神速の冒険者〜ステータス素早さ全振りで無双する〜

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対人戦

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他プレイヤーからPVPを申し込まれました。承認しますか?

ルール
・HPが0になるまで、または、どちらかが棄権するまで

・お互いの全財産(装備、お金など)を賭けての試合



初心者狩りの冒険者が俺に向けてPVPを申し込んでくる。もちろんYESだ。


PVPが承認されました。
他プレイヤーへの被害防止のためフィールドを展開。
1…2…3…完了。


PVP専用の半透明のドーム型のフィールドが展開される。
ドームの外では多くの冒険者が周りを囲みはやし立てている。幾人かはどちらが勝つか賭け事もしている。

「よっしゃ!またアホが掛かったぜ!」

なんだか色々言っているが俺は落ち着いて闘うだけだ。人間相手は慣れていないため動きが予想できない、全力でかからせてもらう。


両者スタンバイ…

3…2…1…PVP開始!


「くらえ!」

PVP開始の合図がされると対戦相手は背中の剣を抜き、当たるわけもない距離から俺に向かって剣を縦に振る。
しかし剣からは斬撃なようなものが俺に向かって真っ直ぐに飛んでくる。

「えっ!」

俺は予想していなかった攻撃に完全に反応することができず左肩に斬撃を食らってしまう。

「くそ…」

攻撃を食らった肩を見ると斬られた箇所が赤いエフィクトで表示されている。
幸いゲームの中のため本当に斬られたような痛みはないがそれでも現実感リアリティを出すために多少の痛みは感じる。自分のHPゲージを確認するとすでに5分の1ほど削られてしまっている。これもHPや防御力にGMポイントを振らなかったためだろう。

「くははは!ちょろいなぁ!そのまま大人しくくたばっとけ!」

相手は俺が攻撃を喰らい、膝をついているところにとどめの斬撃を飛ばす。斬撃は一直線に俺に向かってくる。きっとこの戦法でずっと勝利してきたのだろう。しかし先程は不意打ちで食らってしまったがよく見れば余裕で躱せる速度だ。落ち着いてそれを避ける。

「おっ!逃げろ逃げろ!あははは!」

相手は俺に向かい次々に斬撃を飛ばす。しかし俺は飛び、しゃがみ、それを1つも掠ることさえせずに避ける。

「に、逃げ足だけは早いようだな!」

流石に相手も一撃も当たらないことに顔をしかめる。だがまだ余裕の表情だ。好き勝手やらせないためこちらからも仕掛けることにする。

「[集中]。」

俺は集中のスキルを使い相手に向かい走り始める。自分の周りがスローモーションに見えるようになり相手の視線、筋肉の動き、全てが手に取るようにわかる。これで一気に試合を決めさせてもらう。

「うわぁ!くるな!」

予想通り相手は俺の行動に焦り剣を適当に振り斬撃を飛ばす。こちらから斬撃に向かっていくため相対速度は早くなるが[集中]を使用しているため全て認識し、避けることができる。
だがあれほどまでに強がっていたくせにこちらから仕掛けると一気に弱気になるとは本当に情けない。
俺はそんなことを考えながら最後の斬撃を躱し相手に肉薄する。

「ひ…ひぃぃい!」

相手は恐怖に陥り手を前に出し顔を隠し目を閉じる。だが俺は容赦なくそのまま背中に背負っている剣を手に取り振りかざす。これで終いだ。







パキンッ…




「ひっ…あれ…」

「あ…」


俺の振った剣は確かに相手の体へと一直線へ向かって行ったはずだ。しかし俺の剣は半分となり空中を舞っている。


…どうやらずっと使い続けていて老化していたのと、相手の装備が硬かったらしく剣が折れてしまったようだ。


「は…ははは。お手柔らかに…」

「くっ…くはははは!全く驚かせやがって。だが剣が折れちまったらもう終わりだなぁ!!」

完全に俺が不利な状況になった途端にまたコロッと態度を変えて攻撃を仕掛けてくる。だが落ち着きしっかりと攻撃を避ける。一度距離を取り対策を練ることにしよう。

「下がったって無駄だぜぇ?」

俺が距離を取ると先ほどと同じように斬撃を飛ばし遠距離攻撃を仕掛けてくる。
このままではジリ貧でしかない。自分の使える手を一つ一つ考える。

「ほらほら!いつまで逃げれるかなぁ?」

次々と斬撃が飛んでくると厄介なため俺はとりあえず投げナイフを投げ牽制する。

「ひっ!」

俺の素早さによって加速された投げナイフは綺麗に冒険者の胸元へ飛んでいく。
しかし、先ほどの剣と同じように弾かれてしまう。俺の素早さによってあげられた攻撃力と向こうの防御力では向こうのほうが上のようだ。

「む、無駄無駄!」

もう少し素早さが高ければ結果は変わるかもしれないが…

「そうだ!」

俺は咄嗟に[火魔法LV.3]の欄を開く。
使えそうな魔法がないか即座に探し魔法を使用する。

[火魔法LV.3]
火弾ファイアボールLV.3
火矢ファイアアローLV.2
・火纏
陽炎カゲロウ
身体燃焼ヒートアップ


今速攻で説明を読んだだけでどれほどの能力向上が得られるかわからないが使ってみるしかないだろう。


「これだ。身体燃焼ヒートアップ!」


身体燃焼ヒートアップ

体内の温度を急激に上げ、血流を加速させる技だ。持続的HP減少の弱体化デバフがかかるが爆発的な身体能力向上が得られる。


技を使用すると身体の中が熱くなり、ドクドクと血流が身体の中を高速で回るのがわかる。
体からは蒸気が発せられまるで某海賊漫画の主人公のようだ。

「な…何やっても無駄さ!お、大人しく負けろ!」

初めて見る俺の技に動揺したのか今までと同じように斬撃を大量に繰り出す。
しかし俺は今までとは違い斬撃が当たる寸前に動き最小限の動きで攻撃をかわす。これも身体燃焼ヒートアップによって身体能力が爆発的に向上したことによりなせる技だ。
それにしてもMP消費などがなく、こんなにも魔法のような遠距離の斬撃攻撃を出せるなんてずるくないか?

「な!なんだよそれ!」

全ての斬撃を躱し超高速で相手に接近する。体は副作用により痛みが出てきてしまっている。だがそんなことを気にせずに思いっきり殴りつける。

「そんな攻撃…ぐはぁっ!」

俺の爆発的に上昇された身体能力による攻撃は相手の防御力を優に上回り相手を吹き飛ばす。
空中で回転している敵をロックオンし、脚に力をこめダッシュで近づきそのまま膝蹴りを食らわす。

そのまま空中で回転蹴りを腹に食らわせ、地面に叩きつける。

「く…くそがぁぁぁ!」

地面に叩きつけられた敵は倒れた体を頑張って起こそうとしながら俺を睨みつける。しかし次第に体が淡く光だし光となって消えてしまう。


!!!VICTORY!!!


対戦相手のHPが無くなりました。
PVPを終了します。

報酬を獲得しました。
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