上 下
12 / 66

疑問の正体

しおりを挟む

「そういえばGKMがリリースされてもう6時間は経つのになんで森には人が少ないんだ?」

俺が森へ向かっている時もそうだが何故かプレイヤー数がかなり少ない。
俺みたいに街周辺でレベルアップを目指している人はちらほらいたがそこからさらに外へと行くとほとんどプレイヤーは見当たらない。

「街に戻ったら聞いてみるか。」

俺はとりあえず倒したゴブリンとホブゴブリンの首飾りや中継地キャンプにあった剣や短剣などの武器、布の装備などの戦利品を売るために街へ向かう。

「なんで…」

街へ戻るといつものように人が賑わっているが明らかに俺が街を出た時と変わっていることがある。それは街の外で戦っていないにも関わらず、プレイヤーの装備が充実していることだ。中にはちらほらと銅の冒険者プレートをぶら下げている人もいる。

「とりあえずギルドだ。そこで聞こう。」

俺は急いで冒険者ギルドへと向かう。当初の目的はクエスト報告と換金がメインだったが今一番気になるのはほかのプレイヤーについてだ。とりあえず報告と換金を終わらせて情報を得るしかない。

「クエスト報告と換金に来ました!」

「はい。【ゴブリン5体の討伐】ですね。あれ、ホブゴブリンも討伐なさったんですね!」

「はい!中継地キャンプを見つけてそこに一体いたのを討伐しました!」

「え…中継地キャンプがあったんですか!?」

「はい、それがどうしたんですか?」

「いや、こちらの話です。それよりも【ホブゴブリン1体の討伐】および【ゴブリンの中継地キャンプの破壊】のクエストお疲れ様です。」

ん?なんか受けてもないクエストが終わっているがどういうことだ?

「あの…【ゴブリンの中継地キャンプの破壊】のクエストってなんて受けてないんですけど…。」

「はい!こちらは常時クエストとなっておりますので受注する必要はありません。見つけ次第壊してもらい後々の報告が可能なクエストとなっています。」

なるほどゴブリンは繁殖力が高いから早めに潰しておくということか。
だがさっきの間が気になる。なにか怪しい気配がしたが…

「こちらがクエスト報酬の1500ゴールドになります。ライトさんは後はダンジョン5階層クリアしたら冒険者ランク[白]から[黒]への試験の参加条件が満たされます。」

「えっとすみません…ダンジョンってなんですか?」

「ダンジョンとは魔物が絶え間なく出現する魔物の住処です。一定階層ごとにボス部屋が設けられていて、そのボスを倒すと報酬が貰えるのでそれを目当てに入っている冒険者がほとんどですね。」

まじか…ということは森まで行く必要などなかったということか?
だから街にいる冒険者は外へ行っていないのにあんなに装備が充実しているのか!

「ダンジョンってどこにあるんですか?」

「この街からの入り口は中心にある噴水がダンジョンの入り口となっています。ダンジョンは全世界から入場可能となっておりますので違う街へ行ってもぜひご利用くださいね!」

まさか俺が外で一生懸命レベル上げしている間みんなはモンスターが永遠と湧く最高のレベル上げスポットでレベル上げをしていたのか。

「ダンジョンに潜ってればもっと強くなってたのか…」

「いえいえ!そんなことはありませんよ。ダンジョン内では倒した魔物はダンジョンへ吸収され素材回収はドロップのみになりますが、ダンジョン外、つまり草原や森などに生息する魔物は倒したとしても消えることがないので素材還元が100%となっているので装備製作やアイテム採取にはとても向いていますよ!」

なるほど、一見普通のフィールドには良いところがないように思えるが実際はそんなことはないのか。とりあえずダンジョンを5階層クリアするまで降りてからどっちをメインにするか考えよう。

「ありがとうございます!それとアイテムの売却もお願いします!」

「了解しました。えっと…合計で2300ゴールドとなります!」

なんと一回のクエスト報告とアイテム換金で合計3800ゴールドも稼げることができた。明日はとりあえずダンジョンへ潜ってみよう。俺は一度夕飯を食べるためにログアウトする。

離脱ログアウト!」


しおりを挟む
感想 118

あなたにおすすめの小説

VRゲームでも身体は動かしたくない。

姫野 佑
SF
多種多様な武器やスキル、様々な【称号】が存在するが職業という概念が存在しない<Imperial Of Egg>。 古き良きPCゲームとして稼働していた<Imperial Of Egg>もいよいよ完全没入型VRMMO化されることになった。 身体をなるべく動かしたくないと考えている岡田智恵理は<Imperial Of Egg>がVRゲームになるという発表を聞いて気落ちしていた。 しかしゲーム内の親友との会話で落ち着きを取り戻し、<Imperial Of Egg>にログインする。 当作品は小説家になろう様で連載しております。 章が完結次第、一日一話投稿致します。

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは

竹井ゴールド
ライト文芸
 日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。  その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。  青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。  その後がよろしくない。  青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。  妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。  長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。  次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。  三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。  四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。  この5人とも青夜は家族となり、  ・・・何これ? 少し想定外なんだけど。  【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】 【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】 【2023/6/5、お気に入り数2130突破】 【アルファポリスのみの投稿です】 【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】 【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】 【未完】

最前線攻略に疲れた俺は、新作VRMMOを最弱職業で楽しむことにした

水の入ったペットボトル
SF
 これまであらゆるMMOを最前線攻略してきたが、もう俺(大川優磨)はこの遊び方に満足してしまった。いや、もう楽しいとすら思えない。 ゲームは楽しむためにするものだと思い出した俺は、新作VRMMOを最弱職業『テイマー』で始めることに。 βテストでは最弱職業だと言われていたテイマーだが、主人公の活躍によって評価が上がっていく?  そんな周りの評価など関係なしに、今日も主人公は楽しむことに全力を出す。  この作品は「カクヨム」様、「小説家になろう」様にも掲載しています。

VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?

ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚 そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

後輩と一緒にVRMMO!~弓使いとして精一杯楽しむわ~

夜桜てる
SF
世界初の五感完全没入型VRゲームハードであるFUTURO発売から早二年。 多くの人々の希望を受け、遂に発売された世界初のVRMMO『Never Dream Online』 一人の男子高校生である朝倉奈月は、後輩でありβ版参加勢である梨原実夜と共にNDOを始める。 主人公が後輩女子とイチャイチャしつつも、とにかくVRゲームを楽しみ尽くす!! 小説家になろうからの転載です。

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

処理中です...