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冒険者トーナメント編
圧勝
しおりを挟むフェルの試合が終わりフェルはすでに俺の横へ戻ってきて一緒に観戦している。
ベルの方の戦闘はフェルの戦闘の間に大体の決着はついていると思ったがそんなことはなく、戦闘は拮抗しているようだ。
その理由としては鍛治王の作った装備のみで作られた鎧人形だからだ。
「プルァ…!」
ベルもなかなか攻撃が通らず少しイライラしているようだ。
ベルが本気を出せば速攻で試合は終わるがそんなことをするとこの会場がどうなるかわからないのと勇者たちの強さが冒険者や観客に伝わらず信用問題になるため手加減するように俺から伝えてある。
「マスター!こっちはもう終わらせちゃっていい?」
「あぁ。」
「おっけい!氷槍!」
ハナビが氷の槍を構築しカエデに撃ち込む。
普通の氷槍なら大した威力ではないが、ハナビは魔力操作がうまく、ステータスも凄いことになっているのでものすごく高威力の氷槍となっている。
カエデはそれを打ち返そうとするが正確に当てたとしてもハナビの魔法の方が威力が高く全て打ち負けてしまう。
氷槍はカエデの羽にいくつもの穴を開け、カエデを壁に貼り付けにする。
「よし。あたしもベルの観戦するわよ。」
やはりあんなにめんどくさいが、本当に頼もしいやつだ。
-------------------------------------
一方ベルは思うように攻撃が当たらずに威力の高い攻撃をしようとする。
ダンジョンのボスから取った威力の高いスキルをだ。
「ベル!」
たが俺はそれを静止する。
なぜかというと今回は多数のスキルを持つベルの練習に最適の相手だ。
今回で沢山の経験値を積んでもらうため、水龍アクボの持つ強力なスキルなどを最初に使ってしまうとなんの意味もないのだ。
しかし対するグランバルもベルに攻撃が当てれずに苦労しているようだ。
斬りつけても斬りつけてもベルがうまくその部分だけ動かして当たらないようにしたり、幻術のベルを斬りつけたりしているので全く攻撃が当たらない。
「ベル!ヒントは鎧人形もスライムのようなものだ!」
そう。鎧人形はスライムのような魔物が鎧に張り付き、鎧を動かしているのだ。
だが、隙間のない鎧の中身をどうやって攻撃するかが問題だ。
「…プルァ!!!」
ベルが俺のヒントで何か思いついたらしい。
ベルが縮地でグランバルに張り付きスキル【超音波】を使用する。
グランバルが動かなくなり、前向きに倒れる。
「よし、ベル、正解だ。」
「プルァ!」
どんなに物理攻撃、魔法攻撃の耐性が高く性能の良い防具でも必ず隙間はある。
そのごく僅かな隙間からの【超音波】攻撃により、鎧人形の中の魔物がダメージを負ったのだ。
「終わりだな。」
「しょ、勝者!Sランク冒険者タイム!!」
うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
会場が一気に盛り上がる。
終わり方はなんともしょぼかったが勝ちは勝ちだ。
所々で勇者の嬢ちゃんよくやった!など健闘を与える声が聞こえてくる。
それと同時に俺のことを何者だと言うものもいる。
それも当たり前だ。Sランク冒険者ゴビと勇者パーティーの一人を圧倒し勝利したのだ。
俺たちは次の試合に備え宿に踵を返した。
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