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魔族襲来編
第二形態
しおりを挟む「わかったわ!でも…倒し方がわからないわ」
どうやらハナビがなにかを掴んだようだ。
「なにがわかって、倒し方がわからないとはどういうことだ?」
「この霧の対処法はわかったのよ、だけど実態に戻したとしても体を水にされたら攻撃が当たらないわ」
なるほど。俺にはもう倒すプランはあるがハナビはまだ掴めていないらしい。だからヒントを与えてやるとしよう。
「そうか?たしかにハナビ、お前一人じゃ無理だろうな。だけどお前には仲間がもう二人もいるじゃないか。」
「…っ!わかってるわよ!とりあえずやってみるだけやってみるわ!ベル!フェル!少しだけ時間を頂戴!」
「わかった!(ワン!)」
ハナビがなにが魔法の詠唱を始める。
あのハナビが時間をかけるという事はかなり大規模な魔法なのだろう。
次第にハナビの周囲が魔力で空間が歪んでいく。魔力が極限に集まっている証拠だ。
「小娘が…好きにさせると思うか!」
「僕たちもお前に好きにさせない!」
突如ハナビの後ろに現れたネブロにベルとフェルが攻撃を仕掛ける。だが、また水となって攻撃を回避されてしまう。
だが攻撃されそうになっているのにもかかわらずハナビは微妙だにしない。
「行くわよ!精霊の遊戯」
ハナビが技名とともに指をパチンと弾く。それと同時に周囲が半透明なドーム状の結界で覆われる。ネブロの霧が収まるほどの大きさだ。
「くそっ…!」
ドーム状の結界に覆われたネブロは急いで出るためにドームの最端へ行き破壊を試みる。
「無駄よ。この結界は私の最大防御【天使の守り】に次に硬いわ。」
これはハッタリだ。この結界が縮まっていきある一定の小ささになれば硬度はそれほどまで上がるが最初はそこまで硬くはない。だが、発動してから効力が強まる魔術であり、範囲もでかいため構築にかなりの時間がかかってしまったのだ。
「これは使いたくなかったが仕方ない。憑神」
ネブロの体が霧から原型に戻る。そして次の瞬間、ネブロの体が水となり弾け飛ぶ。
「さっきのやつと同じ技か。」
先程水となり飛び散った体がネブロの体を再構築させるように集まる。だがやはり以前の姿とは違い、禍々しい雰囲気を孕んでいる。
「グッ…やはりあいつのように完全同化は不可能か。」
パブロは自我を保っていなかったがどうやらこいつ自身が言うようにこいつは完全同化していないため大丈夫なのだろう。
「あいつとはあのパブロという魔族のことか?」
「如何にも。やつは昔から我のライバルであり、良き友でもあった。やつは威力のみを追求し、我は技術を追求し。求めるものは違かったがお互い切磋琢磨してきた。」
「そんなの知ったこっちゃないな。」
「そうだな。だが、我から大切なものを奪ったのだ。代わりに大切なものを貰わせてもらおう。」
「ハナビ、フェル、ベル。やれるか?」
「「勿論!(ワン!)」
いい返事だ。だが、こいつと戦うということは無傷では済まないだろう。最悪の結果になる前に戦闘に備えておこう。
「邪魔だ。爆壊水」
ネブロが魔法を発動させハナビが構築した精霊の遊戯を破壊する。それもかなり縮まった状態のをだ。
「うそ…あんなに簡単に。」
「逆に我をあれで閉じ込めれたと本気で思っていたのか?」
「くっ…」
あれほど力を入れて作った魔法をあんなに簡単に壊されてしまったらあの自信家のハナビでもかなりくるものがあるだろう。
「諦めないで!焔散弾!」
「小賢しい。」
ネブロが指をくいっと動かし、水の盾を作りベルの攻撃を防ぐ。
「ワン!!」
その隙にフェルが自慢のスピードを生かしネブロの後ろへと回り込み攻撃を仕掛ける。
「クソッ…!」
だがネブロがフェルの攻撃を間一髪で躱す。フェルは追撃するが、ネブロに吹き飛ばされてしまう。
「しっかりしてハナビ!三匹で力を合わせれば勝てる!」
「ワン!!」
「そうね…私が間違ってたわ!それと私を匹扱いするな!」
「ふんっまだ我に勝つ気でいるのか。人間よ。仲間が死ぬところをそこで黙って見ているのか?」
「何言ってる。死ぬのはてめぇだ。」
「そうよ!あなたの弱点、見破ったわ!!」
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