4 / 43
みんなに会いたい
やっと会えた!
しおりを挟む
「ママ、こっちこっち。急いで急いで!」
もかが空いている左手を引っ張って、門まで連れて行ってくれた。
門の前には、べそべそ泣いているたれ耳茶白毛のくりすと
涙を流しながら微笑んでいるたれ耳茶黒毛のめりーが待っていた。
「おかあさん、やっと来た。遅かった。くり待ちくたびれたぁ。」
大泣きするくりすの頭を撫でてやりながら
「お母さん、みんなで待ってたよ。めりもずーっと会いたかったよ。」
とめりーが歓迎してくれた。
しっかり者のめりー、泣き虫のくりす、元気なもか、甘えん坊のぱある。
みんな生前の性格そのままに、面影を残して犬獣人の女の子になっていた。
目の前にいる子達は、私と暮らしていた時とは姿形は違うけれど
あぁ、うちの子だ とすんなり納得できる。
やっと、やっと会えたんだ。大事な大事なこの子達に。
これから5人で暮らせるんだ。なんて私は幸福なんだろう。
ポロポロ流れる涙に、みんなが慌てだす。
「まま、どっか痛い?」
「ママ、おてて引っ張ったの痛かった?ごめんね。舐める?舐めたら治るよ!」
「おかあさん、お腹すいた?ペコペコで悲しくなっちゃった?」
「お母さん、疲れちゃった?お家に入ろ?ソファあるよ。」
どの子も私の事を心配してくれる。本当にいい子達だ。
「みんなありがとう、大丈夫だよ。みんなに会えてすごく嬉しくて
涙が出ちゃったの。涙は嬉しい時にも出るんだよ。
みんな待っていてくれてありがとう。特にめりさん、長い間待たせちゃったね。
下の子たちのお世話もしてくれてたんでしょ?本当にありがとう。」
「ママ、ありがとうばっかり言ってるぅ。あっちにいた時とおんなじ。」
もかがおどけて、みんなを笑顔にしてくれる。
「お母さん、毎日毎日お母さんのこと考えながら過ごしてたから
長かったけど、あっという間だったよ。もかが来てうるさくなって
くりが来てご飯作りが忙しくなって、ぱあるは『橋のたもとで待つ』って
わがまま言うから、毎日様子を見に行って。なんだかとっても忙しかったよ。」
「めり姉、くりはそんなに食いしん坊じゃないもん!
美味しいご飯が好きなだけだもん。」
ぷくっとほっぺを膨らませて、くりすがむくれている。
そんなくりすを見て、もかとぱあるはくすくす笑う。
「くり姉、食いしん坊だよねぇ。おやつ大好きじゃんねぇ?」
「そうそう、くりねぇはおやつないと泣いちゃうもんねぇ。」
こそこそ話しているつもりでも、しっかり聞こえていますよお二人さん!
「ひどい!泣かないもん。泣いてないもん。」
「くりはご飯作るの上手になったよね。めりより美味しく作るもんね。」
むくれるくりすを宥めるように、めりーが褒めて上げている。
そうか、こうやって仲良く待っていてくれたんだね。
本当にありがとう。
「さぁお母さん、家に入ろ。中にコタとぺルトがいるよ。」
もかが空いている左手を引っ張って、門まで連れて行ってくれた。
門の前には、べそべそ泣いているたれ耳茶白毛のくりすと
涙を流しながら微笑んでいるたれ耳茶黒毛のめりーが待っていた。
「おかあさん、やっと来た。遅かった。くり待ちくたびれたぁ。」
大泣きするくりすの頭を撫でてやりながら
「お母さん、みんなで待ってたよ。めりもずーっと会いたかったよ。」
とめりーが歓迎してくれた。
しっかり者のめりー、泣き虫のくりす、元気なもか、甘えん坊のぱある。
みんな生前の性格そのままに、面影を残して犬獣人の女の子になっていた。
目の前にいる子達は、私と暮らしていた時とは姿形は違うけれど
あぁ、うちの子だ とすんなり納得できる。
やっと、やっと会えたんだ。大事な大事なこの子達に。
これから5人で暮らせるんだ。なんて私は幸福なんだろう。
ポロポロ流れる涙に、みんなが慌てだす。
「まま、どっか痛い?」
「ママ、おてて引っ張ったの痛かった?ごめんね。舐める?舐めたら治るよ!」
「おかあさん、お腹すいた?ペコペコで悲しくなっちゃった?」
「お母さん、疲れちゃった?お家に入ろ?ソファあるよ。」
どの子も私の事を心配してくれる。本当にいい子達だ。
「みんなありがとう、大丈夫だよ。みんなに会えてすごく嬉しくて
涙が出ちゃったの。涙は嬉しい時にも出るんだよ。
みんな待っていてくれてありがとう。特にめりさん、長い間待たせちゃったね。
下の子たちのお世話もしてくれてたんでしょ?本当にありがとう。」
「ママ、ありがとうばっかり言ってるぅ。あっちにいた時とおんなじ。」
もかがおどけて、みんなを笑顔にしてくれる。
「お母さん、毎日毎日お母さんのこと考えながら過ごしてたから
長かったけど、あっという間だったよ。もかが来てうるさくなって
くりが来てご飯作りが忙しくなって、ぱあるは『橋のたもとで待つ』って
わがまま言うから、毎日様子を見に行って。なんだかとっても忙しかったよ。」
「めり姉、くりはそんなに食いしん坊じゃないもん!
美味しいご飯が好きなだけだもん。」
ぷくっとほっぺを膨らませて、くりすがむくれている。
そんなくりすを見て、もかとぱあるはくすくす笑う。
「くり姉、食いしん坊だよねぇ。おやつ大好きじゃんねぇ?」
「そうそう、くりねぇはおやつないと泣いちゃうもんねぇ。」
こそこそ話しているつもりでも、しっかり聞こえていますよお二人さん!
「ひどい!泣かないもん。泣いてないもん。」
「くりはご飯作るの上手になったよね。めりより美味しく作るもんね。」
むくれるくりすを宥めるように、めりーが褒めて上げている。
そうか、こうやって仲良く待っていてくれたんだね。
本当にありがとう。
「さぁお母さん、家に入ろ。中にコタとぺルトがいるよ。」
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
私はいけにえ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」
ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。
私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。
****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。
今日も黒熊日和 ~ 英雄たちの還る場所 ~
真朱マロ
ファンタジー
英雄とゆかいな仲間たちの毎日とアレコレ
別サイトにも公開中
広大な海と大陸で構成されたその世界には、名前がなかった。
名前のない世界で生きる黒熊隊にかかわる面々。
英雄ガラルドとゆかいな仲間たちの物語。
過去、別サイトで「英雄のしつけかた」の題で公開していました。
「英雄のしつけかた」←英雄ガラルドとミレーヌの物語。
東の国カナルディア王国に住む家政婦のミレーヌは、偶然、英雄と呼ばれる男に出会った。
「東の剣豪」「双剣の盾」という大きな呼び名も持ち、東流派の長も務める英雄ガラルド・グラン。
しかし、その日常も規格外で当たり前とかけ離れたものだった。
いくら英雄でも非常識は許せないわ!
そんな思いを胸にミレーヌは、今日もフライパンを握り締める。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
ドアマットヒロインはごめん被るので、元凶を蹴落とすことにした
月白ヤトヒコ
ファンタジー
お母様が亡くなった。
それから程なくして――――
お父様が屋敷に見知らぬ母子を連れて来た。
「はじめまして! あなたが、あたしのおねえちゃんになるの?」
にっこりとわたくしを見やるその瞳と髪は、お父様とそっくりな色をしている。
「わ~、おねえちゃんキレイなブローチしてるのね! いいなぁ」
そう、新しい妹? が、言った瞬間・・・
頭の中を、凄まじい情報が巡った。
これ、なんでも奪って行く異母妹と家族に虐げられるドアマット主人公の話じゃね?
ドアマットヒロイン……物語の主人公としての、奪われる人生の、最初の一手。
だから、わたしは・・・よし、とりあえず馬鹿なことを言い出したこのアホをぶん殴っておこう。
ドアマットヒロインはごめん被るので、これからビシバシ躾けてやるか。
ついでに、「政略に使うための駒として娘を必要とし、そのついでに母親を、娘の世話係としてただで扱き使える女として連れて来たものかと」
そう言って、ヒロインのクズ親父と異母妹の母親との間に亀裂を入れることにする。
フハハハハハハハ! これで、異母妹の母親とこの男が仲良くわたしを虐げることはないだろう。ドアマットフラグを一つ折ってやったわっ!
うん? ドアマットヒロインを拾って溺愛するヒーローはどうなったかって?
そんなの知らん。
設定はふわっと。
転生メイドは絆されない ~あの子は私が育てます!~
志波 連
ファンタジー
息子と一緒に事故に遭い、母子で異世界に転生してしまったさおり。
自分には前世の記憶があるのに、息子は全く覚えていなかった。
しかも、愛息子はヘブンズ王国の第二王子に転生しているのに、自分はその王子付きのメイドという格差。
身分差故に、自分の息子に敬語で話し、無理な要求にも笑顔で応える日々。
しかし、そのあまりの傍若無人さにお母ちゃんはブチ切れた!
第二王子に厳しい躾を始めた一介のメイドの噂は王家の人々の耳にも入る。
側近たちは不敬だと騒ぐが、国王と王妃、そして第一王子はその奮闘を見守る。
厳しくも愛情あふれるメイドの姿に、第一王子は恋をする。
後継者争いや、反王家貴族の暗躍などを乗り越え、元親子は国の在り方さえ変えていくのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる