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新人冒険者編
ギルドマスター権限
しおりを挟む俺は[怪力の穴熊]たちとの試合を終え、クエストを受けるためにギルドへ向かい、ミカに話しかける。
「すまない。なにかクエストを受けたいんだが、オススメのものはあるか?」
「試合が終わってすぐなのに頑張り屋さんですね!えっとタイムさんはFランクですので街の雑用、薬草の収集がオススメとなっています!というかFランクはそれしかできないんですけどね…」
どうやらFランクは大した仕事ができないようだ。
だがこれも街の住民との友好関係を維持するためにも重要なクエストなのだろう。
それとランクを早くあげたいから受けるしかないのだが。
「そうか。じゃあ薬草採取のクエストを頼む。それで、今薬草を持っているのだがそれでもいいのか?」
「は、はい!そういえばタイムさんは【アイテムボックス】持ちでしたね。では確認いたしますので出していただけますか?」
俺はアイテムボックスから薬草を出し、ミカに渡す。
アイテムボックスは品質が入れた当初と変わらないのでとても便利だ。
「少々お待ちください!えっと…合計で25本ですね!こちらが報酬になります。それと、フォレストウルフの件と今回の薬草のクエスト完了によりタイムさんはEランクとなります。」
おお、どうしようか悩んでいたがこれで魔物討伐も受けれるようになったぞ。
どうやら以前のフォレストウルフを倒した件も入れてくれたようでありがたい。
「それと、ギルドマスターに今度タイムさんが来たら連れてくるように言われたんですが平気でしょうか……」
ギルドマスターが俺に何の用だ?
とりあえず行ってみるか。
「そうか、わかった。会いに行こう。」
「あ、ありがとうございます!」
俺はミカに案内されギルドマスターのいる部屋に向かう。
コンコン
「ギルドマスター、タイムさんを連れて来ました!」
「入れ。」
ガチャ…
「俺に何か用か?」
俺はドアを開け、単刀直入に聞いた。
「まぁそう焦るな。さっきの試合どうやら勝ったようだな」
どうやらギルドマスターは観に来なかったらしい。
なのにやたらと情報が早い…
「あぁ、ギリギリな」
「ふっ、なに言ってんだか。Aランクのゴビを圧倒したらしいじゃないか。それに【召喚】を使えるらしいな。」
やはり観客も驚いていたが召喚のことだったか
「あぁ、それがどうかしたか?」
十中八九勇者関係のことだろうな。
「それは昔の勇者だけが使っていた魔法なんだ。所謂、[失われた魔法]というものだ。どうやってそれを学んだ?」
さてどうするか。自分が異世界転生者だなんて口が裂けても言えない。なにされるかわからんしな。
「そうだな。拒否させてもらおう。」
「そうか。自分の不利益になることだもんな。賢い選択だ。だがギルドマスター権限により答えてもらおう。」
ん?なんだそれは?
「ミカ、すまないがギルドマスター権限のことを教えてくれないか?」
「は、はい!ギルドマスター権限とはSランク冒険者未満にのみ適用できる権力です。ちなみにこれに逆らうと、ギルドカードの剥奪及び国のお尋ね者となってしまいます。」
そんな馬鹿げた制度があるとは…
これでおかしなほど強い奴が不満を持ち暴れ出したら大変ではないか…
「そんなに簡単にギルドマスター権限とやらは使えるものなのか?」
「い、いえ、今回は[失われた魔法]及び[勇者]についてのことですので…」
なるほど。それほど[失われた魔法]と[勇者]はこの世界にとって重要なことらしい。
「そうか。ギルドマスター権限とやらはいつまでに従えばいいなどというのは決まっているか?」
「は、はい!原則100日以内と決まっております!」
おぉ、かなり日数があるな、てっきり直ぐに答えなくてはと思っていたがこれなら平気そうだな。
「はぁミカ。全くお前は素直すぎるぞ…今回は[失われた魔法]と[勇者]が絡んでいるだぞ、そこのところをわかって行動してくれ…」
「す、すみません、すみません、すみません!!!」
俺にとっては好都合だがなんだか少し申し訳ないな…
「じゃあ俺が100日以内にSランク以上になればいいって話だな。」
「そうなるな。こちらとしてはそんなこと無しに教えてもらえれば助かるのだが…」
「こちらもただ意地悪がしたくてそうしているわけではない。時期が来たら話そうと思っている。」
「そうか。だが時期が来る前に100日経ったら教えてもらおう。」
「あぁ、ギルドマスター権限を放棄して、ギルドカードを剥奪されたとしても国から追いかけられるからなんとしてもSランクになってみせるさ。」
俺はそう告げ、ギルドを後にした。
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