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冒険者トーナメント編
拳王ナル VS Bランク冒険者
しおりを挟む「さて、残りの試合数も半分を切りました!どんどん行きましょう!次の試合は Bランク冒険者のアランと勇者パーティーのナルの試合です!」
司会が両者の名前を告げると会場がすこし騒つく。勇者パーティーのナルが冒険者では珍しい剣などを使わずナックルで戦うからだろうか。
対してアランというやつの武器は大盾だ。おそらくチームのタンクの役割をしているのだろう。
「ガハハ、勇者と試合できるなんて光栄だな!よろしく頼むぜ!」
「こちらこそよろしく頼むな!おっさん!」
アランというやつは冒険者としては珍しくいいやつだ。
それに今までのBランク冒険者と違って佇まいが強者の雰囲気だ。
「それでは Bランク冒険者アランと勇者パーティーのナルの試合を開始します!開始!!!!」
ウォォォォォォ!!!
試合が始まるとすぐにナルが高速でアランに近づき殴りかかる。
「おっと!!」
アランはナルの動きに反応し、大盾で防御する。
普通のBランク冒険者では反応できないはずの速さだが反応できているあたりアランの実力は Bランク以上は確定だ。
「おらぁぁぁ!!!」
ナルの乱打を物ともせずに全て盾で捌いていく。
未だに一度もナルの攻撃は届いていない。
「ふんっ!!」
アランが盾でナルを突き飛ばし両者の距離が開かれる。
「おっさんやるな!」
「がははは!楽しいな!」
試合中にこんな会話ができているということはどちらもまだ本気ではないのだろう。
だが本気ではないが両者かなりの実力があるというのは観客は全員わかるに違いない。
俺は両者のステータスを確認する。
「なっ…!!」
[山岸 鳴]
LV.99
[職業]
・拳王
・鬼人
HP S
MP B
攻撃力
・物理攻撃力 SS
・魔法攻撃力 C
防御力
・物理防御力 S
・魔法防御力 S
素早さ SS
[スキル]
・気配察知
・魔力操作
・身体強化
・格闘術
・高速思考
[職業スキル]
・拳王
・全流派
・鬼化
[加護]
・豊穣神の加護
・武神の加護
これが勇者パーティーの拳王ナルのステータスか。
完全にスピードを生かし叩く戦闘タイプだ。俺の仲間のフェルと同じような戦い方だ。
だが、俺が驚いたのはナルのステータスではなくアランのステータスだ。
[アラン]
LV.72
[職業]
・守護者
・槍使い
HP S
MP C
攻撃力
・物理攻撃力 A
・魔法攻撃力 C
防御力
・物理防御力 SS
・魔法防御力 SS
素早さ C
[スキル]
・気配察知
・魔力操作
・盾術
・槍術
・身体強化
・威圧
・挑発
[職業スキル]
・全反射
・解放
・神盾召喚
・超硬化
・魔槍生成
[加護]
「なぜこれでBランクなんだ…?」
これほどの実力がありながらBランクというのはおかしい。
戦闘センスもステータスも申し分ない強さだ。
それに特殊職業[守護者]を持っている。
「おっさんほんとに Bランク冒険者かよ!」
「ガッハッハ!のんびり冒険者やってたからなぁ!ガッハッハ!!」
「本当かよ!いつから冒険者やってんだよ!」
「覚えてねぇなぁ!1回冒険者資格剥奪されちまったからなぁ!ガッハッハ!」
まじか…冒険者資格剥奪って何したんだ?なにか問題を起こしたのだろうか。だが、目が笑っていないことから何かしら思い出したくない過去があるのだろう。
「おっさん悪いことしたのか?」
「そうだな…絶対にしちゃぁいけねぇことをしちまったな」
「なにをしたんだ?」
「人を殺めた。」
「そうか、なら遠慮はいらねぇな」
突如ナルの雰囲気がガラッと変わり、一気に会場が殺気に包まれる。
アランは人を殺したと言ったがやはりどこか悲しげな表情だった。
それに殺人を犯した上、一度冒険者資格剥奪されたのにもう一度冒険者になれるなんてなにか理由があるのだろう。
俺は隣にいた冒険者になにがあったのか話を聞く。
「すまない。あのアランという冒険者について話を教えてくれないか?」
「あぁ、あまり気分のいい話じゃないぜ。」
「わかってる。教えてくれ。」
「わかった。あの人はな…奥さんを冒険者に強姦殺人されたんだ。」
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