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冒険者トーナメント編
冒険者大会中止
しおりを挟む冒険者トーナメントは特になんの問題もなく順調に進み残る試合も後わずかとなった。
俺はもちろん、勇者パーティーの【勇者】【剣王】【魔導王】もまだ残っている。
そして次の俺の相手は【勇者】だ。
【勇者】の試合を見て来たが他の仲間と違いこれといった特徴がない。
だが他の誰よりもスキルの使い方がうまく戦闘の運び方がものすごくうまい。
バランスの良いステータスで臨機応変に戦いを自分の流れに持っていくスタイルだ。もしかしたらなにか奥の手があるのかもしれないがそれはそれで楽しみだ。
俺は昨日と同じように試合に出るために会場へ向かう。
だが、なにか騒がしい。いつもの馬鹿騒ぎではなく慌しい騒がしさだ。
「すまない。騒がしいが何かあったのか?」
「お、おぉあんたは噂の!あ、そんなことよりついに魔族がこちらに攻めてくるそうだ。隣街の[セクバウド]で空間に亀裂が入ったらしい。」
ついにか…
空間に亀裂が入ったことがわかったのなら魔族が攻めて来ようとして来ている証拠だ。冒険者トーナメントなんてしている場合ではない。
「そうか。助かった」
俺は冒険者に別れを告げギルドマスターのところへ急ぐ。
冒険者をまとめるために作戦を立てなくては行けないからだ。
「ミカ!ギルドマスターはいるか?」
「あ、タイムさん!マスターにタイムさんが来たら連れてくるように言われてます!どうぞこちらへ!」
俺はミカの後を続きいつもの部屋へ通される。
そこにはギルドマスターと守護者アラン、勇者パーティーと強そうな冒険者が集まっている。
雰囲気からしてSランクではないだろう。
「君が次のSSランクになるであろうタイム君か!僕はSSランクのアトロ。そして隣のこいつが…」
「エデンだ。パーティ【理想郷】のリーダーをしている。パーティーメンバーは街で準備をしているからまた後で紹介する。」
やはりSSランク冒険者か。だが最初のSSランク冒険者の3人のうち2人も会議に参加しているとはとても頼もしい。
今回会議に参加していない残りの一人は確か巨大クランのリーダーで名前はディア。
アトロはソロで行動し、エデンはパーティーで行動しているらしい。
SSランク冒険者をこんなに近くで見てこそわかることだがこいつらSSランク冒険者はきっと…
「きっと気づいてるよね、僕たちは君と同じ[超越者]だよ。」
やはり俺と同じ超越者だったか。
きっと実力は俺と同等又はそれ以上かもしれない。だから下手に鑑定はしない方がいいだろう。
「そうか。俺と同じ超越者はSSランク冒険者を除き他に何人いるんだ?」
「君を含め2人だ。だがもう一人はあまり良い噂は聞かない。それに最近どこにいるか行方不明だ。」
そうか。また一つ不安要素が増えてしまったがとりあえずは魔族対抗の作戦会議だ。
「その話も重要かもしれないがギルドマスターとして冒険者の斡旋をするのが仕事だ。それにこんなに大きな問題早めに対処したい。会議を初めていいな?」
それもそうだ。SSランクのやつがどんなやつかなどよりも重要な問題を先に対処しなくてはいけない。
「あぁすまなかった。」
「もちろんのことだが冒険者トーナメントは中止だ。早急に冒険者たちに役割を与え魔族との戦いの準備をしてもらう。」
「それもそうだね。とりあえず今回の作戦のリーダーを決めよう。僕はエデンを推薦するね。」
SSランクのアトロが同じSSランクのエデンを推薦する。
「俺もいいと思うぞ。」
一つのパーティーのリーダーをやっているということもあり任せても良さそうだ。
ちなみに勇者パーティーのみんなはSSランク冒険者の圧力やこういう場面に慣れていないのか誰一人として口を開けていない。
「わかった。俺が今回の作戦のリーダーをさせてもらう。今回は誰も経験したことのない魔族との戦闘だ。下位ランクの冒険者にはあまり無理をさせない方向で俺たち高ランク冒険者が主に魔族の戦闘に当たる作戦でいく。」
妥当な作戦だろう。
魔族の力量がわからないため力のないものに無理はさせられない。
「了解した。今すぐ緊急依頼書を作成し提示する。作戦内容はBランク以上の者が前線、Sランク以上が最前線ということでいいか?」
「あぁ、それと下位ランク冒険者は街の人の避難や雑魚敵の処理の依頼を頼む。」
「了解した。集合は明日の早朝の鐘がなる頃とする!では解散!」
一通り作戦会議が終わり俺も宿に帰り準備をすることにする。
すこし試したいことがあるからだ。
魔族との戦闘…楽しみで仕方がない。
三部完!
次回から魔族襲来編です
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