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魔族襲来編
二人目の四天王
しおりを挟む「見つけた。みんな、あそこへ向かうぞ。」
ベルの精霊纏が成功してから僅か数分後、俺は巨大な魔力の集まりを発見する。おそらく俺らが戦った魔族四天王の内の一人だろう。
もし、SSランク冒険者が四天王と会っていたのなら心配する必要はないが勇者パーティーだったらかなりまずい。
「付与!フェル!急げ!!」
「ワォォォォン!!」
------------------------------------
俺が駆けつけるとやはりそこは悲惨な状態になっていた。
以前あったであろう建物は倒壊し、何人もの冒険者が倒れている。
立っているのはこれをやった張本人と勇者パーティーだ。
嫌な予感というものはなんで当たるのだろうか…
「おい!お前たち、大丈夫か?」
「く…タイムさん…申し訳ない。」
どうやら勇者パーティーに重大な負傷者はいないようだ。だが、俺が来なかったらもう少しでこの魔族に殺されていただろう。
「お前も魔族四天王とやらか?」
俺のお前もという単語に引っかかったのか魔族の体がピクリとする。
「如何にも。我は魔族四天王、名はネブロ。」
空中に浮いた魔族四天王が腕を組み俺を見下す形で自己紹介をする。
俺はあるものを見せて自己紹介とする。
「ベル。おいで。」
「そいつは…パブロの使役していた精霊だな。」
やはりベルを見せただけで全てを察したようだ。
それにパブロとは違いなかなか話ができそうだ。
「そうか…やつは死んだのか…」
「あぁ、こちらもそちらもこれ以上の被害は出したくないはずだ。なぜこちらに攻撃を仕掛ける?」
「なにを言っている。先に仕掛けたのは人間だろうが!!」
やはりパブロと言っていたことと一致している…。
「どういうことだ。詳しく教えてくれ。」
「我に勝ったら教えてやろう。」
どうやらタダでは教えてくれないようだ。だが、力ずくで教えてもらう。
「そうか。ベル、フェル、ハナビ。お前たちだけでできるところまでやってみろ。」
「「「わかった(ワン)」」」
ベルの強化後の強さと三体の連携を見るためにこの戦いは一度任せてみよう。
先ほどのパブロの強さを見る限り、勝てるとは思っていない。
「我を愚弄するとは愚かな人間よ。」
「フェル!ベル!行くわよ!」
俺たちが戦闘態勢に入ると同時にネブロの雰囲気がガラッと変わる。やはりものすごい重圧だ。
「支援は任せなさい!強化魔法!!」
どうやら後方支援のハナビが司令塔となり戦闘に当たるようだ。
「フェルは素早く動いて相手を翻弄しながら攻撃、ベルは新しい力の感覚を掴みなさい!」
ハナビの司令塔としての役割がかなり様になっている。
「ワォォォォン!!」
フェルが高速でネブロに近づき爪で切り裂く。
「ふっ…効かんな。」
フェルはネブロの体を確かに引き裂いた。だがネブロ無傷でそこに立っている。
「無慈悲なる槍雨」
ネブロが片手を空に掲げ槍の雨を降らす。フェルは体に暴風を纏い攻撃を弾き返し、ハナビは小さな体で攻撃をスルスルと躱しながら攻撃を仕掛ける。
ベルはというと…
「燃えろーー!」
体表に灼熱の炎を表し攻撃を全て蒸発させている。
やはり精霊を纏ったことによる能力の向上は凄まじいようだ。
「ベル!感覚は掴めたわね!フェル!奴は攻撃を食らった箇所の状態を水に変えて攻撃を無効にしているわ!」
どうやらさっきのハナビの攻撃は先ほどのカラクリを暴くための攻撃だったようだ。
「気づいたところで何もできん、無形の霧」
ネブロが、何か魔法を使うと辺り一面霧に覆われネブロの体が霧と同化し消え去る。
「みんな!気を抜かないで!」
「そうそう、気をぬくのは厳禁だ。」
「な…!」
突如ハナビの後ろにネブロが現れる。
咄嗟に攻撃を仕掛け、距離を置くがこのままではジリ貧だ。
「ワォォン…」
「ハナビお姉ちゃん…いくら炎を扱えても場所が分からなきゃ当たらないよ…」
「くそ…どうしたらいいの…」
どうやらみんな困惑してしまっている。それもそうだ、今までは実体のある敵と戦ってきたがここまで厄介なスキルを使う奴はいなかったからだ。
「ハナビ。手を貸そうか?」
「ダメよ!まだできるわ。どうしたら…どうしたら…」
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