほど繊細な動きをしている。
少女の胸の中央部に両手を優しく乗せ、消えかけている少女の魂の火に少しずつカツチの火を流し込む。
焦るなよ俺!
この嬢ちゃんは俺の眷属救ってくれた恩人だ!
そして死にかけていたのにうっすらと開いた瞳からモリアの泣き顔を見て、大丈夫だよと慰めの言葉を言った素晴らしい子供だ!
是が非でも死なせてたまるかよ!
ミハルの身体は未だ未発達であり、おそらく魔力に触れた事のない大切に育てられた子であろう事は身なりや態度すぐに分かった。
魔力をこの幼き身体が反撥をして暴走しないようカツチは焦る気持ちを抑え込む。
五千年も生きてきたが、こんなに優しい自分なぞきっと人生初だろう。
「ごめん、ごめんね。
僕が、僕達が人間の鉄に触らないせいで。」
自分の親友の地の眷属のユニラビットが罠に挟まって助けようとして人間に助けを求めるためにウサギの姿になって、出会えたのが女の子しかいなくて。
でもこの子供ならば魔物と不名誉な呼ばれている地の眷属を助けてくれそうな子供に見えたから。
助けてはくれた。その代わりにこの子どもが!
「モリア!まだこの嬢ちゃん死んでねえぞ!!
つうか上級精霊の名にかけて死なせるかよ!」
「カツチ・・助け・・たいよ!死なせたくないよ!!」
ミハルを抱きしめているモリアと呼ばれた儚げな青年とは違い、カツチと呼ばれた青年は肌の色が褐色で燃えるような赤毛を逆立たせている美丈夫。
「この嬢ちゃんの命の火は消えてねえ。
傷はもうお前が治した。
後は俺が嬢ちゃんの魂の火に俺の火を分け与えてやればいい。」
「うんカツチ、そっとね?優しくね?」
「分かってる!!・・いくぞ。」
普段のカツチは少し乱暴なところがあり、モリアはそこを心配したが、カツチの手つきは普段の姿からは想像出来ないほど繊細な動きをしている。
少女の胸の中央部に両手を優しく乗せ、消えかけている少女の魂の火に少しずつカツチの火を流し込む。
焦るなよ俺!
この嬢ちゃんは俺の眷属救ってくれた恩人だ!
そして死にかけていたのにうっすらと開いた瞳からモリアの泣き顔を見て、大丈夫だよと慰めの言葉を言った素晴らしい子供だ!
是が非でも死なせてたまるかよ!
ミハルの身体は未だ未発達であり、おそらく魔力に触れた事のない大切に育てられた子であろう事は身なりや態度すぐに分かった。
魔力をこの幼き身体が反撥をして暴走しないようカツチは焦る気持ちを抑え込む。
五千年も生きてきたが、こんなに優しい自分なぞきっと人生初だろう。
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